【#10 サイエンスコラム】16人に1人が不妊治療で産まれてくる日本(後編)
どうも、RYUSEIです。
前回のコラム記事では、不妊治療の現状・成功率・費用や保険について書かせていただきました
今回は、仕事とのバランス、周囲の理解、法律や倫理、について書いていければと思います
1.前回の不妊治療の復習(少しだけ)
・不妊とは、生殖年令の男女が妊娠を希望し、約1年以上避妊することなく性交渉を行っても、妊娠が成立しないこと
・主な方法は、「タイミング法」「顕微授精」「ホルモン注射での排卵誘起」の3つ
・2018年には、16人に1人が不妊治療で産まれてくるくらい一般化している
・加齢と共に、成功率の低下と流産率の上昇がみられます。これは卵子の質の低下と、母体の機能の低下が要因とされている
・国の予算が2.5倍になった。公的保険が2022年4月から適用される
\👇もし、前回の詳しく見たいよって人はぜひご覧になってください👇/
2.不妊治療と仕事
(*厚生労働省の2015年のデータを引用します
ー「仕事と両立している」が53.2%
つまり、残りの46.7%は、どちらかを断念することや、雇用の変更をしているということ
ー両立できない理由
・精神面の負担 53/92
・通院回数 50/92
・体調面での負担 47/92
ー不妊治療への支援を行っている
会社での支援制度がある 9.1%
個別で対応している 21.4%
行なっていない 69.4%
近年、不妊治療を受ける人が急速に増えている社会に追いついてないのが現状として見えます
ここの問題には、単純に変化に追いついていないだけでなく、育休が取りにくい風潮、男性の多くが管理職を占めている現状などが、大きな要因として挙げられるみたいです
3.不妊治療と周囲の理解・メンタル(精神的要因)
不妊理療は、周囲の理解、特に男性の理解や受容がより求められているそうです。理由として、
前編のコラムで書きましたが、男性側が関わる不妊の要因が約50%あります
しかし、不妊治療に調べた中で多く挙げられていた理解の問題点は、「男性側の意識が低い」所にあるとのことでした
例えば、不妊治療の通院に最初から夫が来ないケースがほとんどだそうです
もし、その時の不妊が女性側の問題であったケースでも、不妊という問題が一般的に男性女性どちらにも起こりうる生殖問題である以上、どちらも当事者意識を持つことがメンタルケアやキャリア形成の観点からも必要であるといいます
また、不妊治療で大事なのは、「いつやめるか?」と言われています
成功率の低さ、加齢による難易度の向上、40歳を超えると妊娠率は1割未満になり、うまくいかないことが多いです
その中で、「一度始めると、簡単には諦めきれない」という心理が出てくることが多いとされています
ですが、母体のリスクや金銭的問題があります
不妊治療には、パートナー同士が知識や現状を理解し合っているかが求められているそうです
(詳しく男子不妊について知りたい人へ👇)
4.不妊治療と法律と文化での難しさ
日本は、世界1の不妊治療大国なのに、他国と比べて、成功率が極端に低いと言われているらしいです
この理由として、元から精子や卵子を有していないと診断された人以外は、第3者のモノを使用できないという法律があるからです
つまり、選択肢として、自由に提供を選ぶことができません
台湾などの選べる国、インターネットで売買される国もあります。
勿論、使用の自由さには、悪事のリスクがあるので、一概に良いとは言えません
では、もし、日本で制度上認められたとしたら?
日本は、「自分たち夫婦でつくった子どもを育てたい」という文化や固定の風潮があり、養子縁組の数も少ない国なので、制度が整っても、社会的全体における受容が進むには時間がかかるように感じます
(参考資料👇)
5.不妊治療を調べた中で感じたこと
全体的には、制度が整う必要性もありますが、「新しい価値観に社会全体が受け入れることができるか?」が問題と思います
先日、著名な方のミレーナの使用が少し話題になりました
女性の避妊や生理の問題を解決する手段の一つです
ですが、そこに対するコメントには、その使用を卑下するものや、理解をしようとしないものがいくつもありました
考え方は自由ですが、新しい価値観を拒否する、誰かの人生の選択肢を広げる機会を摘むことは、その人個人や社会全体の歩みを止めていくように感じます
自分自身も1人の男性として、
社会で様々な性を持つ人と生きていく人間として、
性や自分が当事者になりにくい事柄に対して、知識の積み立てと当事者意識を忘れたくないと感じました
<おまけ記事📒>
”不妊治療の制度が整備されても少子化を止めることができない”
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?みなさんは、不妊治療についてどんな考えを持ちましたか?
*まだ、科学分野の者として日が浅いため、誤りが出てくる可能性があります。もし、内容が事実と異なる場合は、教えていただけると嬉しいです。
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