シュッシュやれ、シュッシュ

昨日の夕食のナポリタンスパゲッティを、食パンにどさっと乗せて朝食にする。大きく口を開けて食パンにかぶりつくと、ナポリタンスパゲッティがお皿の上にぼろぼろと落ちる。うん、最高の朝食だ。炭水化物オンザ炭水化物、小麦オンザ小麦ってことは気にしないことにする。私の作るナポリタンは野菜たっぷりなんだぞ。

スーパーに行く。入り口で、明らかに店員ではないおじさんが店のアルコール消毒スプレーを持っていて

「シュッシュやれ、シュッシュ」

と丁寧に私の手にシュッシュしてくれた。

「よし、マスクつけているな。いいぞ入れ」

なんなんだ、このおじさんは。シュッシュおじさんと心の中で呼んだ。

私の後ろに入ってきた人にも「シュッシュやれ」と声をかけていた。正直、ちょっとウザいと思ったし、ちょっと怖かった。マスクもアルコールもコロナ禍での常識になっているけれど、他人に強要されるのはなんか嫌だ。

とても美味しそうなレトルトカレーを見つけた。パッケージに乗っていた写真には、野菜や肉がゴロゴロしていて食べてみたいと思った。しかし値札を見てびっくり。1パック1000円だって。これを買ったら今日は予算オーバーになる。500円とか600円だったら買えたかもしれないけど、1000円は出せない、今日は。それに、ダイエット中だし。朝、ナポリタン乗せ食パンなんて食べちゃったけど。

家に帰ったらオートミール食べよう。ベーコンと粉チーズとオリーブオイルと卵の黄身乗せて、カルボナーラみたいにして食べよう。そう考えて、1000円のカレーを諦めた。

そういえば、シュッシュおじさんはスーパーから出る頃にはもういなかった。いつも通りのスーパーだ。もしかしたら、あのおじさんはコロナ不安の中で見た幻だったのかもしれない。