ドラマを見ていて人生のテーマが欲しいと思った。
北川景子主演の「家を売る女」がとても好きです。不動産の話で、ともれすれば不愛想でとても好感のもてる話し方ではない三軒家万智(さんげんやまち)がとんでもない方法でもって家を売っていく人間ドラマです。
家というのは大きな買い物です。ですから、それを買うには人生の節目であったり、心境の変化があったりします。なぜ、家を買うのか、どんな家がこの人にとって素晴らしいか、三軒家万智があの手この手で客の心にすっと言葉を放ちます。その人が抱えている根本的な悩み。解決とまではいかないにしろ、家を買うことで、何かがふっきれていくのです。三軒家万智にはとても苦労した過去があり、そこからたくさんの人に家を売ることをテーマに生きています。
一心不乱に家を売る彼女に「どうしてそこまでするんですか?」と質問がくれば彼女は「家を売るためです」と一言目を見開いて言い放ちます。
かっこいい生き方です。このドラマで感情をあまり見せない主人公ですが、不器用な人なので、それもかわいく思えてきます。仕事に対しては厳しいです。このドラマを見ていて「あの主人公は非現実的だし、こんな方法では家は売れない」とくだらないドラマだとと鼻で一蹴する方がいます。ドラマを見るのは自由です。その意見もその通りだと思います。このドラマは今、世間をにぎわせているテーマを上手に切り取って自治ネタを入れ込んできます。コミカルに描いていますが、ネット難民問題、LGBTなど取り扱っておりました。なので、リアリティは必要です。でもリアルを追及するならもう少し違った形でドラマは描かなければならないでしょう。不動産の話だけに終始するならば。これは家を通して描かれる人間ドラマです。そこに主人公の流儀が入るのです。
多少の嘘をつきながら、家を売る人も買う人もwinwinな結果に落ち着きます。家を売るために多少、無理なこともするスタイル。私はそれを見ていると無性に元気が出てくるのでした。
※
不動産業ではないですが、私は自分の人生のテーマを探してします。小説を書くことがテーマだと根拠なく思ってみたりもします。でも、ふっきれない面もあって、言い訳ばかりしてます。向いているのかそうではないかは置いておいて自分がそうしたいなら書けばいいだけの話。何がしたいのか、何が書きたいのかすらわからないときもあって、すぐにパソコンを閉じてしまうのです。noteはもやもやのはけ口であったりもします。ですが、最近はドラマの影響もあって、私の中の三軒家さんが「小説を書くためです!」と脳内で変換されて叱咤します。
苦手な女子会に行っても「小説を書くためです」と言って人間観察をするように指示します。会社の仕事もお仕事小説に繋がるでしょう。どうしてそこまでするのですか、の問に私も「小説を書くためです」とくわっと目を見開いて脳内で言い放つのです。そうしていると実は何も無駄なことなどないようにさえ思えてきます。
私は、最近焦りから「こんなことしている場合じゃない」病を発症してしまうのですが、少しだけゆとりを持てるようになった気がします。小説を書くためです、そして実際に書くときは無我夢中で書かなければなりません。三軒家さんは家の売るために付随することに集中しますが、それ以外の付き合いなどは一切切り捨てているようにさえ思います。周りが勝手に近寄りがたいと思っているだけかもしれませんが。
とまあ、勝手にドラマを見て私が勝手に激励をもらっているだけなのですが、そんなのは抜きにしてもこのドラマは面白いですよ。娯楽として気軽にご覧ください。北川景子が美しいから。