令和の超魔術
令和の時代も、私たちはスプーン曲げに興奮する。
朝の番組で、ミスターマリックが視聴者のスプーンを曲げるというので、息子と一緒にスプーンを持ってテレビの前で待機していた。力を入れて無理矢理曲げようとしても曲がらない丈夫なスプーンを選んだ。息子は「曲がるわけないよ」と、小3のくせに、なんだかとても冷めている。冷めるなよ、リモート超魔術って、夢があって素敵な響きじゃないか。
スプーンが曲がってしまったら、今日の昼食のカレー食べられなくなるな。ネットで新しいスプーンを注文しないとな。
そんな心配をしていたけど、私のスプーンも、息子のスプーンも曲がらなかった。
「ほら曲がらないだろ」
という息子。
くやしいなあ、くやしいなあ。息子の驚く顔が見たかったのになあ。スプーンが曲がったら、息子と一緒に「うおー、曲がったあああ」って大はしゃぎしたかったのになあ。
Twitterで「スプーン 曲がった」で検索をかけたら、たくさんの曲がったスプーンの写真が出てきた。 我が家にマリックのハンドパワーは届かなかったけど、本当に曲がるんだよ。あとでまた、マリックのYouTubeを見ながらやってみよう。
小学校から分散登校の連絡が来た。住む地域ごとに学校に通う日が異なるのだという。少しずつ元通りの生活になろうとしている。