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統一協会の手口⑧-05マインドコントロールを解く方法編「ある被害者さんの脱会記録[家族視点]」

統一協会の手口⑧-05マインドコントロールを解く方法編「ある被害者さんの脱会記録[家族視点]」

悪名高い統一協会(世界平和統一家庭連合)の
「マインドコントロール」や
「騙し」の手口を明かしていきます。
まだ”完璧なマインドコントロールを解く治療方法はありません”が、
この章では、”マインドコントロールを解く方法のヒント”
についてみていきます。




ある被害者さんの脱会記録[家族視点]

ある被害者さんのお姉さんが、
統一協会🏺に入信してしまった妹さんを救い出すために
奮闘された記録を記したものです。
統一協会被害者の家族視点で見た”貴重な記録”として
転載させて頂きます。
因みに、被害女性の妹さんは、とてもシッカリされた
聡明で心優しい女性です。それでも不安や心配など、心の隙や弱みに
漬け込まれて勧誘されてしまう恐ろしさに、注目してご覧ください。
※MC🧠=マインドコントロール🧠で略して表記することもあります。


人を洗脳🧠し人生を奪う恐ろしいカルト教団が🇯🇵いる現実と向き合うこと

家族や先祖のためにと、必死で自分の体のことも考えずに活動させられたあげく、
”自分が自分でなくなっている”ことにも気づかずにボロボロになるまでコキ使う。

入信してしまうことも、決して本人が悪いわけではなく、
巧みにシステム化されたカルト集団が
本人の行動、思想、感情、情報を
様々な方法でうまく巧みにコントロールして
”決して個人的な考えで動くことのできない奴隷にしてしまう”。

あらゆる人の心の中にある思いをうまく利用しながら、
その人の弱みにつけこみ、美しい言葉でうわべを飾り、すべてを奪い取ったあげく、
働くだけ働かせて後は使い捨てにしてしまうという
絶対に許すことの出来ない団体が存在している現実🇯🇵と向き合ってください。


妹の統一協会入信、そして救出と脱会


はじめに

*この手記は、私が脱会後、
姉が「脱会前―説得中―脱会時」に家族として、
姉自身が見て感じた私の様子を綴ったものです。
これは後日私の裁判時に提出しています。
尚、あくまで個人的な物ですので実名や具体的な地名等は出せませんので、
その旨ご了承下さい。

「妹の統一協会入信、そして救出と脱会」手記より転載

お姉さんの語る統一協会🏺に勧誘されてしまった背景

妹A子は、平成●年10月から平成◆年6月まで
統一協会🏺の壮年婦人部(主婦グループ)の中で活動をしていました。
私たち家族は妹がいつそのような団体に誘われ、どのようなことをしているのか、
平成◆年8月に行われる合同結婚式に出席したいと知らされるまで、まったくといっていい程わかりませんでした。

本人が入信したきっかけを今思いますと、母親が数年前に亡くなってから以後、
妹が同居していた父親の存在が、妹に様々な意味で負担をかけていた
のではなかったのかと思います。
そのことで妹は自分のみが責任を負っていると思いこみ、
知らずストレスがたまり、精神的に何か追いつめられた状態になっていたのです。

ちょうどその時期に、後に霊の親(最初に伝道した人)になる人に訪問され、
親しげな態度に心を許してしまい同情を見せられながら
実に巧みに取り込まれていったのだと思います。

「妹の統一協会入信、そして救出と脱会」手記より転載


妹さんが勧誘されていた兆候

私は▲▲に住んでおりますので、
1年のうちはほとんど実家に帰ることが出来ません。
妹が熱心に活動している最中も時々は電話をかけてみましたが
いつも留守の時が多く、今までとはなにか違うような気がして心配になり、
いったい何をしているのかと尋ねましたが、
「ただ先祖の供養について仏教の勉強をしているだけだから。」
と言うばかりで、はっきりした返答は返ってきませんでした。

「妹の統一協会入信、そして救出と脱会」手記より転載

お姉さんに物品販売🏺

私も思春期の娘が三人おりますので、教育について、
子育てについてなどいろいろと考えることがあり、
妹にも何かの時にそんな話を電話でした所、早速良いものが有る、
自分が勉強している所の関係者で教育研究者の人が
すごくいいビデオを出しているからと勧められ、
平成▲年5月に森山操氏の「ほのぼのビデオ」五巻セットを購入しました。
その後、電話でビデオの感想を話した所、妹はとても満足そうに
そのビデオの内容と霊界·因縁などとの関連性についてとか、
それまではそのようなことは余り話するタイプではなかったのに、
実に多弁に嬉しそうに一生懸命に話をしていました。
(脱会後の話では、自分の活動、献金などのお陰で、霊界が働き、
家族にもその力によって良い変化が現れたのだと信じ喜んでいたのだそうです)

「妹の統一協会入信、そして救出と脱会」手記より転載
森山操氏
森山操氏著書
森山操氏著書
森山操氏著書

お姉さん”展示会🏺(販売会社)”に連れていかれる

また、その年の8月に帰省致しました時、
妹に、自分の友人が化粧品💄の販売をしているので、
少しつき合って買ってほしいと頼まれました。
当時の妹の様子から何となくただの友達ではなく、
今やっているという勉強の仲間ではないのかという気がして、
いったいそれはどんな人達なのかという興味もあり、

一緒にその店(沙蘭)に行き、話を聞きながら男女美化粧品💄を買いました。

その時はまさかそれが統一協会🏺の活動のひとつであるなどということは、
知る由もないことでしたが、普通の化粧品·エステサロン💄というには何か、
異様な感じがしたことを覚えています。
お店の中にいた女性(ただのお客だったのか、統一協会員だったのか
わかりませんが)が、妙に深刻に何か思いこんでいる様子で
店員らしい人と熱心に話をしており、とてもただの化粧品店💄には
感じられませんでした。そしてその時妹が話しているのを聞くと、
その友人という女性は、化粧品販売💄とは別に、
自分の子供をどこかへ預けて妹たちと同じように
何か活動をしている様子でしたので、
妹にいったい何をやっているのかと聞きましたが、
その時ははぐらかすだけで一切話してはくれませんでした。

ただ、やはり同じ仲間であるということは否定せず
「でも何もおかしなことはしていない。だってあの店の人達だって
決して変な人達ではないでしょう。」

誇らしげに言うだけでした。

確かに、化粧品販売員というには化粧も濃くなく、派手な様子もなく
まじめな感じ
ではありました。しかし、言葉にはできませんが、
私達とは違う何か妹たちだけにしか理解できないような
共通のもの
が感じられ、それが私には異常なもののように想えたのです。

「妹の統一協会入信、そして救出と脱会」手記より転載

カルトに入るとカルト以外に居場所がなくなる

カルトに入るとカルト以外に居場所がなくなる


お姉さん統一協会🏺のイベントに連れて行かれる

それからまもなく、●区の「▲▲▲店」で例のビデオの森山操氏の講演会がある
と誘われ、娘たち三人をつれて参加しました。
会場では入口でたくさんの人が開演を待って並んでいましたが、
何かその雰囲気が異様な感じでした。
並んだ人達は、皆変に微笑み合いお互いしか理解できないような言葉
(原理用語だったのでしょうか)で話している人達
もあり、
私はその時ここは自分のいるべき場所ではないような、
何か奇妙なぞっとする印象を持ったことを覚えています。

妹も、知らない人ばかりのはずなのに、何かとても満足げに
会場を見渡していました
。その講演会では、まず合唱などのアトラクション、
『この餅を食べると良いことがある』というようなことをいいながら、
一斉に餅まきなどがあって、
それから森山氏の講演(いわゆる教育的な内容が中心)があり、
最後に主催者から会場の人達に対してお布施💰というか、献金💰というか、
そのような要求がありました

やっぱり仏教なんだろうかと想いながら様子を見ていると、
強制的ではないような感じでしたが多くの人達が壇上に上り、
花を飾った祭壇のようなところにお金💰を置いて
何かお祈りのようなことをしていました。
妹も自ら上がっていき、大勢の人と同じようにしておりました。

壇上から戻ってきた妹に私の長女👧が、
「お金なんて出さなくてもいいんでしょ。もったいないじゃない。」
と何気なくいう
と、
「余ってるお金があったら、少しは困っている人のために
出してあげなきゃいけないんだよ。」

というようなことを、強い調子で答えていました。

妹はそういうことを言う人間ではなかったので、私も少し驚き、
何がどうしていつの間にかこんなふうになってしまったのかと想いました。

「妹の統一協会入信、そして救出と脱会」手記より転載


ヒソヒソと☎️アベル🏺に”報連相”を欠かさない妹さん

(それ以外、普段はまったく普通の妹なのですが)
この夏は三週間ほど帰省し、妹と生活致しましたが、
ほとんど毎日朝9時から夕方6時頃まで外出しており、
帰りはクタクタの様子でしたが、余りろくな話もせず、
食事後は一人でひそひそと電話☎️をしていました。

(脱会後の話では、毎日アベル(責任者)に報・連・相をしていたそうです)
話を聞きたくても話してはくれず、
毎日忙しそうでゆっくり過ごす暇もなく

変だ、おかしいとおもってはいても何も手出しができない状態で、
はがゆくもまもなく私達は▲▲に戻らなければなりませんでした。
(その当時は、それほどひどい活動をしているとは思ってもおりませんでしたし)

「妹の統一協会入信、そして救出と脱会」手記より転載


合同結婚式に参加したいと🏺入信を告白

統一協会🏺では、
”唯一の救いの道が合同結婚式”と教えられ、
”合同結婚式への参加条件”は、
「①伝道」と「②経済活動」
①伝道(3人以上の勧誘)
②経済(販売などでお金集め)で一定の実績をあげること
なので、信者が必死になって加害し、
被害が拡大してしまう事情もある。

平成◆年5月に初めて妹から統一協会🏺に入信し、
その合同結婚式に参加したいと聞いた時、正直その時点では、
何が何やらいったいどういうものなのか良くわかりませんでしたが、
すぐ当時出版されていた統一協会に対する様々な批判の本などを読み
これは何とかしなくてはいけないと友人に相談したところ、
まもなくC先生という方を紹介して頂きました

「妹の統一協会入信、そして救出と脱会」手記より転載

お姉さん脱会牧師先生に助けを求める

それまで持っていた多少の希望は打ち消され、
それと同時に本当にとんでもない団体なのだとそら恐ろしくなりました

C先生は▲▲のクリスチャンで、
これまでずっと統一協会🏺の救出に関わってこられたということでしたので、
何の知識もない私たちは統一協会に関して様々なことを
アドバイスしていただきました。

説得の日まで何度かお会いしていろいろお話をお聞きした中で、
私たちがどうしても理解できないこと
例えばいったい妹の頭の中はどういう状態なのか、ということに関しても、

「例えて言うと、第二次世界大戦中の日本人の姿を思い起こせば
良くわかるでしょう。当時の日本人は本気でカミカゼが吹くと思っていた。
情報を完全にコントロールされ、竹やりで飛んでいる飛行機さえも落とせる
などと、今からはとうていまともには考えられないことを
信じてやっていたのです。それが妹さんの今の精神状態です。」


と、とてもわかりやすく話して下さったので
私たちもそれを聞いて納得できました。

また、妹は入信してまだ二年たらずでしたから、
それほど深く入り込んでいないのではないかとお聞きする
と、

「三か月経てば誰でもほとんど同じですよ。
その間に集中的に詰め込まれるからです。時間の余裕を与えず、
よけいな考えを起こす前に周囲の人間が油断無く本人を観察し、
上手に自分達の理論の中に取り込んでしまうのです。」


と、それまで持っていた多少の希望は打ち消され、
それと同時に本当にとんでもない団体なのだとそら恐ろしくなりました

「妹の統一協会入信、そして救出と脱会」手記より転載


お姉さん統一協会🏺を否定すると逆ギレされる

妹は、
”排他的で妙な選民意識をむき出しにしてしゃべり”
統一協会🏺だけが絶対的なものなのだという意識を
すっかり植えつけられていて、まったく以前の妹とは違う人間に
作り替えられていました

平成◆年6月初め、妹は私たちに対して合同結婚式に参加することを
報告すると共に、かつまた私たちを説得しようと自宅にやって来ました


その時、私達夫婦と3人で2日間初めてお互いに面と向かって
その件について話し合いました

妹はいろいろと統一協会🏺のことを話してはくれましたが、
言ったことに対して"私たちが受け入れられない態度をとる"と、
"目をつりあがらせて私たちを盛んに批判する"のです。

私に対しても、
「自分たちの事しか考えられないなんて、自分自身が恥ずかしくないのか。」
「あなたたちの今までの結婚生活は幸福ではなかったのではないか。」

などと言い、
「統一協会の原理はキリスト教を超えていて、最上のものだ。」
とか、すっかり批判的で、
”自分たちの信じるもの以外は正しくない”という
実に”排他的で妙な選民意識をむき出しにしてしゃべる”のです。

妹は、
統一協会だけが絶対的なものなのだという意識をすっかり植えつけられていて、
まったく以前の妹とは違う人間に作り替えられていました


こうしたこともあり、合同結婚式も間近に迫っておりましたし、
妹自身毎日の伝道活動からすっかり体が参っていたので、
早くなんとかしなければいけないという思いばかりで
その頃は過ごしておりました。

「妹の統一協会入信、そして救出と脱会」手記より転載

知られずに救出準備をする困難

説得までの間、一番苦労したことは、
その準備をしていることを彼女に知られないようにすることでした。

毎日毎日その圧迫感に押しつぶされそうになりながら、
必死で準備をいたしました。
様々な事を考えると今にも精神的に参ってしまいそうでしたが、
信仰という名のもとにまじめな信者を使って
反社会的な活動をさせているとんでもない組織に怒りを覚えました
し、
今妹は被害者とはいえ、
同時に何の罪の意識のないまま加害者になってしまっているという事実、

このことから一日も早く救出しなければと思うことが、
自分の支えになっていた
のではないかと思います、

「妹の統一協会入信、そして救出と脱会」手記より転載

(以下、説得については日記的にまとめました。)

6月28日:救出作戦1日目

平成◆年6月28日、▲▲市内のマンションの一室で救出がはじまりました。
一緒に参加した家族は父、兄、弟、弟の嫁と子供、そして私です。

夜、合同結婚式について家族で話をしたいからと言って、
マンションに連れていく。妹は素直についてきた
父と兄が妹にいろいろ話をしたが、平行線で少しも状態は変わらない
(この日のことは、後で弟や弟の嫁に聞いた)

弟がこの一ヶ月余りの間、必死で原理講論や統一協会で出している
信者向けの教義の資料などを読んでいた
ので、
その内容などについて話すと、
「少しの間にずいぶん勉強したんだね。」
と、うれしそうに言っていたらしいが、
こちらにしてみればどうしても理解できない事

(人を救うべき立場にあるメシアなのに
どうしてあんな豪華な生活をしているのか、とか、
統一協会に入信していない人間はどうあっても救われないのか、
など
)についてさらに質問すると、
「そういう事は私くらいの信仰歴の短い段階では答えられない。
もっと上の立場の人に会って聞いてくれればきっと理解できると思う。」

と言うばかりで、話にならなかった

「妹の統一協会入信、そして救出と脱会」手記より転載


6月29日:救出作戦2日目

C先生と私が▲▲から●●へ向かう。
マンションの近くにホテルを借り、そこにC先生に泊まって頂き、
そこからマンションに通って頂くことにお願いをした。

始めに私が家族と彼女がいるマンションに行き、
一時間後、弟と一緒にC先生がいらした。
妹は家族だけの時はどうということはなかったが、
先生が見えたとたん表情が変わり、警戒するような素振りを見せた

それでも露骨に拒否はせず一応話を聞くという姿勢にはなっていたので、
まず先生が文鮮明、統一協会に関して妹ら信者が教わっていることについて
確認するように話して下さった

はっきり否定するというようなことは言わず、
「どう思いますか?」
とか、
「どういうことなんでしょうね。」
とか、本人に考えさせるような接し方で話して下さったので、
妹も質問に対して自分で答えざるをえないようでしかたなくボツボツ
答えてはいたが、まだ警戒をしているようでまともに心を開こうとしない様子。

それから、弟が必死で原理と聖書の違いについてC先生に質問し続ける
妹はとなりでただ上の空で聞いている
先生がお帰りになってから、
私が原理の内容についてよくわからないから教えて欲しいというと、
妹は内部で出している統一原理についての本をだし
それははりきって意気揚々と話してくれた
が、
多少なりとも聖書について知識のある私にはどうにも理解しがたかった。

その夜、私と同室で休む
その時妹は、
「どうして外に出してくれないのか。息苦しくて仕方がない。
逃げるつもりなんてないから少し外の空気を吸わせてほしい。」

とマンションのカギを開けて外に出してほしいとしきりにいうが、
私は、
「娘たちもA子ちゃんが合同結婚式に出てどこかへいってしまう
のではないかと心配しているし、
娘たちにきちんと納得いく説明が出来るまで開けるわけにはいかない。」

断る

妹は、毎日の伝道生活で疲労のため顔色も悪く
その上腰痛がひどく、歩くのがやっとという状態だった

みんなどんなに心配しているのかを繰り返し繰り返し話した
疲れた身体をマッサージしてあげながら
統一協会での毎日の生活について聞く

「妹の統一協会入信、そして救出と脱会」手記より転載


6月30日:救出作戦3日目

妹は朝食も余り取らず良く眠れなかったのか相変わらず顔色が悪い

朝食後C先生が見えて、朝の10時頃から夜の10時まで、
食事時間を除きほとんどずっと原理と聖書について弟が質問し、
先生が答えるという状態で勉強が続く


時々私が母の話や、学生時代のことなど
彼女に統一協会以前の生活はどうだったか、聞いたりした。

妹は、『ガンで亡くなった母が霊界で泣いているので
自分が○○家のメシアとなって活動しなければならない』

思いこまされ、冷静に考える力を失ってしまっていた

マインド·コントロール🧠を解くためには、彼女に少しでも
家族の真実の思いを伝えるのが大切だが、
決してせかしたりあせったりしてはいけない

私はいつも、たとえどんなひどい状態になったとしても
そしてこれが何か月もかかろうとも、彼女が一番つらいのに違いない
という思いを持ち続けなければいけないのだと自分に言い聞かせ
ながら、
一緒に先生のお話を聞いていた。

しかし妹は先生の質問には答えようとせず、
直接心を開いて話を聞こうとする様子はない

何を言われても自分の信仰は絶対崩れることはないという
かたくなな態度を続けていた


(妹に後で聞いた話では、答えたくないと言うよりも、
苦しくてどう答えていいのかわからなかったと言っていた。
今思えば、本当の妹が別な人格の妹と葛藤していた時だった
のだろうか。)

そして妹は夜になって先生がお帰りになると、
また外に出してほしいと弟に頼んでいたが、
それはできないと断られていた。

「妹の統一協会入信、そして救出と脱会」手記より転載


7月1日:救出作戦4日目(マインドコントロール🧠が解ける瞬間!)

昨日と同じようなやり取りが続く。
状態としてはあまり変わらない。
それでも少し休息出来たせいか
(毎日朝から夕方まで活動していた生活から解放されて)
和らいだ表情になる

午前中、父が病院に行くためマンションを出る。
その時、”妹は自分の方からすすんでカギをかけに行った”のだが、
それは”明らかに大きな態度の変化”だった。
それまではさかんにカギを開けてほしいと言っていたのに、
逆に外部から、
つまり統一協会から自分を連れ戻しに来るのではないか
という恐れ
が自然に出てきて、
このマンションにいる私たち家族に自分を守ってほしいと
思っているのではないか
と感じた。
弟と私は、少しづつマインド·コントロールが解けてきているのかも
しれないと、多少ではあったが力づけられた。

妹はマンションの生活が始まってから、
毎日夜になるとお風呂場で条件だと称し2、3時間もの間、
原理講論を読んでいた。


この日の午後の勉強中に、ふと私がそのことを思いだし、先生に、
「先生、A子ちゃんは疲れているのに、
何時間も原理を読んでいたんですよ。
早く休んだ方が良いと言ったんですが。」

と言ったところ、先生が、
「A子さん、何を読んでいたんですか?
私に原理講論のどの部分を読んだのか話して下さい。」

とおっしゃった。

すると妹は、
「え―っと···。」
と言ったきり思い出せない様子で言葉が出なかったので、
隣にいた私は思わず、
「あんなに頑張って条件立てて読んでいながら、
何を読んでいたのかわからないの!」

と言ってしまいました。

すると妹は、(本当だ、私はいったい何をやっているんだろう?)
と口には出さなかったけれど、
それを表しているかの様に少してれくさそうに笑った


かと思うと、
不思議なことにそれまでの暗く硬かった顔色が、
さあっとピンク色に変わり、表情も変わっていった。

その時こそが、心のドアが開いて
妹がマインド·コントロール
🧠から解放された瞬間だった
のではないだろうか



それからは次第に、先生の質問にも答え始める様になった。
食欲も少しずつ増えてきた様だ。
その夜は外に出してほしいとは言わず、ぐっすり眠れた様子だった


それまで懸命に続けてきた条件も
この日一日で終わるらしかったが、
信じていたものが崩れてしまったせいだろうか?
もうやる気がなくなったといってしなかった


妹は前の夜、ずっと続けていた条件の中の21分祈祷の間、
「神様、助けて下さい。
本当に正しいものを教えて下さい。
そしてどうかそれをはっきり示して下さい。」

と、必死で祈っていたそうだ。

後でそのことをC先生にお話すると、
「そうですか。それが本当の祈りですね。」
とおっしゃっていた。

*私の兄弟は、兄(長男)・姉・兄(次男)・私の4人です。
弟というのは私のすぐ上の兄(次男)の事です。
上の兄(長男)の妻はすでにエホバの証人で、
この時期先生にお願いすれば脱会できたかもしれませんが、
覚悟が定まらず機会を逃し現在に至ります。

「妹の統一協会入信、そして救出と脱会」手記より転載

過密なスケジュールや課題を押し付け
”疲労と睡眠不足で思考停止🧠
”判断力低下させる”
のが典型的な”カルトの特徴”です。

カルトの洗脳🧠過程


7月2日:救出作戦5日目(脱MC🧠初日)

とてもシッカリされた聡明で心優しい女性である
被害者の妹さんが元に戻られた様子です。
前後の違いと、マインドコントロール🧠の恐ろしさを
感じとって頂ければ幸いです。

C先生が用事のため▲▲に帰られたので、
家族だけでのんびり過ごす

弟の子供(2才半)も一緒にマンションで生活していたので、
妹は久しぶりに相手をしながら楽しそうに遊んでいた

そして今までの自分自身のつらい生活のことや、
父への思い、亡くなった母への思いを
しみじみと話しながらのんびり過ごしていた

妹は無邪気な子供👧のかわいらしい表情を見ながら、
「この幼い子供にまで統一協会の教えている罪があるとは信じられない。」
と、はっきり原理の間違いについて話した


また、今日も一生懸命活動している仲間のことを思い出し、
「毎日あんなに必死でやっていてみんなは
どれほど疲れていることだろう。本当にかわいそうだ。」

などと自分から言い、ぽろぽろと涙😢を流して話した
この時やっと妹が物事を客観的に判断し、
自分の頭
🧠で考えられる様になったことを感じた

(後で妹に聞いたところ、この時、
それまで必死に支えていた壁が一気に崩れたような感じだったという。
そして、本当に今まで自分はいったい何をやっていたのか?
という思いがあふれ、周りにいる家族に対しても、
何のためにこうしてマンションに入り、
こんな小さい子供まで巻き込んで迷惑をかけているのか、
やっと気がついたといった。
それまでは何とか家族を説得して
合同結婚式に参加することだけを思っていたそうだ。)

そして私は妹が、統一協会員🏺ではない
以前の姿に戻りつつあることを実感することが出来た
それからはみるみるうちにマインド·コントロール🧠が
解けていったらしく、自分が統一協会で活動していた様子や、
持っている資料など内部のことについて
自らすすんで私たちに教えてくれる様になった。


また、献金や物品の購入など、
それまでは聞いても大分少なめに言っていたらしく、
実はもっともっと出しているんだと言い

(その時点で妹はあちこちの銀行から借金までしていて、
破産状態寸前だった)、

そのまともには信じられないような金額に
私たちはただ驚くばかり
だった。

またこの日、少し外の空気を吸いたいというので、
弟がついてマンションの屋上へ連れていくと、
本人としてはまだ不安はあったのだろうけれど、
それはさわやかな顔をして
「ここに来てから五日ぐらいしか経ってないのに、
何だかすっかり違う人間になったような気がする。
ずいぶん長い時間が経過したような、不思議な気持ち。」

と、まるで違う世界を見るような感じで、
外の景色を眺めていたという。

【監視している統一協会信者たち】
*この間、兄がちょっと実家に行ってみると、
元のメンバーやアベルらしき人達が実家の近くに
来て様子を見ていた
様です。

「妹の統一協会入信、そして救出と脱会」手記より転載


7月3日:救出作戦6日目(脱MC🧠2日目)

再びC先生が▲▲から戻られ、
一日中先生に原理の間違いについてお話して頂き
妹は文鮮明がメシアではないと理解出来た様子だった。

先生は様々な資料を出して一つ一つ確認するように
じっくりとお話して下さった
が、
最初の時に見せられたはずの、
文鮮明がかつて北朝鮮から足の折れた弟子をおぶって
38度線を渡ってきたという、内部では美談として利用されていた写真
(この写真は、顔が違う、足が折れていないなど
明らかに偽物だといううわさになり、
この頃はもう内部でも表立って見せてはいなかったらしい)も、

改めて見せられて、
「本当に違う、顔がまるで他人のものだし、
おぶわれた人も足がちゃんとしている。」
などと、
三日前には気づかなかったものが見えてきている👀ことに
妹自身もはっ💡としたような様子だった。

「妹の統一協会入信、そして救出と脱会」手記より転載


7月4日:救出作戦7日目(脱MC🧠3日目)

また、朝から先生のお話が続けられる。
妹は、自分の知らない統一協会の実態を知らされて、
一つ一つ驚きながら聞いていた。

「妹の統一協会入信、そして救出と脱会」手記より転載


7月5日:救出作戦8日目(脱MC🧠4日目)

脱MC🧠になると、今までの極度の張り詰めた緊張が解けて
少しボーッとなったり混乱することもあるようだが、
リハビリで徐々に良くなる模様。

私の長女が妹に会うため一人で▲▲から来る。
その出迎えのため●●空港へ行く。
この日妹は久しぶりで外に出た。
空港の中や一番街などを少し歩くが、
それでいかに自分の体力が落ちているか、
また今までどんなに精神的に普通の状態ではなかったのか、
雑踏を歩いてみて良くわかった様であらためて驚いていた


途中、コンビニエンス·ストアで
ちょっと買い物をしたのだがお金を出して払う時、
それがなぜかスム―ズに出せず、
自分でもどうなったのか混乱してよくわからなかったらしい。

マインド·コントロール🧠から解放された時、
同時に何かが抜けていってしまったのだろうか?


*この時買い物で金額は忘れましたが、
例えば750円と言われて1050円で300円のお釣りを
もらおうとしたのが、いくら出したらいいのか?
とまどった事を覚えています

「妹の統一協会入信、そして救出と脱会」手記より転載


7月6日:救出作戦9日目(脱MC🧠5日目[玉葱症候群🧅])

妹はこの日も一日中、先生からお話をお聞きする。
原理講論の中の1ページ1ページを確実に確かめながら追っていく作業は、
妹にしてみればまだ混乱している状態で非常に大変な様だったが、

妹は、
「聞いているととても辛くてたまらないけど、
聞かないわけにはいかないから。
例えると何か自分にとってとても大切なたまねぎの皮を
1枚1枚むいているようで、最後に必ず何かあるに違いないと思って
必死で剥いたところが、結局は何もなかった。
そしてその皮と皮の間に何かがはさまっていて、
剥く度にそれがボロボロ落ちてくる。
その落ちてくるのがとても痛くて辛いんだけど
剥かないわけにもいかない。そんな感じだね。」

と、自分の心理状態をよく分析して説明してくれた。

*今思えば朝から晩まで我ながら相当にきつい数日間でした。
たまねぎの話は自分で「玉葱症候群🧅と言ってました。
丁度この頃「統一協会からの救出」の著者、田口民也氏
●●から転勤されてこの現場で初めてお会いしました。
何だかちょっとドラマの様でしたね。

「妹の統一協会入信、そして救出と脱会」手記より転載

もし例えるなら、「墨塗り教科書」で”今まで教えられたことの誤り”
1つずつ確かめながら”紐解いて訂正していく”ような作業か?
根気の要る大変なリハビリ治療である。

墨塗り教科書
田口民也編著「統一協会からの救出」


7月7日:救出作戦10日目(脱MC🧠6日目)

だいぶ、妹も回復してきた様子だったので、
マインド·コントロール🧠のリハビリテ―ションを受けるため、
私はC先生と共に妹を連れて自宅へ戻る。

この後約1カ月にわたって
ほとんど毎日の様に聖書と原理の違いについて、
先生から教えて頂くことになる


この様にして、幸運にも私たち家族は妹を統一協会から
救出することが出来ました。
時間もなく、準備もきちんとできないまま奇跡的に成功したことを
思いますと、本当にたくさんの方々のご協力がひとつになって
大きな力となり、救出に成功したのではないかと思います。

特に家族の中ではなりふり構わず必死で何とかしようと努めた
弟の力が大きかった
ように思います。
協力して下さる方があったとしても、
最後には本人を誰よりも思っている家族が、
どうしたら心を開いてくれるか真剣な気持ちで
取り組むことが大切
なのです。

家族一人一人が原因は自分にあることを認識し、責めず、
あきらめることなく、説得するような態度をとらず、
統一協会のことについて一緒に考えて学んでいくという姿勢を
持ち続けることだと実感しました。

また、脱会出来たからといってすべてが解決したわけではありません。
それまで見えていなかった現実を本人も家族もいやでも見せられて、
それが故の苦しみも出てきます


本人も、すべてを失ってしまったという虚脱状態から自分を取り戻し、
普通の生活が出来るまでにはかなりの時間が必要
なのです。
焦らず、十分に時間を取って家族全体で協力しながら、
前向きに対処していくことが大切
だと思います。

「妹の統一協会入信、そして救出と脱会」手記より転載


人を洗脳🧠し人生を奪う恐ろしいカルト教団が🇯🇵いる現実と向き合うこと

そしてなによりはっきりと確信出来たことは、
あらゆる人の心の中にある思いをうまく利用しながら、
その人の弱みにつけこみ、美しい言葉でうわべを飾り、
すべてを奪い取ったあげく、働くだけ働かせて
後は使い捨てにしてしまうという絶対に許すことの出来ない団体が
存在していること
でした。

入信してしまうことも、決して本人が悪いわけではないのです。
巧みにシステム化されたカルト集団が本人の行動、思想、感情、
情報を様々な方法でうまくコントロールしてしまい、
決して個人的な考えで動くことのできない人間にしてしまう
のです。

家族のため、先祖のためと必死で自分の体のことも考えずに
活動させられたあげく、自分が自分でなくなっていることにも気づかずに
ボロボロになってしまう
のです。
本当に恐ろしいことだと思います。

私の今の思いは、これまで妹の受けた経済的、精神的、
肉体的被害について統一協会に償ってもらい、
一日も早くすべてが解決してほしい
ということです。

そして今現在も真実に気づくことなく、つらい活動をつづけている方たちが、
ご家族の力によって一日も早く脱会することが出来、
本当の人生を見つけて下さる様にと願っております。

「妹の統一協会入信、そして救出と脱会」手記より転載

「私はもう戻りません」

*リハビリの為姉宅に1ヶ月行っていましたが、
1度荷物を取りに自宅へ戻った時、偶然霊の親が訪ねて来ました。
心配そうに話かけてきて、さて自分は何と答えるのかと
ふと不安が襲いましたが、
口から出た言葉は「私はもう戻りません」
うなだれて帰って行った彼女とはその後会う事はありませんでした。

「妹の統一協会入信、そして救出と脱会」手記より転載


手口シリーズのINDEXページ

統一協会の手口シリーズまとめ


伊丹万作「騙されることの責任」

もちろん、「騙す方が100%悪い」のは紛れもない事実である。
その上で更に「騙されることの責任」を考えよう。

伊丹万作「騙されることの責任」

もう一つ別の見方から考えると、いくら騙す者がいても誰1人騙される者がなかったとしたら今度のような戦争は成り立たなかったに違いないのである。
つまり、騙す者だけでは戦争は起らない。騙す者と騙される者とがそろわなければ戦争は起らない一度騙されたら、二度と騙されまいとする真剣な自己反省と努力がなければ人間が進歩するわけはない騙されたとさえいえば、一切の責任から解放され、無条件で正義派になれるように勘違いしている人は、もう一度よく顔を洗い直さなければならぬ。
伊丹万作「戦争責任者の問題」より



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