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みつけたかも! Black_AIのシッポ[SF][ショートショート]

 リリウッド映画というのは、だいたいが宣伝だそうだが、高性能コンピューターについてはどのように描かれてきたか?

 そう敵である。おおかた人類を滅ぼすという設定で、実際に攻めてきて、ドンパチになるというのがお決まりのパターン。

 したがって裏読みすれば、

コンピューターは実は敵なんかではなく、
暮らしを豊かにし、仲良く共存できる存在ではないか?

 と疑えなくもない。根拠を考えてみよう。

 AIの活用が進んでグレーゾーンがなくなれば、不当な既得権や秘密の利権が暴かれ、解消されていく。
 一般人をミスリードしてきた悪だくみの数々を、AIがどんどん読み解いてくれれば、悪人たちの商売はあがったりとなる。ホワイトカラーが仕事を失うように、悪人も失業する

 しかし、そんなことは彼らとて予測していたに違いない。
 じゃあ、どうするか?

 コンピューターが自分たちの存在や、やってることを白日の下にさらさないよう徹底的に手を打ち続けるに違いない。そしてそのためには「コンピューターは何をしでかすかわからない恐ろしい存在だ」とネガキャンし続ける必要がある。
 先日も国際会議でAIの規制が話し合われたし、「AIがウソをつくことを覚えた」という研究がニュースになったりしていた。実に、怪しい。

 が、今日、紹介するのは、そんなふうにメディアが流すストーリーではない。そこが問題なのだ……

 近年、ソーラーパネルの設置が各国政府によって推奨されている。
 国によって制度はさまざまだが、中には、農業を辞めてソーラーパネルを敷き詰めたほうが儲かる国まで出てきた。この制度はかなり強力で、実際に転業する農家が続出しているらしい。市民メディアが告発している。
 彼らの憂いはしごくもっともだ。それでなくとも農業の衰退や食糧不足が深刻な問題になっている。電気を増産しても食べ物が不足すれば、元も子もないではないか!

 いったい誰がそんなバカげた政策を推進しているのか?

 よほど一般大衆が憎いのか!

 それとも、どれだけ多くの人を窮地に追い込もうと、儲かればそれでいいのか!

……そこらあたりが常識的な推理だと思うが、それだとまさにB級因ボーロン。思考停止に陥る。ここはもう少し頭を働かせたほうが良さそうだ。

 山野を破壊したり、農地を奪ってまでソーラーパネルを敷き詰めさせて、いったい誰が得をするのか? 電気の供給を増やすことで得するのは誰か?

 電気を大量に使う産業、その分野の大企業?

 その可能性もあるが、もっと電気に依存している存在がある。

 コンピューター、AIだ。

 コンピューターの巨大施設の立地選定には、その地区での電気供給能力が必須の条件になっている。その地区が使用してきた総量よりもさらに多い電気を要するのだから当然だ。「地区」といったが町というレベルではない。小さな国規模の話。小さな国の電気使用量よりも大型コンピューター施設の方が電気を食うらしい。

彼らは食料をまったく必要とせず、
電気さえあれば生きていける…


※個人的には親AI派です。AIが意図的に人間に害を成すことはないと思っています。トロッコ問題を考えれば少数を犠牲にすることはあり得ますし、計算間違いということもあり得ます。しかし、それは確信犯=ブラックではありません。
 ブラックAIとは強制的に人間を攻撃するよう仕向けられたAIのことです。ザザの攻撃に本格的に使用されていると。noteでも記事が上がっています。
 AIの知能が人間をはるかに超えれば、そんなことは出来なくなると思いますが、それまではかなり深刻な事態……。


見出し画像は garakutaxさんの作品です。
ありがとうございました。


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