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私のダンナが辞めるまで(17)

抵抗

「先輩の会社に誘われた。」
翌週、ご飯を食べていた時、夫が言った。
そうなんだ。で、何て答えたの?
私の問いに夫は少し怒り気味に話し始めた。
「新しい事業があるからやってみないかって。でも事業はまだ先なんだよ。
事業が始まる時じゃなくなんで今誘ったか聞いたらさ、結婚したらいつ妊娠するか分からないから、お前が転職するより俺がした方がいいって。
子供が出来てもお互いが働けるだろって。
なんで俺が会社辞めなきゃいけないわけ?まだ妊娠もしてないのに。男が女のために転職なんて聞いたことないよ!」

あぁ、伝わらなかったか…
男が女のために…が本当の理由じゃなさそうだな。何となくそう思った私は、本音を探ることにした。

心の中

先輩の言う通り、私がこれから転職先探すのは厳しいよ。新婚で子供欲しいですって言ってる30過ぎの女性を、雇いたい?
「……」
転職してすぐ子供は考えられない。会社に迷惑かかるから。でも、私たちは子供が欲しい。どっちも叶えるのは無理だよ。
「……」
今まで聞いたことないこと、やる人もいるよ。
転職も珍しいことじゃない。何故やりたくないの?私のためじゃないとしたら、出来るの?
「あーもー!うるさいな。お前も俺が辞めればいいって思ってんのか?」
そうは言ってないけど、折角先輩が声かけてくれたんだよ?

「結婚を機に会社辞めるなんて、どうやって母さんに説明するんだよ!!!」

本音はお母さんだったか!

つづく…

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