広葉樹がエルメスなら針葉樹はユニクロ
「スギ(針葉樹)の薪」と「カシ(広葉樹)の薪」があります。
どちらかプレゼントします。どちらがいいですか?
この場合、ほとんどの人、いや100%の人が「カシの薪」と答えるのではないでしょうか。
広葉樹の特徴とイメージ
カシは「薪の王様」です。
薪ストーブユーザーの憧れの薪と言ってもいいかもしれません。
その他、ナラやケヤキなどが広葉樹の薪の代表です。
これら広葉樹の特徴は、高密度で、比重が大きく硬いという事です。
そのため、火持ちが良く(長時間燃焼する)、上質な薪と言われます。
広葉樹のすごい所は、薪ストーブユーザーやキャンパーだけでなく、それ以外の多くの人もその特徴を知っていて、いいものだと広く認知されている事です。
広葉樹にはエルメス、グッチ、ヴィトンのような、「ブランド力」があります。
針葉樹の特徴とイメージ
では、針葉樹はどうか。
スギやヒノキに代表される針葉樹の特徴は、いい香りはするが、低密度で比重が小さく、柔らかい。火持ちが悪く(短時間で燃えてしまう)、薪としては敬遠されがち。
針葉樹は薪ではなく、「建築材」としてのイメージを持つ人が多いのではないでしょうか。
薪としての「ブランド力」は皆無で、薪屋さんでもなかなか取り扱ってもらえず、「焚き付け材」としてなんとか価値を見出し、生きながらえている…
どこか哀しいイメージです。
「良い薪」とは何か?
「ほぼ生木で水分率40%のカシ(広葉樹)」と「1年以上乾燥させた水分率5%のスギ(針葉樹)」があります。どちらかプレゼントします。どちらがいいですか?
薪の王様カシでも、水分率が40%もある生木の状態では蒸発した水分に熱を奪われ、部屋を暖める事はできません。
【注】
時間がたてば温かくなるかもしれません…
そのような乾燥していない薪を使ったことがないので、わかりませんが…
私なら、「1年以上乾燥させた水分率5%のスギ(針葉樹)」を選びます。
私にとっての「良い薪」とは、部屋をきちんと、そして素早く暖める事ができる薪だからです。
この場合、圧倒的に針葉樹です。
結局…
広葉樹:火持ちが良く、長い時間ゆらゆら揺れる炎を楽しめる
針葉樹:燃えやすく、強い火力を持ち、とても温かくなる
どちらも、優れた長所があります。「どっちがいい」のではなく、「どっちもいい」のです。
高価な知名度のある優れたハイブランドの服をたくさん持っている人も、安価な機能性に優れたヒートテックのような服を1枚くらいは持っているはずです。
針葉樹がユニクロに思えてきました…