恐るべき公安①-03公安警察の組織機構「公安警察と刑事警察の違い」
テロ組織のような悪名高い公安の
組織や手口に迫っていきます。
青木理「日本の公安警察」
青木理(あおき おさむ)
1966年長野県生まれ。ジャーナリスト、ノンフィクション作家。
90年に慶応義塾大学卒業後、共同通信社入社。
社会部、外信部、ソウル特派員などを経て、
2006年よりフリーとして活動
公安警察と刑事警察
刑事警察との違い
証拠を積み重ねる刑事ドラマのような刑事警察の捜査とは異なり、
公安警察の捜査手法とは、勝手な決めつけOKな、いわば完全な"見込み捜査"である。
別件逮捕、転び公妨
自分から勝手に転んで、公務執行妨害で、強引に逮捕する卑劣な「転び公妨」と言う手口。
幹部の特権
刑事警察が一匹狼で、証拠を積み重ねていくのに対し、公安警察の捜査員は良くも悪くも完全な「コマ」である。「コマ」のひとつひとつが孤独な、しかし職人的とも言える作業によって情報をかき集める。
情報をシャワーのように浴びるのは幹部に限られるのである。
闇バイトシステムと全く同じで、末端の受け子は支持されて駒となって動き、全体像を知るのは、絶対に捕まらない指示役と同じ仕組みであり、指示役しか犯罪の全体像がわからない仕組みになっている。
刑事警察との不仲
公安警察の反共カルト洗脳教育では、「泥棒を捕まえなくても国は滅びないが、左翼をのさばらせれば国が滅ぶ」と教えられる。
そして、「選挙違反や汚職に目の色を変え、金と組織を割くなどということは愚かなこと」と言う価値観を持って、犯罪を軽視し、公安警察は「選挙違反を簡単に揉み消す」。選挙違反事件に政治の圧力が掛けられて中断したことを嘆く末端警察官も多い。
なので、自民党や公明党、維新がどれだけ選挙違反をしても「絶対に起訴しない、揉み消す仕組み」が出来上がっている。
「公安偏重」は終わるか
イスラエルのシオニストがパレスチナ人を動物のように見做して、虐殺する背景に、「スタンフォード監獄実験」などにも見られるように、「強い選民意識」と「自分達は正義側との強い思い込み」がある。
同じように、公安も"治安の守護者"としての強烈な意識を持ち、組織内でも徹底的に「選民意識」を持ち、刑事警察や交通警察を馬鹿にする。
伊丹万作「騙されることの責任」
もちろん、「騙す方が100%悪い」のは紛れもない事実である。
その上で更に「騙されることの責任」を考えよう。
もう一つ別の見方から考えると、いくら騙す者がいても誰1人騙される者がなかったとしたら今度のような戦争は成り立たなかったに違いないのである。
つまり、騙す者だけでは戦争は起らない。騙す者と騙される者とがそろわなければ戦争は起らない。一度騙されたら、二度と騙されまいとする真剣な自己反省と努力がなければ人間が進歩するわけはない。騙されたとさえいえば、一切の責任から解放され、無条件で正義派になれるように勘違いしている人は、もう一度よく顔を洗い直さなければならぬ。
伊丹万作「戦争責任者の問題」より