恐るべき公安⑦-05公安調査庁と内調「内閣情報調査室の現状とCIA🇺🇸」
悪名高い公安の
組織や手口に迫っていきます。
青木理「日本の公安警察」
青木理(あおき おさむ)
1966年長野県生まれ。ジャーナリスト、ノンフィクション作家。
90年に慶応義塾大学卒業後、共同通信社入社。
社会部、外信部、ソウル特派員などを経て、
2006年よりフリーとして活動
内閣情報調査室の現状
米国情報機関の補完的役割
「内閣情報調査室」のトップである室長には代々、警察庁警備局幹部、
あるいは経験者が就任する。
公安警察の色濃い影響下にあり、過去にはこんなレポートがある。
「米国情報機関の補完的役割を担うため創設された。共産圏諸国の動向監視、なかでも日本に課せられた課題は『北京ウォッチャー』だった」
警察庁から多数出向
調査委託機関には通信社などのほか、
「世界政経調査会」(港区赤坂、約3億2000万円)、
「東南アジア調査会」(千代田区丸の内、同・約1億1000万円)、
「国民出版協会」(港区虎ノ門、同・約1億4600万円)などがあり、
そのトップにはほとんど警察や内調OBが天下っている。
防衛庁の「公安」
現在の防衛庁情報本部電波部「二別」は、約1000人の人員を擁して
全国6ヵ所の電波受信局で無線を傍受していた。防衛庁情報本部電波部となっているが、その指揮系統は内調の室長が握っており、ここからもたらされる情報も内調の貴重な情報源だ。
過去にはCIA🇺🇸など米情報機関の補完的な役割を果たす中で
謀略的色彩を帯びたとの指摘も多く、
「内閣調査室は事実上CIA直属の下請機関として存在し、
(略)機構、人脈そのものがアメリカの情報機関に従属している」
「かつては(略)あきらかに公安機関と密着していた札つきの雑誌を使用して反共宣伝をしていた内閣調査室が、一方では文芸春秋社のような大手の出版社を通じて世論工作を行なうというように、(略)その手口が「スマート」になってきた」
との指摘もあるが、
「独自情報はなく、新聞の切り抜きでお茶を濁しているだけ」(ある内調職員)との証言もある。
実際には、NSA🇺🇸やCIA🇺🇸と組んで、インターネット大量監視などに関与している。
伊丹万作「騙されることの責任」
もちろん、「騙す方が100%悪い」のは紛れもない事実である。
その上で更に「騙されることの責任」を考えよう。
もう一つ別の見方から考えると、いくら騙す者がいても誰1人騙される者がなかったとしたら今度のような戦争は成り立たなかったに違いないのである。
つまり、騙す者だけでは戦争は起らない。騙す者と騙される者とがそろわなければ戦争は起らない。一度騙されたら、二度と騙されまいとする真剣な自己反省と努力がなければ人間が進歩するわけはない。騙されたとさえいえば、一切の責任から解放され、無条件で正義派になれるように勘違いしている人は、もう一度よく顔を洗い直さなければならぬ。
伊丹万作「戦争責任者の問題」より