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民意が反映されない「金権政治」の仕組み②「3種の神器」が支配する政治

民意が反映されない「金権政治」の仕組み②「3種の神器」が支配する政治

なぜか国民の民意が反映されなくなってしまった日本政治の世界。日本社会(政治・経済)などで、何が起きて、このような事態が起きているのか?を読んだ本を参考にして、シリーズで「強欲資本主義」の正体や仕組みを探っていこうと思います。

今回は恐るべき「回転ドア人事」と
「カネ」「ロビイスト」「回転ドア」という「3種の神器」に注目!

堤未果「政府はもう嘘をつけない」


堤未果「政府はもう嘘をつけない」

読んでいくのはこちら。堤未果さんの「政府はもう嘘をつけない」です。
第1章から抜粋していきます。


オバマ大統領の政治献金問題改革の嘘

●1%の超富裕層や利益団体の政治献金が政治を動かしている今のアメリカを象徴するオバマ政権のスポンサーたち

公権力腐敗を対象とする非営利の調査報道団体「センター・フォー・パブリック・インテグリティ(TheCenterforPublicIntegrity)」のベス・イーシアは言う。
「政治とカネ問題とはつまり、1%の超富裕層や利益団体の政治献金が政治を動かしている今のアメリカのことです。特にリーマン・ショック以降、この国の多くの有権者にとって、その不信感は強くなっている。でも、実はヒラリーこそが、その恩恵を最も受る候補なのです」

「オバマ大統領も、当選した時には政治献金問題に手をつけると言っていましたね?」

「はい。ですが、大統領に就任するとこの問題はうやむやにされました。あの選挙で大企菜やウォール街を中心に、彼が集めた、7億5000万ドル(約750億円)という史上最高額の政治献金は、2期目の選挙では10億ドル(約1000億円)に跳ね上がってしまって・・・・」
「10億ドルですか?」
「ええ、信じられない額ですが、二度目の選挙の大口スポンサーが、あの「全米貿易協議会(NFTC)」といえばわかるでしょう?」
「全米貿易協議会」といえば、アメリカで最も古く、最大規模の財界団体だ。
メンバーを見ると、世界中に市場を持つグローバル企業がずらりと並んでいる。シェブロン、GE、ボーイング、シティグルーブ、VISA、オラクル、タイムワーナー、マイクロソフト、IBM、モンサント、ファイザー、ジョンソン・エンド・ジョンソン、インテル、ウォルマート、GAP、UPS、ゼロックス・・・・・・のような巨大グローバル企業をはじめ、「著作権」や「知的財産権」を取り扱う「全米映画協会」や、「全米音楽出版社協会」「米国出版社協会」「全米商工会議所」「全米肉生產者・牛肉協会」などのロビー団体も入っている。
「2期目の就任式で、最前列の席にずらりと並んだ大口スポンサーたちの顔ぶれをたか?あれを見れば、オバマ大統領が誰のために働いていたのかが、一目駅然ですよ」
NFTCの会員リストを目にした後では、最前列に座っていた顔ぶれは見なくても想像がつくだろう。

堤未果「政府はもう嘘をつけない」第1章p42〜47

1%の超富裕層や利益団体の政治献金が政治を動かす仕組み

●「お金で政府への影響力を買う」という新ビジネス

費用を支払った人々の内訳は金融、保険、小売り、製薬、娯楽、不動産、広告、司法、メディアなどの業界大手、彼らはもちろん前回と同様、目に見える形で素晴らしいリターンを受け取っている
たとえば、リーマン・ショックで大量の不良資産や不良債権を抱えこんだウォール街は、ヘッジファンドだけで350万ドル(約3億5000万円)を気前よく寄付、その(投資)は、同月オバマ政権から、公的資金注入という形でしっかりと回収された。

「お金で政府への影響力を買うという傾向が、年々顕著になっているのです」

政府監視機関の一つである「責任ある政治センター」のディレクター、シーラ・クラムホルズは、この状況へ強い危機感を口にする。
「それでも、2009年のオバマ大統領は、チェンジを期待させてくれました。脱金権政治を掲げ、献金元をすべて公開したからです。私は思いました。ああ良かった、この情報公開で国民の批判の声が高まれば、いそこからチェンジがくるに違いないと」
だが、オバマ政権下で高まったのは、国民でなく大企業の声だった。

堤未果「政府はもう嘘をつけない」第1章p42〜47

●「お金で政府への影響力を買う」仕組み

2010年に、最高裁が外部団体を経由した企業献金の上限撤廃判決【シティズンズ・ユナイテッド】を出し、大統領や国会議員が受け取れる企業や組合からの献金額が、事実上無限になったからだ。

2013年。オバマ大統領2期目の就任式に集まった、1億2430万ドル(約125億円)という法外な献金は、米国の最高記録をまたしても更新した。
政治献金を監視するNGO「太陽基金」のスタッフ、ジョン・ワンダーリッチ氏は、この一連の流れについてこう語る。
「ロビイストより、彼らの雇用主である大企業が堂々と大口献金し、しかも青天井だ。もはや、これほどあからさまに政治に値札がつけられた国を、法治国家と呼べるのか?

堤未果「政府はもう嘘をつけない」第1章p42〜47

全有権者の0.000042%の少数者が「お金で選挙結果を握る」仕組み

●全有権者の0.000042%の少数者が「お金で選挙結果を握る」仕組み

2010年1月の最高裁判決。
【シティズンズ・ユナイテッド】と呼ばれるこの判決が、アメリカの金権政治を完成させる最後の仕上げだったことに、国民は徐々に気づき始めている。だがそれは上位1%層にとっては、耳元で明るく鳴り響く勝利のファンファーレだったついに、好きなだけ政治をカネで買うことが〈合法〉になったのだ。

今後有権者は、上限5200ドル(約52万円)まで献金した後は、「スーパーパック」と呼ばれる集金団体を通して、無制限に寄付できるようになる。
この「スーパーパック」誕生によって、アメリカの選挙に何が起きたのか?
非営利の政治資金監視団体「オーブンソサエティ」によると、同月後の2010年秋、中間選挙で新しく登録したスーパーパックの数は83件、集金総額は8917万ドル(約90億円)だった。
ところが、わずか2年後の選挙では登録数が5倍以上1360件に、集金総額は約7倍超の6億9000万ドル(約690億円)に膨れ上がっている。

驚くべきことに、2010年の選挙で200ドル(約2万円)以上の献金をした有種者は全体の0.26%、
上限の5200ドル(約2万円)まで寄付した有権者は全体の0.05%、
1万ドル(約100万円)以上寄付した有権者となると、何と有権者全体のたったの0.01%だ。
さらにショッキングなことは、2010年のスーパーバック全体の集金額(約30億円)の6割(5400万ドル=約54億円)が、たった132人の財布から出ていたことだろう。
そしてこの金額は、わずか2年後には7倍に跳ね上がる。

ハーバード大学法学部のローレンス・レッング教授は、この数字をアメリカの民主主義を崩壊させるものだと警鐘を鳴らす
「これは非常に恐しいことです。アメリカの全有権者の中のわずか0.000042%が、選挙の行方を握ってしまったのですから

堤未果「政府はもう嘘をつけない」第1章p47〜49


庶民を妨害する暗躍する「反共カルト思想」

●なぜか?「金権政治批判をすると潰される」アメリカの社会システム

ハーバード大学法学部のローレンス・レッング教授は、この数字をアメリカの民主主義を崩壊させるものだと警鐘を鳴らす。
「これは非常に恐しいことです。アメリカの全有権者の中のわずか0.000042%が、選挙の行方を握ってしまったのですから」

合衆国憲法の起草者は、草案にこう記している。
政府の権限は、一般市民に依存する
この憲法理念と逆行し、より多くの金を持つ者が政治を支配するいまの状況に強い危機感を覚えたレッシグ教授は、いても立ってもいられなくなり、自ら大統領選出馬を決意した。

2015年8月1日。
「政治献金改革」を掲げたレッシグ教授は、インターネットで100万ドルの選挙を集めるための、クラウドファンディングを呼びかける。
「腐った金権政治から、この国の民主主義を取り戻せ」
このメッセージは多くの共感を呼び、それから約1カ月で見事100万ドルを集めることに成功した教授は、9月に民主党指名候補レースに参加した。
「大統領になったら選挙制度を改革する、それが成立したら私は辞任する」

インターネットを有効に使った選挙資金と支援拡大は順調に進み、いよいよ候補者討論会が近づいた。
レッシグ教授には、国民を覚醒させるための「ある計画」があった。
「暗黒の8年」と呼ばれたブッシュ政権が終わり、チェンジを掲げたアフリカ系大統領が誕生しても、この国は良くなるどころかますます貧困と格差が拡大している。なのに、アメリカンドリームが消滅してしまった最大の原因は、ずっと隠されてきた。今まで大きく取り上げられなかったこの【政治とカネ】問題を、今こそ討論の場で取り上げなければならない。全米の有権者が見ている前で、各候補者にその見解について発言させるのだ。

たとえ候補者たちが口先だけでその場を取り繕ったとしても、多くの有権者はそこで初めて知るだろう。たがが外れた選挙献かが外れた選挙献金によって、今この国の政治が超富裕層の手に握られているという事実を。

今や大衆向けのショーと化した選挙戦の中、2大政党はテレビカメラの前で「見せかけだけの激論」を交わす。同性婚に人種問題、テロ対策に教育に、エネルギー問題・・・・・・。それを見て有権者は興奮し、この国の真の問題―――両党の大口スポンサーたちのアキレス腱―――である「政治とカネ」はうやむやにしておくという暗黙の了解は守られる。だから私がこのテーマを、全米の有権者たちが見ている前で、討論会のテーブルに叩きつけるのだ。

ひとたび真実が広がり、市民の怒りに火がつけば、カネまみれの拝金政治に終止符を打つためのチャンスがやってくるはずだ。かつて50年代に、ベトナム反戦運動や公民権運動が起きた時のように。

レッシグ教授の頭の中では、すでに希望の青写真が出来ていた。

だが奇妙なことに、民主党は討論会の直前に突然理由もなくルールを変更し、「6週間前に一定の支持率を得ていること」という参加資格を追加した。
10月から本格的に政治活動を開始したレッシグ教授には、逆立ちしても不可能な条件だ。
よくわからない理由で急に外された教授は、結局出馬を断念せざるを得なくなった
これについて党は沈黙を決め込み、不当に締め出されたと訴える教授の声が、全米の有権者たちに届くことはなかった

堤未果「政府はもう嘘をつけない」第1章p49〜52

ロビイストを使った「政治」という投資問品を買う仕組み

「資本主義」を正常に機能する条件を骨抜きにした「競争原理の回避」
「政治⇆企業の回転ドア人事システム」
法外な訴訟費用や減収リスクも回避できて便利

この手法は自壺党🏺や維新もよく使っているので、
日本中に蔓延している手口。
最近では都民ファーストと三井不動産の癒着が有名。

また、企業が規制省庁や役所から「天下り」を受け入れるのも
規制側に便宜を図って貰うため。

●アメリカで政治が「約2兆円のカネで買える投資商品」になった経緯

アメリカで政治がカネで買える投資商品になったきっかけは、80年代にさかのぼる。
「大企業優遇主義」に舵を取ったレーガン政権下で、規制緩和と法人税減税という2つの養分を与えられ、アメリカの主要産業はみるみるうちに巨大化し、寡占化が始まった。工場を人件費の安い海外に移して社員の賃金と福利厚生を最小限にし、タックスヘイブンを通して、合法的に租税回避することで、さらにその利益は膨大になってゆく。

彼らはやがて、資本主義が正常に機能する条件である「競争原理」を免れるため晴らしい抜け穴を発見した

〈フェアに競争するよりも、規制する側に気前よくカネをつぎこみ、「政治」という投資問品を買うほうが、はるかに楽で効率が良いではないか)

政治家への献金額と企業ロビイストの数を大幅に増やし、規制は弱め、企業利益を拡大する法律をどんどん成立させるのだ。たっぷり献金した候補者が当選した暁には、自社の幹部を政権の中に入れさせ法案設計チームや政府の諮問会議の重要メンバーに押しこんでゆく
任期を終えた政治家は企業ロビイストとして、
元政府高官は取締役などの幹部として、
優良条件で自社に迎え入れればよい。

堤未果「政府はもう嘘をつけない」第1章p52〜55

●ロビイストを使った「政治」という投資問品を買う仕組み

現在、ワシントンが抱えるロビイストの数は1万7800人。国会議員1人につき3人のロビイストが常時張りつき、自分の業界の利益になるよう働きかけているのだ。

「政治は現在、非常に優良な『投資商品』ですよ。投資額が大きいほど、得られるリターンも大きい。「政策」を買ってしまうことで、法外な訴訟費用や減収リスクも回避できますからね。もはやアメリカでは、カネで買えないものはありません。ロビイスト産業は今やいろいろな意味で、この国のトップ産業を支えているのです」

「自社に都合の良い政策を買うのに、年間どのくらいの費用がかかるのですか?」

「ロビー活動費用に政治献金、選挙費用に回転ドアを通しての元政府関係者や元議員たちの天下り人件費、御用学者たちへの各種謝礼と研究費・・・・・・すべて合わせても年間200億ドル(約2兆円)弱くらいでしょう。まさに、ローリスク・ハイリターンの優良投資ですよ

全米の企業利益が年間約200兆円、そのわずか1%で政治を支配できるのなら、安い投資だろう。

堤未果「政府はもう嘘をつけない」第1章p52〜55

「3種の神器」で「犯罪責任を回避」する仕組み

●「3種の神器」で「犯罪責任を回避」する仕組み

わかりやすい例を見てみよう。
2008年に「リーマン・ショック」がアメリカ発世界金融危機を引き起こし、った米国民を筆頭に国内外から金融業界の責任を問う声が高まった時、彼らの動きは実に速やかだった。

堤未果「政府はもう嘘をつけない」第1章p55〜59

●「1日100億円、年間3兆円で犯罪責任回避」する「3種の神器」

「カネ」「ロビイスト」「回転ドア」という「3種の神器」の登場だ。
6大メガバンクはまず、243人のロビイストを雇い入れた。
うち54人は元政府の金融規制委員会のメンバー、33人は元国会議員事務所主任という徹底ぶりだ。その後もスピーディに引き抜きは進められ、1年で元政府職員ロビイスト1447人を集めることに成功する。さらに1日1億ドル(約100億円)、合計300億ドル(約3兆円)のロビー費用を使い、現役国会議員らに「金融業界の規制をさせぬようせっせと圧力をかけた。

堤未果「政府はもう嘘をつけない」第1章p55〜59

●両方に投資して「絶対に損をしない仕組み作り

2番目に大事な「人事」。ここにも抜かりなく手が回される。
大手広告代理店の手によって、米国初のアフリカ系大統領が「チェンジ」という美しいスローガンで有権者の心をつかんでいる間に、金融業界は惜しみなく注いだ選挙献金の見返りを、周到に計算していた。この投資の重要性を最もよく理解していたのは、何と言ってもリーマン・ショックで最も恩恵を受けたと言われている投資銀行最大手のゴールドマン・サックス社だろう。
同社はマケイン候補の4倍以上の約1億円を、パック(政治献金団体)を通してオバマ候補に投資した(金融業界はリスクを最小限に抑えるため、2大政党両方に投資する)。

さらにJPモルガン・チェース、シティグループ、バンク・オブ・アメリカ、メリルリンチなどもそれぞれ巨額の献金を投じ、オバマ大統領はついに7億5000万ドル(約750億円)という、アメリカ史上最高額の選挙資金を収集する。

毎月0.5%ずつ失業率が上昇する経済危機の真っ只中で、「金融業界に制裁を叫ぶ」ことで民衆の喝采を浴びたオバマに当確が出たその瞬間、ワシントンと業界回転ドアは静かに、だが猛スピードで回り始めたのだった。

堤未果「政府はもう嘘をつけない」第1章p55〜59

改革を骨抜きにするため規制する重要ポジションに次々と送り込む恐るべき「回転ドア人事」

有能な投資家は、投資した分は必ずきっちりと回収する
ゴールドマン・サックス社を筆頭に、選挙で大口投資をした業界が回転ドアから政権内部に送り込んだ面々は、金融業界を規制する重要ポジションに次々と就任していった。
デリバティブを規制する商品先物取引委員会の委員長に任命されたのは、ゴールドマン・サックスの共同経営者ゲイリー・ゲンスラーだ(ゲンスラーは現在、ヒラリー・クリントン陣営の財務最高責任者になっている)。

財務省首席補佐官にはゴールドマン・サックスの上級ロビイストの一人、マーク・パターソン、国務次官には元ゴールドマン・サックス副会長のロバート・ホーマッツ、ニューヨーク連邦準備の意良には元ゴールドマン・サックス・チーフエコノミストのウィリアム・ダドリー、国務副長官には元モルガン・スタンレーCAO(最高總務責任者)のトーマス・ナイズ、国家安全保障担当大統領副補佐官には元シティグループCOO(最高執行責任者)のマイケル・フロマン(フロマンはその後、金融業界の悲願の一つであるTPP交渉も担当)、同じくシティグループからCOOのジェイコブ・ルーが財務長官の椅子を得た。

名前を挙げていけば切りがないが、一つはっきりしていることは、彼らの「投資」が確実に実を結んだことだろう。
この結果、6大メガバンクは金融危機の責任から無事逃れられた上に、2016年になった今も、順調に巨額の収益を上げ続けている。
2008年大統領選挙の肝だったはずの「金融規制改革法案」が、いつの間にかバッチリ骨抜きにされていたことは、言うまでもない。
規制される側の人間を規制する側の政府要職につけるというこの「回転ドア人事」は、あまりにも効率の良い手法であり、金融業界だけでなく、医療や保険、食品やエネマスコミなど、あらゆる分野でその効力を発揮する。

堤未果「政府はもう嘘をつけない」第1章p55〜59

巧みな言葉に惑わされ、騙されないためには「金の流れを追う」

●騙されないためには「金の流れを追う」

シャーマン氏は最後にこう言った。「ですがアメリカの大統領選挙に関しては、さっき私が言ったことを忘れてはなりません。結果を知りたければ、カネの流れを見ることです。候補者の人格も性別もスローガンも、全ては付属物に過ぎない、これもまた〈マネーゲーム〉の一つなのです」

企業献金が青天井になった今、ワシントンと1%の間の回転ドアは、かつてないほどの速さで回転している。
そして、オバマ選挙でそうだったように、ゴールドマン・サックスのような会社は、回収できない無駄な投資は決してしないのだ。

堤未果「政府はもう嘘をつけない」第1章p65〜66

もう1つの騙されないための指標が<講演料>だ

●政治家と利益業界の距離を見るもう1つの指標が「時給2000万円の講演料
候補者と利益業界との距離を見るもう一つ有効な「カネの流れ」は、利益団体から受け取る〈講演料〉だ。

2016年2月。
CNNはクリントン夫妻が2001年2月から2015年5月までの間に729回行った講演で受け取った謝礼の総額が1億5300万ドル(約153億円)、平均1回2万ドル(約2100万円)だという事実を報道した。これらはすべて、夫妻の財団である「ビル・ヒラリー・アンド・チェルシー・クリントン財団」に入金されているという。

元大統領や元首相が高額のギャラを取るのはさして珍しくないが、大統領候補の場合、前述した選挙献金トップランキング同様、その内訳と大口スポンサーの顔ぶれが就任後の政策の方向性を見る、重要ポイントの一つなのだ。

中でも謝礼が際立って高額な主催者を見てみると、たとえばドイツ銀行は1回の講演に48万5000ドル(約4850万円)、ゴールドマン・サックスは講演3回で67万5000ドル(約6750万円)、モルガン・スタンレーとバンク・オブ・アメリカ、フィデリティ投信に、世界最大級の金融グループであるUBSなどは、それぞれ60分の講演に22万5000ドル(約2250万円)の報酬を支払っている。

主要銀行8行で行った講演料の総額は180万ドル(約1億8000万円)、ウォール街で行った39回の講演料総額は770万ドル(約7億7000万円)だ。

「金権政治にメスを入れる!」と豪語したヒラリーを支持していた民主党有権者たちの多くは、この報道に大きなショックを受けた
オレゴン州ポートランドに住む看護師で、一家全員ヒラリー支持の熱心な民主党いうローザ・サリナスは、その時の心境をこう語る。
「彼女がウォール街から法外な講演料をもらっていると聞いた時は、前回のオバマ大統領の時のように、また就任後に手のひらを返されたら?と不安になりました。でも、私は彼女の能力と実績を信じているし、この国で初の女性大統領になってほしい。共和党が大統領になんかなってしまったら、それこそ本末転倒ですから。だから引き続き、彼女の言葉を信じて応援するつもりです」

だが「チェンジ」を掲げておきながら、就任後に超富裕層寄りの政策を次々に進めたオバマ大統領に対する有権者たちの違和感はやがて不信感に変わり、ついにヒラリーがゴールドマン・サックス社で話した講演内容の公開を求める署名運動という形で現れた。
ヒラリー本人は逃げ回っていたが、CNN報道からわずか10日後、講演録は何者かによって、インターネット上にリークされてしまう。

インターネット上で真っ先に炎上したのは、ヒラリーが講演の中で言ったこの一節だ。
わたしがゴールドマン・サックスの皆様に申し上げたいのは、わたしはあなたがたの味方であるということです。
選挙期間中の騒音など、どうか気にしないで下さい。
わたしは御社からの支援を決して忘れません。そしてどんな時も、あなたがたの要望を他の何よりも最優先させていただきます

("AndsoIsaytoyouGoldmanSachs,Iamonyourside.Donotpayattentiontothenoiseofthepoliticalseason,Iwillalwaysrememberyoursupportandputyourprioritiesfirst,aboveallelse.Thankyou.")

ヒラリー陣営のブライアン・ファローン広報官は、流出した講演録が本物であることを認めた上で、支援者を安心させる爽やかな笑みを浮かべながら言った。
「まあ真実がどうであれ、このことでヒラリーを不適格だとは言えないでしょう。だって彼女はゴールドマン・サックスの社員ではないんだし、同社から受け取った数百万ドルと引き換えに、便宜を図ることなど一切ありません。
ねえ、皆さん、ここは<民主主義の国アメリカ>なんですよ

堤未果「政府はもう嘘をつけない」第1章p66〜69

「武器商人が他国の政治を爆買いできる」売国制度

●サウジの武器契約と引き換えに振り込まれる献金

グローバル化された世界で〈政治とカネ〉の絶大な投資効果は、国境を超えて機能する
2010年10月。
オバマ政権のアンドリュー・シャピロ国務次官補は、アメリカが今後20年間でサウジアラビアとの間で600億ドル(約6兆円)という過去最大規模の武器輸出契約を結んだことを発表した。(http://www.state.gov/r/pa/prs/ps/2011/12/179777.htm)
記者会見でシャピロ国務次官補は、同契約の締結に大きく貢献したヒラリーの功績に言及した。
「この契約は、ヒラリー・クリントン国務長官の最優先事項でした」

それから5年後の2015年5日。
調査報道ジャーナリストのアンドリュー・ペレスとデイビッド・シロタの2人によって、ヒラリー・クリントン国務長官時代、彼女の財団にサウジアラビアから1000万ドル(約10億円)が寄付されていた事実が報道された。
さらに、世界最大軍用機メーカーであり米国最大の輸出企業であるボーイング社からも、武器輸出契約が締結される2カ月前に、80万ドル(約9000万円)というダイナミックな顔の寄付金が振り込まれている。

堤未果「政府はもう嘘をつけない」第1章p69〜71

●利益相反しまくり「キャッシュバック献金システム」

世界一の軍事大国であるアメリカ政府そのものが、超優良グローバル投資商品として想像を超えた価値を持っているのだと、ペレスは言う。
「サウジだけではありません。ヒラリーが国務長官だった時期、カタールやウクライナ、クウェートにアラブ首長国連邦など、20の外国政府が同財団に巨額の寄付をしています。その見返りに国務省が承認した武器輸出の総額は1650億ドル(約16兆5000億円)ですから、ものすごいリターンですよね。
軍需産業だけじゃない、医療に保険に金融に石油、食料に農薬に遺伝子組み換え種子にハイテク産業・・・・・・」

「もし告発したとして、政府は利益相反を認めますか?」
私の問いにペレスは首を振った。
「もちろん認めないでしょう。ゴールドマン・サックス社でのヒラリー・クリントンの講演録が公開された時だって、彼女の陣営の広報官は法外な講演料と政策は無関係だと平然と言いましたからね。問題はこうしたことを野放しにする選挙システムと、国民がその関係性に気づかないことの方なのです

外国政府やグローバル企業群にとってもまた、「1%至上主義の政策」を進めるアメリカ政府へのロビー活動は実入りのいい投資なのだ。
「2010年に解禁された、<匿名かつ無制限の企業献金>は、アメリカの議会制民主主義にとどめを刺したのです。今やアメリカの議会政治は、札束を握った国内外からいくらでも動かせるようになってしまいました」
「中東や北欧・・・・・・アジアもですか?」
ペレスはうなずき、私の目をじっと見つめるとこう言った。
ええ、アジアからもたくさんのカネが流れ込んできますよ。あなたの国、日本からもね

堤未果「政府はもう嘘をつけない」第1章p71〜72

外国政府とって便利な新たな投資先「シンクタンク(表に名前を出さずに政策決定に介入できる)」

●外国政府とって便利な新たな投資先の「シンクタンク(表に名前を出さずに政策決定に介入できる)」

だが、本当にそうだろうか。
2011年から2015年の4年間を見ると、64カ国もの政府が、こうしたアメリカ国内シンクタンク28機関に、合計9200万ドル(約92億円)以上の研究資金を出している。
ボストン在住の医療系ロビイストの一人、マシュー・ガトームソンは、こうしたシンクタンクが、外国政府にとって非常に便利な投資先になりつつあると語る。
「こうしたシンクタンクや非営利の政策研究機関は、アメリカ国内ではあくまでも政治から中立な非営利団体として登録されており、依頼国との契約内容を公開する義務もありません。そのため、政策決定する側の国会議員たちも、提供される情報が特定の国の利益になる内容かどうかを判断するのが難しい。つまり、表に名前を出さずに、アメリカ政府の政策決定に介入できるわけです」
「影響力はシンクタンクに払う金額に比例するということですか?」
「政府側としては、国の重要政策を進めるために不可欠な取り組みの一つといったところでしょう。表向きにはそうは言いませんがね」

堤未果「政府はもう嘘をつけない」第1章p74〜76

●日本もこっそり税金をシンクタンクに投資

ニューヨーク・タイムズ紙から、なぜ毎年アメリカ国内のシンクタンクに巨額の寄付をするのかと聞かれた駐米日本大使館の大高正人報道官の回答はこうだ。
今私たちの国の経済が低迷し、存在感が薄れてきているからです
だが、大高報道官が「日本政府はあくまでもシンクタンクの中立性を尊重する」と言う一方で、
同紙のインタビューに匿名で回答したという日本外交官の一人は、日本政府がしっかりと「寄付金に応じた対応を求めている」ことを証言している。

堤未果「政府はもう嘘をつけない」第1章p74〜76

日本政府が税金で外国に仕掛けるロビイスト工作活動(TPPの例)

●日本政府がTPP反対派に仕掛けるロビイスト工作

日本政府が、アメリカ国内のTPP反対派に対し、熱心に働きかけている事実を知っている日本国民は、いったいどれほどいるだろう?

英国ガーディアン紙記事によると、
2015年の1月から3月までの3カ月間で、アメリカの国会議員たちにTPP推進業界から渡された献金額は、合計114万8971ドル(約1億1500万円)だという。ターゲット国の外交政策を動かすのは、政策決定にかかわる国会議員だけではない。彼らの支援者である有権者にも、同じように働きかけることが重要だ。

世論に影響を与える新聞の社説は、その有効手段の一つだろう。
例えば2014年から1年にわたり、カリフォルニア州内各地のローカル紙に掲たTPP推進の意見記事は象徴的だ。

サンディエゴ市の地域新聞サンディエゴ・ユニオン・トリビューン紙に
2015年8月15日付で寄稿された、ジェリー・サンダース元サンディエゴ市長(現サンディエゴ地域商工会議所会長)のTPP推進意見記事には、日本政府が雇ったコンサルティング会社、サウスウェスト・ストラテジーズ社(SWS社)が作成した草案とほぼ同じ表現が大量に使われていた。

不思議なことに、同じ頃ロサンゼルスの日刊紙に掲載されたバット・フォン・ラメント地域商工会議所会長の論説記事も、同社が作成した草稿記事と一言一句同じだった。
さらに同じ文章を使った短縮記事が、サクラメント・ビジネスジャーナル紙にも掲載されている。

米国司法省の外国代理人登録公開データベース(http://www.usdoj.gov./criminal/fara)によると、SWS社は2015年3月12日付で、日本大使館に毎月1万ドル(約100万円)で雇われている。

前述したアキン・ガンプ法律事務所が、2014年8月から12月までの4カ月に日本政府から受けた支払いは38万8000ドル(約4000万円=もちろん税金だ)、この間同法律事務所のロビイストたちは日本政府のために、アメリカ議会に少なくとも60回連絡を取り、TPP担当である米国通商代表部(USTR)と8回の意見交換を行っている。
毎月1万5000ドル(約150万円)の報酬と引き換えに、日本政府の要望に沿って国内メディアへの働きかけを行っているのはボデスタ・グループだ。
ちなみに同社のクライアントには、同じTPP交渉参加国であるベトナム政府もいる。月3万ドル(約300万円)支払うベトナム政府のために、ロビイストたちは半年で90回、アメリカの国会議員に働きかけたという。

堤未果「政府はもう嘘をつけない」第1章p76〜80

飛ぶ鳥を落とす勢いの「ロビイスト産業」

イスラエルのAIPACなども、恐らく政策を買い放題なのだから
国民が大勢反対しても、デモを次々にFBIなどが弾圧し、
多くの国会議員が賛成することで
いつまでも軍事支援され続けるのではないだろうか?

●飛ぶ鳥を落とす勢いの「ロビイスト産業」

政治の透明性を推進する(CommonCause)(ProjectOnGovernmentOversight=POGO〉などの非営利団体は、外国政府や企業がアメリカの政策へ介入する規模と資金が年々肥大化していくことに警鐘を鳴らす。
アメリカの国会議員の半数以上が、任期を終えるとロビイストに転職します。政府の内部事情に詳しく人脈も持っている彼らは、企業や外国政府からしたら実に頼りになる人々でしょう。

札束で触れれば簡単に誰でも扉を開くワシントンの「回転ドア」が、アメリカの金権政治を悪化させ、一般有権者と政治の距離をますます拡大させているのです。」

ちなみに外国政府の国内ロビー活動を取り締まる法律がない日本ならば、この手の活動はやりたい放題だろう

堤未果「政府はもう嘘をつけない」第1章p81〜82

金で買われる「アカデミズム(学術分野)やメディア」

まるで統一協会の「世界平和教授アカデミー」のようなことが
当たり前のように蔓延っていることが伺える。
「スポンサーの意向を反映した結果」や「スポンサーに忖度した結果や記事」を出す商業研究や商業マスコミが蔓延っているのだろう。

●金で買われる「アカデミズム(学術分野)やメディア」

リーマン・ショックで世界中に弊害をもたらし、多くの人々にショックを与えたもう一つの分野を覚えているだろうかっ
かつて〈知の聖域〉と呼ばれた、アカデミズム(学術分野)だ。
彼らも今では、金で買われるようになっている

2008年のリーマン・ショックの時、高リスクの金融商品や身の丈以上の住宅ローンを大量に売って金融機関が不当に儲けることに加担していたのは、ハーバードやコロンビアといった、有名大学の学者たちだった。
1%の超富裕層たちやその業界は、こうした<権威>も金で買う

研究費や高額な講演料、顧問料、論文寄稿などの各種謝礼を通して普段から〈隠れロビイスト〉として息をかけておき、訴訟を起こされた時などには、裁判で自社が有利になる証言をさせるのだ

国が教育予算を下げた結果生き残るために「商業化」するしかなくなった大学もまた、1%層にとっての「商品」になった
今では予算の75%が研究ではなく経営に使われるようになったアカデミズムの世界で、業界の利益団体がその「権威」と「専門知識」をカネで買うビジネスは、ここ数十年でどんどん膨れ上がり、今では数十億ドル(数千億円)規模の巨大市場だ。

堤未果「政府はもう嘘をつけない」第1章p82〜83

日本でも規制する側の委員会が金で買われた「利益相反だらけ」

●規制する側の委員会が「利益相反だらけ」

ブルームバーグは、オバマ政権下でリーマン・ショックの検証を行った、トップクラスの経済学者たちの調査委員会のメンバー15人中13人が、「金融分野と何らかの利益相反」にあったことを報じた。

日本でも2012年8月、原子力安全規制組織等改革準備室が選定した「原子力規制委員会」の委員5人のうち3人が、原子力業界と利害関係を持っていた事実が問題になった。
さらに2014年には、核燃料や原子炉の安全性について原子力規制委員会に助言する2つの審査会の委員6人が、原発メーカーや電力関連団体から研究費を受け取っていた事実(原子力規制庁による公表)が明るみに出ている。

エネルギー業界だけではない
2013年6月には降圧剤バルサルタンの効果検証臨床試験の際に、販売元のノバルティスファーマ社の元社員が身元を明かさずに研究に関与していた事実や、不正が判明した5つの大学全てに同社が多額の研究費を提供していたことが明らかになった。
東京地検特捜部はノバルティスファーマ社及び京都府立医科大など5大学に対し、家宅捜索を実施している。
また、2014年6月には、多数の副反応報告から「積極的勧奨」が一時中止されていた子宮類がん予防ワクチンの定期接種再開審議において、厚労省の審議委員15人中11人が販売元のグラクソ・スミスクライン社から寄付金や講演料を受け取っていた。

堤未果「政府はもう嘘をつけない」第1章p83〜84

アカデミズムが金で買われやすくなる背景は「国の公的支援が減らされている」から

大学や評論家、マスコミなど社会のあらゆる場所に巨額の資金が流れ込んでいた現実を見て、金で歪められた研究成果は、どのように社会に害をもたらしているのだろうか?
特に、日本における「発達障害研究」には、就労支援などの業界から奇妙なバイアスが多くかかっていることが当事者たちから指摘されている。

●金で買われやすくなる背景は「国の公的支援が減らされている」から

アメリカと同じように、臨床研究に対する国の公的支援が減らされて、困窮する大学や研究機関が企業からの助成金をあてにせざるを得ない現状が続けば、こうした事件は今後も増えてゆくだろう。

2013年のデータを見ると、製薬業界から医師や医療機関に提供される年間4410億円という額は、すでに国の科学研究費予算2381億円を大きく超えている。
講演会やシンポジウムの諸経費、学会の運営費や原稿料など、様々な形で企業から医師や学者や専門家に提供される資金は莫大だ。選挙時の候補者に限らず、ジャーナリストや評論家などの有識者も含め、講演料や研究費などのカネの流れもまた、その背景にある力学を教えてくれる。

日本でも3.11をきっかけに、エネルギー産業界から東京大学を筆頭に、各種大学や評論家、マスコミなど社会のあらゆる場所に巨額の資金が流れ込んでいた現実に気づいた国民は少なくない。

「社会的共通資本」という公共の財産であるはずの「知の領域」にまで値札がつけられ、売買されるようになることで、私たち国民とその子どもたち、そして社会全体が失うものとはなんだろう?

堤未果「政府はもう嘘をつけない」第1章p84〜85

「政治と金の構造」が社会を蝕んでいる

気づかないのは
「金権政治の中で実際社会を動かしている社会人や高齢者」
茹でガエル状態で気付けない。
あるいは、自壺党🏺や統一協会がバラ撒いた
「反共カルト思想」に毒されて、金と政治の関係を暴いてしまう
連中を「逆に悪党と見なして断罪する」カルト信者が増えている。

若い世代はとっくに気付いているのだ。
米国の抱える真の病理が、個々の政策などでなく、それを束ねて飲みこんでゆく「政治とカネ」という構造そのものにあることに。

誰もがアメリカンドリームを手にする機会があったはずのアメリカが、国家としての力を失い、超富裕層だけが潤う「株式会社国家」になってしまっていること。
その根底に横たわる〈強欲資本主義の価値観〉は国境を越えて世界中に広がり、私たち日本人の暮らしにまで、静かに手を伸ばしてきている。

堤未果「政府はもう嘘をつけない」第1章p91〜92

伊丹万作「騙されることの責任」

もちろん、「騙す方が100%悪い」のは紛れもない事実である。
その上で更に「騙されることの責任」を考えよう。

伊丹万作「騙されることの責任」

もう一つ別の見方から考えると、いくら騙す者がいても誰1人騙される者がなかったとしたら今度のような戦争は成り立たなかったに違いないのである。
つまり、騙す者だけでは戦争は起らない。騙す者と騙される者とがそろわなければ戦争は起らない一度騙されたら、二度と騙されまいとする真剣な自己反省と努力がなければ人間が進歩するわけはない騙されたとさえいえば、一切の責任から解放され、無条件で正義派になれるように勘違いしている人は、もう一度よく顔を洗い直さなければならぬ。
伊丹万作「戦争責任者の問題」より


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