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私のダンナが辞めるまで(19)

感情論

-貴方の気持ちは分かる。何で俺が!?て思いでつい、表面的に話しちゃったんだよね。
ただ、私が気になるのは、客観的事実は何も伝えてないこと。
「は?」夫は顔をしかめた。
まったく分かっていないようだ。

-私たちが何故、他の社員のように女性が辞めると即決せずに話し合っているかをきちんと話さないと。そのためにまず、貴方にも本気で現実を見て欲しい。

失礼を承知で言うね。大事なことは2つ。

ひとつめ、私たちの年収には明らかに差がある。
私の年収は、正直30過ぎ新婚女が転職して貰えるお給料じゃない。技術職じゃないからね。
もちろん、お金だけじゃないけど、お金がないと生活していく上で選択肢が減るのは分かるよね?
子供が欲しいなら余計に慎重に考えないと。
転職したてならクビになるかもしれないし、もしパートしかみつからなかったら、妊娠したら確実に無職だよ?そこまで考えてた?

夫は黙り込んだ。

やりがい

-もうひとつは、貴方が今やってる仕事は、本当にやりたいことじゃないこと。これ、すごく大事だと思うよ。
先輩の会社ではやりたい仕事に就ける話はした?
「してない」
-嫌々営業続けるより、やりたい仕事に就いて、楽しそうに働いてる方が貴方も、お母さんも幸せじゃないかなぁ。
 もう一回、ゆっくり話してみたら?

「お前が話せよ。俺より口が上手いから。」

(言葉選びがなってない!そして人に頼るな!)

-それは駄目だよ。自分で言わなきゃ。

「100人に聞いたら、99人はお前が辞めるべきって言うよ!まずはみんなに聞いてみる。」

(あなた友達100人いないじゃない…)

-うん。意見聞いてみたらいいよ。
ただし、大事な2点は必ず話してね。

夫の相談相手が100分の1人でありますように。

…つづく

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