悪夢
昔から夢をよく覚えている。悪夢は特に。
落語には夢オチが割と多くて、『鼠穴』もその一つ。
初めて聞いた時は、主人公があまりにも絶望的な状況になってしまうから、心の中で(もうこれ以上追いつめないでくれ…)と叫んでいた。
夢だとわかったときは安堵の涙が止まらなかった。
その時の立川笑二さんがすごすぎて、しばらく怖かった。
周りに落語好きの同世代がいないから、というか、友達がいないから、落語会は大体1人か父と行く。
『鼠穴』ほどではなかったけど、今日の悪夢は最悪だった。起きた後も寝ぼけていて夢だと認識できずに泣きそうだった。
『鼠穴』に「夢は土蔵(五臓)の疲れ」というようなセリフがあるが、まさに、胃腸が弱い体質だから、それで夢をよく見るんだと思う。
自分が一番自分を追い詰める方法を知っているから、心配事や妄想が凝縮された悪夢なんて勝てる気がしない。
大体のことは現実には起こらなくて、心配損になるのに毎回それに負けてる。
この世の中で悪夢に勝てる人っているのかな。
悪夢上映中に「おい、これ悪夢だろ。やめろよ、静かに寝かせろよ」って冷静になれる人になりたい。