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恐るべき公安👮‍♂️④-06謀略工作部隊サクラ「官庁の共産党員排除工作と自民党との癒着」

恐るべき公安④-06謀略工作部隊サクラ「官庁の共産党員排除工作と自民党との癒着」

悪名高い公安の
組織や手口に迫っていきます。

青木理「日本の公安警察」

青木理「日本の公安警察」

青木理(あおき おさむ)
1966年長野県生まれ。ジャーナリスト、ノンフィクション作家。
90年に慶応義塾大学卒業後、共同通信社入社。
社会部、外信部、ソウル特派員などを経て、
2006年よりフリーとして活動



政治との距離

官庁の共産党員を徹底調査

今から数年前の話だ。「チヨダ」部隊を中心とし、公安警察が中央省庁の官僚や全国の有力自治体の幹部公務員の中における共産党員の実態について大規模な調査に乗り出した。結果は公安警察にとっては”驚愕”すべきものだった。
いくつかの中央省庁や有力自治体の中枢幹部に共産党員がいることが判明したばかりか、党員らは官庁の壁を超え、定期的に都内某所で集会を持っていた。

●官庁の共産党員を徹底調査

こんなことがあった。今から数年前の話だ。「チヨダ」部隊を中心とし、
公安警察が中央省庁の官僚や全国の有力自治体の幹部公務員の中における
共産党員の実態について大規模な調査に乗り出した。

結果は公安警察にとっては”驚愕”すべきものだった。

いくつかの中央省庁や有力自治体の中枢幹部に共産党員がいることが判明したばかりか、党員らは官庁の壁を超え、定期的に都内某所で集会を持っていた。

集まってくる官僚たちは用心深く尾行をまき、きわめて秘密裏に集会を営んでいた。
参加者の中には某中央官庁の局長候補と目されている人物までが含まれていた。

「チヨダ」は集会に出入りする官僚らを昼夜にわたって追尾し、動向を洗い出し、
周辺、交友関係に対する徹底した調査を実施した。
中には係員によって不倫関係の女性と密会しを押さえられ、写真を撮影されたものもいた。


「チヨダ」による作業の成果は間もなくあらわれた。
情報は非公式のチャンネルによって当該の官庁に伝えられたのだろう。
幹部候補と目されていた官僚は出世の階段から外れていった。

愛人との密会写真が本人に突きつけられたかどうか、そこまでは分からない。

青木理「日本の公安警察」

もう1つの「エリートチーム」

公安以外のもう一つのエリートチームが、人事1課の「監察チーム」である。
通常は1つの班が3人でチームを組み、指示に基づいて極秘裏に対象警察官の身辺を徹底的に調べる。現職の警視庁副総監に不倫疑惑があった際は、徹底した調査の結果、不倫が事実だったことが確認されると、不倫相手の女性警官を静かに職場を去らさせて揉み消した。警視庁副総監はお咎めなしでそのまま職務継続。
最近では捜査情報の漏洩をめぐり、情報源を突き止めるため、監察チームがあるジャーナリストを追尾していたところ、発覚してもめ事になる騒ぎもあった。
鹿児島県警の公益通報者探しなど、通報者をチクリ魔やテロリスト、体制への反逆者として、追尾探索して、情報源を突き止める仕事もしているようだ。

●もう1つの「エリートチーム」

ところで警視庁では、かつて「チヨダ」以外にも優秀な公安警察官が集中した重要セクションが存在した。
警察官の不祥事を内部で調べ上げる人事1課の監察チームである。
尾行や張り込みを日常的にこなしている捜査のプロを相手に追尾し、身辺情報を集める以上、当然ながらその情報収集技術は極度に高度なレベルを要求される。

通常は1つの班が3人でチームを組み、指示に基づいて極秘裏に対象警察官の身辺を徹底的に調べる。同じようなチームが数班あるが、互いの班が誰を調べているか、詮索しないのが原則だ。

ある公安警察OBは監察チーム在籍時、現職の警視庁副総監の身辺を調べたことすらある
副総監に部下の女性警察官との不倫の噂があったからだった。
調査の結果、不倫が事実だったことが確認されると、女性警官は静かに職場を去った

警視庁にとってみれば"上級官庁"である警察庁職員の身辺調べをも警視庁監察チームが請け負って担当する
それだけに、かつての警視庁監察チームはほとんどが所轄署の公安部門の顔の知られていない若手などから選抜された追尾のプロばかりだった。
ところが近年、メンバーは刑事部門からも選抜されるようになり、
公安警察官からは「寄り合い所帯になって質が大きく低下した」との愚痴も漏れている。
最近では捜査情報の漏洩をめぐり、情報源を突き止めるため監察チームがあるジャーナリストを追尾していたところ、発覚してもめ事になる騒ぎもあった。ある公安警察官によれば
「昔なら信じられない失敗。質の落ちた稚拙な追尾が原因」という。

青木理「日本の公安警察」

代議士との癒着

警察に集められる情報は凄まじい量に上る。中でも公安警察が担う部分は大きい。
この情報と権力をバックに屹立させることができれば、その威光もまた強大なものになるだろう。
公安警察の本旨が「体制の擁護者」である以上、その根は深く、権力者の悪事の隠蔽工作に加担したり、ライバルを蹴落としたりするのに、活用されている模様。
警察に強い影響力を持つ代議士の剛腕ぶりと警察情報が無縁であるとは思えない。
公安が収集した「情報は、大物政治家や警察OBの代議士に流れているというのが、仲間うちでの公然の秘密であった。「体制維持」のテロ対策などの名目で大量に横流しされ、「公益通報者潰し」「被害者潰し」などにも悪用されていると思われる。

●代議士との癒着

公安警察という組織が、きわめて政治的な思想取り締まりに近い情報収集活動をしている以上、政界とのつながりも必然的に生じる。前出の江間恒はこう証言している。
「だから元警察庁長官という、あいつらが大きな顔のできる理由はなにかというと、その情報でしょう」

警察に集められる情報は凄まじい量に上る
中でも公安警察が担う部分は大きい。
この情報と権力をバックに屹立させることができれば、その威光もまた強大なものになるだろう
個別には名前を挙げないが、現実に警察官僚出身の代議士、あるいはさまざまな経緯から警察に強い影響力を持つ代議士の剛腕ぶりと警察情報が無縁であるとは思えない。
それは末端の代議士においても、規模の大小はあれ、同様らしい
公安警察の本旨が「体制の擁護者」である以上、その根は深く、密度が高いのも当然だが、本書で詳細に触れる余裕はない

島袋修のこんな記述を挙げるにとどめる。
情報は、大物政治家や警察OBの代議士に流れているというのが、仲間うちでの公然の秘密であった。
元来、秘密のベールに包まれているはずの『第4係』の懇親会終了後に自民党選出の国会議員が顔を見せるというのも、警察と自民党との癒着を物語るもの
であろう」(『封印の公安警察」)

青木理「日本の公安警察」

伊丹万作「騙されることの責任」

もちろん、「騙す方が100%悪い」のは紛れもない事実である。
その上で更に「騙されることの責任」を考えよう。

伊丹万作「騙されることの責任」

もう一つ別の見方から考えると、いくら騙す者がいても誰1人騙される者がなかったとしたら今度のような戦争は成り立たなかったに違いないのである。
つまり、騙す者だけでは戦争は起らない。騙す者と騙される者とがそろわなければ戦争は起らない一度騙されたら、二度と騙されまいとする真剣な自己反省と努力がなければ人間が進歩するわけはない騙されたとさえいえば、一切の責任から解放され、無条件で正義派になれるように勘違いしている人は、もう一度よく顔を洗い直さなければならぬ。
伊丹万作「戦争責任者の問題」より


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