[ホ占]丈夫に随(したが)え
今回の「ホロフレーズ占い」 思いついた言葉は、「かりん(花梨)」 占った日付は、「2022,12,20」
「かりん」を選んだのは、散歩コースで「ご自由にお持ち帰り下さい」を見かけて有り難く頂戴したからです。先々月、喉をやられましてつらい経験をしたので、「そういえば、カリンは喉に効くはず」と。
計算過程は省略します。
得られた卦は、十七番「 沢雷随(たくらいずい)」
導かれた爻は「二爻」
以上を読み解いてみたいと思います。
十七番「沢雷随 (たくらいずい)」とは?
前回の卦が十六番で、今回が十七番。やらせみたいですけど、本当です。自分でも不思議。ですから、解釈も前回のつづきになります。
まず象の解釈から。下の象が「雷」、上の象が「沢」という構図で、自然にはあり得ない光景ですが、この場合「雷」は出来事。前回の流れから云うと戦争ですね。「沢」の下に戦争が潜んでいると解釈出来そうです。
前回の要点は、来たるべき出来事を予測して備えよ、でした。
しかも、そこには戦争の備えをすべし、と具体的なことまで上げられていました。
その続きということですから、予測された戦争は起こる公算が高いという段階から準備段階に変わった、と解釈出来ます。双方が準備を急速に整えている段階。
これまで繰り返されてきたような、危機を煽って武器を買わせたり、相場を操作する、というようなことではなさそう。
爻辞を見ながら、詳しく見ていきます。
「初爻」のポイントは、三点。
まず、仕事が変化すると云うこと。
次に、正しい行いをせよ、ということ。
三番目は、外に出て広く交際せよ。
仕事が変化する…… これは政府や軍事関連の会社に限った話ではありません。為替の変動、物価の高騰、あるいは物によっては不足、入手困難。それらはすでにはじまっています。日本はまだマシなほうだそうですが、それもよしあしで、改革をためらっていると取り残される恐れがあります。今回の変化は元に戻る性質のものではないと思います。変化はさらに加速していく。
ただ、乱世にはチャンスも生まれる。大企業が下手をうつ可能性がありますし、制度の隙間が拡大するかも知れません。小さなところが割って入るには千載一遇のチャンスです。そのことを踏まえて『易』はいいます。正しきに随えと。いくら稼げるといってもグレーなことはするなということと、自分が先頭に立つのではなく、「随え」と。
三番目の、外に出て広く交際せよ、というのは、同業者や同世代、同郷、同趣味ではない相手、今までお付き合いしたことのない相手との出会いを積極的に求めなさい、ということです。
ただし、戦争前夜ですから、努力目標ではなく、早急に必要で、すぐにやらねばなりません。
「二爻」、小人と付き合えば、立派な人(丈夫)との関係を失う。
初爻で交際範囲を広げましたね。しかし、自分と同等以下の相手とは付き合う必要は無い、というのです。そんな打算的な……と思うのが普通ですが、今は非常時。
ここでいう立派な人とは、自分より少し立派な人ではなく最高の人です。会社で云えば、社長。小さいところではなく強い会社の社長についていけということです。
そんな相手と出会う機会すらなさそうですが、だから初爻で、広く交われと云っていたのです。漠然と人脈を広げるということではなく、スゴイ人を探して、ついていけということだったんです。
後で振り返りますが、今回の占いで出た爻は、この二爻です! 今はこの二爻が極めて重要です。
「三爻」は、二爻の次の段階。立派な人についていけば、どうなるか? 小人を失う……。それまで付き合っていた友人や後輩、部下を失う。スゴイ人に随うには、すべてを捧げなければいけないので、それは当然予測される事態。有事を生き抜くためには、犠牲を厭うな、です。
「四爻」は、これまでとは打って変わって、オイシイ状況に恵まれます。ベタなたとえをすると、自分が付き随った立派な人が、さらに大成功をし、自分も幹部になるということです。戦国時代にたとえれば、尾張半国の領主だった信長に随った秀吉や光秀が、数カ国を束ねる大国の幹部になったようなもの。大名並みの領地を与えられる。
しかし、そこで大名になった気になると、身の破滅。
久秀、村重、光秀らが身を滅ぼしていったのは、鎌倉御家人のような感覚でいたからかもしれません。信長に協力するが、自分も一国一城の領主であると錯覚した。しかし、信長の感覚からすれば、彼らは別会社の社長ですらなく支店長のようなもの。支店長が社長気取りの態度を取れば、粛正の対象になってしまう。
ちなみに、あくまでこの卦の局面では、という話ですよ。占いのアドバイスは局面に応じたもので、局面が変われば、心がけるべき事も取るべき行動も変わります。まさにケースバイケース。
「五爻」は、トップが心がける事柄です。トップに「随」というのは変な組み合わせですが、トップであっても随うべきことがあるというのが、この爻の説くところです。
まず、このトップは「沢」ですから、力が弱いトップなのです。自分が先頭に立ってガンガン業績を上げるだけの実力がありません。となれば、優れた重臣に随うのが良いということになります。ここでの『易』のアドバイスは、よい人物を選んで任せなさい、ということです。
ただし、主君に勝る能力を持った者が忠誠を尽くしてくれるのか? それを信用して良いのか? ということは大問題。でも、この局面ではそうするしかない。優秀な部下に働いてもらわねば、やっていけないのですから。
「上爻」は、この卦の極まった段階。
まず、この卦に限らない一般的な傾向ですが、良い卦の場合の上爻は、それが終わることを意味します。つまり、前途に陰りが出てくる。逆に、低迷や落ち目の卦の場合には、それが終わって明るい兆しが出てくる。
では、随う時期が終わるというのはどういうことでしょうか?
誰かに随う必要が無くなり、自由にやれる時期がすぐそこまで来ているということでしょうか?
残念ながら、違います。なんと『易』が説くのは、一体化! 一体化すれば確かに随う必要はありませんね。
ただし、この一体化については解釈が大きく分かれます。すなわち、国が一つにまとまったように見えるのは、心が一つになったからか、それとも強制して隷属させたのか……。
心服したのだとすれば、随おうとは思わなくても自然にそういう行動になる。そんな見方が一つ。
もう一つの見方はその正反対で、臣下や民衆の心がトップから離れつつある。このままでは随ってくれなくなりそうだ。どうするか? 制度を変えて強制的に命令に従わせよう、となりますね。爻辞には「拘」という字があるので、おそらくこっちが正解だと思われます。
徴兵制や勤労動員、私財の供出や様々な奉仕活動の事実上の強制。挙国一致体制が作られようとする。まさに、戦争前夜の様相です。
では、このような状況で、一体どうすればいいのか?
『易』は、神を祀れと云います。
もっとも、その理由は分かれます。
人々の心が一つになったと解釈されてる方は、神に感謝するのだと説明されます。
一方、強制的に民を隷属させたという解釈だと、神に対しても戦争の応援を頼むんだ、と云う話になるわけです。言葉悪く云えば、神にも協力を強く求める。
いかがですか。こんなふうに見てみると、戦争までの道筋は紀元前の昔から、少しも変わっていないようですね。
さて、いよいよまとめに入りたいと思います。
現在地は、二爻です。
極力、立派な人と出会うようにして、その人に随え…… 個人にたとえれば、そのように解釈出来ます。
しかし、わたしとしては世の中を占っているつもりなので、国の命運を読み解きたい。
なるべく立派な相手というのは、国家で考えれば、どの国が相当するのか? 最強国と云うことで云えば、まだA国だと思いますし、幸い一番、緊密な関係にある国です。いろいろ問題はあるにしても、ここは随え! という、そういう見立てでしょうか?
実は、この後、いろいろ考えては見たのですが、ほかにこれという解釈は思い浮かびませんでした。何しろ時間がないので、新しい勢力の台頭とか、まずありませんから。A国ベッタリでいいんだ、というか、誠心誠意A国に尽くせということかもしれません。
そして、もし『易』がそういう立場なら、個人の行動もそれに合わせて解釈し直す必要が出てきました。
一番立派な者に随え! というその相手は政府ということになりそうです。率先して政府の方針に随うのが、一番の生き残り方法だと。
もはや政府批判や戦争反対を叫ぶ時期ではない。もう決まってしまったのだから、協力するしかない。さもないと罰せられるぞと。『易』は個人に対してはそうアドバイスしているのかもしれません。
いくら占いの解釈とは云え、
オマエのこれまでの言動とまるで違うじゃないか! と自分でツッコミを入れたいです。わたし自身が戸惑い中……
以下は、戸惑って考えたことです。