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恐るべき公安👮‍♂️③-03諜報工作の手口「スパイ獲得の実例①沖縄」

恐るべき公安③-03諜報工作の手口「スパイ獲得の実例①沖縄」

悪名高い公安の
組織や手口に迫っていきます。

青木理「日本の公安警察」

青木理「日本の公安警察」

青木理(あおき おさむ)
1966年長野県生まれ。ジャーナリスト、ノンフィクション作家。
90年に慶応義塾大学卒業後、共同通信社入社。
社会部、外信部、ソウル特派員などを経て、
2006年よりフリーとして活動



協力者獲得のケーススタディ

沖縄県警での実例

純粋な高校生の共産党の少年を陥れる公安。
自殺したこの高校生の少年スパイは、公安の手口の方で、詳しく紹介している。

●沖縄県警での実例

では現実に公安警察官たちがどのように論理を実践へと移しているのか。
発覚したケースは少ない。
だが公安警察官OBの証言や期せずして明るみに出た事例を辿るだけでも、論理がきわめて忠実に、あるいは時に巧みに応用されていることが分かる。

沖縄県警の公安警察官だった島袋修は著書『封印の公安警察』の中で
自らが運営した協力者『A-6』(協力者に付されたコードナンバー)の「対象者選定」から「獲得」までの経緯を克明に記している。"基本手順"が忠実に実行されていることが具体的に浮かび上がる。

「ある日私は、「赤旗」を小脇に抱えて走り回っている新聞少年に出会った。
(略)共産党の若き。エリート活動家』
」であり、格好のターゲットであった。

彼が高校でバスケット部に入っていることや、
夜は那覇市内のビルの屋上にあるビアガーデンでアルバイトをしていることも事前に調べあげた。
そこで私は、昼間、彼が『赤旗」を配達している途中、偶然出会ったふりをして(略)声をかけ、夜のビアガーデンでは、『おやっ、君はここで働いていたの?ちっとも知らなかったなあ」と驚くふりをして言葉巧みに接触していった
何度かの接触で彼の心がうちとけた頃、
次の段階として、勘定の時は多めに金を渡し
(略)少しずつ私から金を受け取るように仕組んでいった。(略)

当時、A-6はまだ高校生であり、進学や就職のことで悩んでいた
私は親身になって彼の相談に乗ってやり、同時に、金銭面での援助をするようになった。
毎月2〜3万円の小遣いをあげて『僕にも共産党の勉強をさせてくれないか。資料が欲しいな』と言う私に、
彼も私が警察関係の人間であることを察知したようだが、すでに遅かった
金銭的魅力に取りつかれ、私から逃げられない間柄になっていたのである。
A-6はまさに、張りめぐらされた毒グモの糸にひっかかった蟻であった。
A-6はやがて、積極的に私のスパイ業務に手を貸すようになってきた」

青木理「日本の公安警察」

この沖縄の純粋な高校生の共産党の少年が
自殺に至った悲しい事件の顛末は、
下記noteの
【スパイにした共産党少年が自殺して告白】以降を参照のこと。

伊丹万作「騙されることの責任」

もちろん、「騙す方が100%悪い」のは紛れもない事実である。
その上で更に「騙されることの責任」を考えよう。

伊丹万作「騙されることの責任」

もう一つ別の見方から考えると、いくら騙す者がいても誰1人騙される者がなかったとしたら今度のような戦争は成り立たなかったに違いないのである。
つまり、騙す者だけでは戦争は起らない。騙す者と騙される者とがそろわなければ戦争は起らない一度騙されたら、二度と騙されまいとする真剣な自己反省と努力がなければ人間が進歩するわけはない騙されたとさえいえば、一切の責任から解放され、無条件で正義派になれるように勘違いしている人は、もう一度よく顔を洗い直さなければならぬ。
伊丹万作「戦争責任者の問題」より


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