クリエイターが経験を積むには:自分のスキルを見直してみる
先日のBlenderの記事の中で、「突然やったことがないことをやる機会があったりするので、いつでも対応できるよう、常に学んでおくことが大事」といった話をしました。
なのでちょっと改めて、「自分は何ができて何が苦手か」といったことを振り返ってみます。
クリエイターの「経験」のこと
どんなお仕事でも言えることなのですが、やっぱりクリエイターの技術って多岐にわたります。
どんなツールや言語が使えるのか。
どんな作り方が得意なのか。
で、技術ってどうしても、お仕事でやっていることだけだと経験が偏るんですよね。
Unity案件が豊富でもUnreal Engineはすぐには覚えられなかったりするし。
素材制作の経験が少ないと苦手意識があるし。
マテリアルは少し組めたとしても、マスターマテリアルを作ったことがないとどう設計してよいかわからなかったりするし。
得意ジャンルというか、「Unity経験豊富です!」となればもうそれでやっていくのも一つの手。
ただ、「Unreal Engineもやってみたい」と思ったら、Unity経験のみだとUnreal Engine案件のチャンスをもらうことが難しかったりする。
なので、やりたいことがあるならお仕事で覚えるだけでなくて、自主制作できちんと経験を積まないといけないなと思います。
「経験がない」と結局チャンスも逃してしまう。
振り返りの必要性
私はそもそもnoteを始めた理由として、以下の内容を自己紹介で書いています。
先日、Blenderで制作する機会があり、経験不足から対応に難儀しました。
その際に「自分で足りていない経験」を自主的に補う必要性を強く感じたので、改めて自分のスキルや経験を振り返ってみたいと思います。
自分の経験のこと
私の場合、上司からみた適性の都合にタイミングなども絡んで、とにかく案件数を経験させてもらいました。
これはすごくよかったことで、とにかくいろいろなジャンル・ツールを触る機会があり、色々な雰囲気の開発チームを見ることができました。
逆にいうと、
・開発初期段階から参加できていない
・どのツールも精通していると言い切れない
という問題があります。
自分のできること・経験してきたこと
「色々な案件を見た」
「開発中盤以降に参加する経験が多かった」ことによって積めた経験などは以下です。
最適化対応:
他メンバーが作成したデータを、開発終盤の担当メンバー離脱後に代わりに調整する機会などはそれなりにありました。
その際、「ほかの人が作ったデータを見る機会」が多かったのは身になっていると思います。
様々なテイストの作成経験:
色々なプロジェクトを経験できたため、見た目の方針なども色々作成しました。
キーワードと仕様などからある程度自由に作って、というものから、「これを再現して」といったものも経験したので、ある程度幅広く対応ができると思います。
自分の苦手なこと・経験が足りないこと
逆に、
「一つの案件に長く参加していない」
「開発中盤以降に参加する経験が多かった」ことなどから足りていない経験は以下です。
素材制作:
開発中盤以降の参加が多く、「すでにある程度の素材がそろっている」というプロジェクトが多かったです。
そのため未だに、素材制作についてはちょっと自信がないところが多いです。
特に、エフェクトにしてみたら思っていた見た目にならない、ということが多く、「こんな見た目にしたい」というのを実現する素材を作るのに、手戻りの回数が多いという自覚があって、これを改善したいです。
汎用データの作成:
素材制作とも通ずることですが、「汎用データの作成」などもやや経験が少ないと思います。
特にマスターマテリアルなどは自分の自主制作用に最低限組んでみたことはありますが、「実際に多くの人にとって使いやすい機能が備わっている」というものはまだまだ実務に活かせていないかも。
リアル調の制作経験が少ない:
超ハイエンドなエフェクト作成や、物理現象を正確に再現したものなどは経験が少なく、苦手意識があります。
特に物理現象については物理の授業などにも苦手意識があったことなどもあってか、未だに自信がありません。
「冷気は下に落ちる、熱ければ上る」「吹き飛んだとき、軽いもののほうが遠くに飛ぶ」…みたいな、本当に基本的な現象を抑えていて、それらしくは見せられるというくらい。
「これくらいの重さでこれくらいのエネルギーだから、これくらい飛ぶ」…みたいなレベルの理解や想像ができていなくて、もっと説得力のあるエフェクトを作れるようになりたいです。
どうやって経験不足を補うか
さて、上述のそれぞれについてどんな経験が必要か、ちょっと考えてみます。
素材制作:
既存のアセットは使わず、必要な素材を自分ですべて用意して自主制作をする。
手を動かしながら調整していくのではなく、必要な素材の形や動きをイメージしてから作るようにしてみる。
また、作ったことがないものは経験したいので、DCCツールのシミュレーションなどを利用したスプライトシートを自作してみる。
汎用データの作成:
素材作成の際に、「汎用」なのか「専用」なのかを意識して作る。
「使い回せるもの」にしたいのか、「特定のパーツをよりよくするために使いたいのか」を意識的に分ける。
フォルダや命名規則もお仕事での開発に則って「汎用」「専用」区別する。
マスターマテリアルも、
「機能をきちんと整理して使いやすくする」ことを心掛ける。
「誰が使っても使いやすい」というものを作れるようになりたいので、
「しばらく時間をあけてからデータを開いても、すぐに機能を理解できる」くらい整理されたデータを作ることを目指す。
リアル調の制作経験が少ない:
自主制作で、「写実的なもの」をいくつか作ってみる。
(基本の爆発・たき火などから挑戦したい。)
シミュレーションを積極的にさわってみる(Unreal EngineでもBlenderでも)。
動きに対してきちんと「なぜそうなるのか」という理由を考える。
参考の資料などをきちんと調べる。
まとめ
本当はもっと細かくもできますが、まずは特に自覚していて改善していきたいことを挙げてみました!
やっぱり作ってみないと経験はできないので、まずは手を動かしてみようと思います。
振り返ってみて、未だに「すごく写実的なものをしっかり作ってみよう」という挑戦をしていなかったことが分かりました。
「リアル案件やりたい!」とはずっと思っていたのですが、そのうちアサインされたら経験も積めるだろう、と思ってしまって受け身だったのが良くなかったなと思っています。
周りの「すごいな」と思う人たち、やっぱり「どんな案件に入っても期待以上の仕事をする」というのをやり続けている人が多いです。
「学びながらお仕事をこなす」というのも必要な姿勢ではあるのですが…私の場合、やっぱりそれだけだと苦手意識があることを克服していくのは難しいのかなというのは最近感じています。
スタイライズドもデフォルメも、超写実的なものをしっかりつくれるようになったらクオリティを上げられると思う。
「どんなものでも作れるように」というのを叶えるために、まずは「写実的」というわかりやすい指標で自主制作に向き合ってみようと思います!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?