恐るべき公安④-06謀略工作部隊サクラ「官庁の共産党員排除工作と自民党との癒着」
悪名高い公安の
組織や手口に迫っていきます。
青木理「日本の公安警察」
青木理(あおき おさむ)
1966年長野県生まれ。ジャーナリスト、ノンフィクション作家。
90年に慶応義塾大学卒業後、共同通信社入社。
社会部、外信部、ソウル特派員などを経て、
2006年よりフリーとして活動
政治との距離
官庁の共産党員を徹底調査
今から数年前の話だ。「チヨダ」部隊を中心とし、公安警察が中央省庁の官僚や全国の有力自治体の幹部公務員の中における共産党員の実態について大規模な調査に乗り出した。結果は公安警察にとっては”驚愕”すべきものだった。
いくつかの中央省庁や有力自治体の中枢幹部に共産党員がいることが判明したばかりか、党員らは官庁の壁を超え、定期的に都内某所で集会を持っていた。
もう1つの「エリートチーム」
公安以外のもう一つのエリートチームが、人事1課の「監察チーム」である。
通常は1つの班が3人でチームを組み、指示に基づいて極秘裏に対象警察官の身辺を徹底的に調べる。現職の警視庁副総監に不倫疑惑があった際は、徹底した調査の結果、不倫が事実だったことが確認されると、不倫相手の女性警官を静かに職場を去らさせて揉み消した。警視庁副総監はお咎めなしでそのまま職務継続。
最近では捜査情報の漏洩をめぐり、情報源を突き止めるため、監察チームがあるジャーナリストを追尾していたところ、発覚してもめ事になる騒ぎもあった。
鹿児島県警の公益通報者探しなど、通報者をチクリ魔やテロリスト、体制への反逆者として、追尾探索して、情報源を突き止める仕事もしているようだ。
代議士との癒着
警察に集められる情報は凄まじい量に上る。中でも公安警察が担う部分は大きい。
この情報と権力をバックに屹立させることができれば、その威光もまた強大なものになるだろう。
公安警察の本旨が「体制の擁護者」である以上、その根は深く、権力者の悪事の隠蔽工作に加担したり、ライバルを蹴落としたりするのに、活用されている模様。
警察に強い影響力を持つ代議士の剛腕ぶりと警察情報が無縁であるとは思えない。
公安が収集した「情報は、大物政治家や警察OBの代議士に流れているというのが、仲間うちでの公然の秘密であった。「体制維持」のテロ対策などの名目で大量に横流しされ、「公益通報者潰し」「被害者潰し」などにも悪用されていると思われる。
伊丹万作「騙されることの責任」
もちろん、「騙す方が100%悪い」のは紛れもない事実である。
その上で更に「騙されることの責任」を考えよう。
もう一つ別の見方から考えると、いくら騙す者がいても誰1人騙される者がなかったとしたら今度のような戦争は成り立たなかったに違いないのである。
つまり、騙す者だけでは戦争は起らない。騙す者と騙される者とがそろわなければ戦争は起らない。一度騙されたら、二度と騙されまいとする真剣な自己反省と努力がなければ人間が進歩するわけはない。騙されたとさえいえば、一切の責任から解放され、無条件で正義派になれるように勘違いしている人は、もう一度よく顔を洗い直さなければならぬ。
伊丹万作「戦争責任者の問題」より