作詞講座 第一回「作詞はテーマから」
作詞・作曲、歌を作るときに一番大切なこと、それは、コンセプト。
これから歌をつくる時に一番最初にどんな歌をつくろうか、それを考える。
作詞でいえば、歌詞のテーマを考えることが大事。
作詞のテーマ。
例えばということで、ユーミンの歌で、テーマが分かりやすい歌を挙げる。
昔の歌だが「5cmの向こう岸」という歌がある。
背の高い女の子が、付き合ってた男の子の身長が自分より5cmも低いことを気にしはじめて、結局、別れてしまうというストーリーを歌った歌。
ユーミンの優しさは、時々、歌詞の中にちゃんとテーマを明示してしまうことだ。
すなわち「若い頃には人目が大事よ、もっと大事な優しさを失くしても気づかないこともある」
これがこの歌詞のテーマ。
テーマは歌詞の中に出てこなくていい。むしろ、出てこない方が普通だろう。
私の歌で昔作った歌、「週末、君とドライヴ」という歌。運転は君、僕は助手席に乗ってドライブに出かけるという歌だ。
テーマは「信用と信頼との違い」。
君の運転は全然上手いと思ってない、すなわち「信用」はしてない。だけど、愛する人の運転なら例えば事故で命を落としたって構わない。それが愛する人への「信頼」というもの。
そんなふうに、私自身、昔から、テーマ(コンセプト)先行で作ってる。
歌詞を作る時には、先ずテーマを決めよう。
私といば、国語の教師として子供を教えていた事があるのだが、作文を書かせるとき、自由題とすると、子供達、まともな作文が書けない。
まず、9割の子どもは、書き始めで鉛筆が止まってしまう。
ところが、書く内容を制約するコトで、子供達は、頭を使って文章を書き始める。
自分の10年後を書きなさい。一人称で書きなさい。同窓会のお知らせがあって、同窓会へ行く流れで書きなさい。自分がどうなってるか、クラスのみんながどうなってるか表現しなさい。
これ、実際に子供たちに与えた事がある作文課題。
課題を限定されるほどに、よい作文となる。
その課題を自分自身でつくる。
あるテーマに沿って書きなさいと、自分が先生となって、自分自身に作詞の課題を与えるのである。
作詞は、先ずテーマから。
去年私が作った歌のテーマだけ列挙してみよう。
じっさい、そのテーマが聞く人に伝わるかは別問題。
はっきりと言葉になってなくてもいい、頭の中で、だいたいこんなテーマでと決めて歌詞を作り始める。
作詞講座第一回のまとめ
「作詞はテーマから」