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落ち込んだ時に読んだ『人間失格』

ひとり遊びが得意な子どもが、時々とんでもない集中力を発揮するなんてことがある。休憩や休息なしで、ひたすら没頭し続ける。そういう、ある種常軌を逸した集中力を僕は大人になっても持ち続けていた。好きなものに対して、とことんのめり込んでいく感じ。

高校時代は、陸上と読書だった。留学を決意してからは英語に。そして、大学に入ってからはアートとスペイン語にのめり込んでいった。

ブレーキをかけることを忘れて時々突き進んでいると、たまにあっけなく限界を超えることがある。それは、肉体的、精神的に関係なく、気づいたらリミッターが外れてとんでもないところにいたり。

ネバダの砂漠にある大学で、人類学部からアート学部に転部した時、僕はもうとっくにアートにどっぷりハマっていた。毎晩深夜過ぎまで、アート学部棟にこもって作品をつくり続けていた。油絵、写真、陶芸、彫刻、版画など、ありとあらゆるクラスを手あたり次第撮り続けていた。

アートについて知識や技術を学びながら、作品をつくり続けるのは心底楽しかった。ただしこれが、卒業したあと社会人として仕事に結びつくかどうかには不安があった。

「いざとなれば、ホームレスにでもなるよ」と、口では言っていたが。実際、卒業間際になって就職活動の入り口にすらたてず、履歴書とポートフォリオをつくっても見せる相手がいないような状態で、だんだん自分の居場所がなくなっていく感じがして、社会に求められていないというのが辛くなっていった。

アート学部の教授ひとりひとりに相談しに行くものの、みんなが「大学院へ行きなさい」と勧めてくる。自分も、行けることなら行ってみたかったが、フルで奨学金を手に入れたとしても生活費がもうない。親からの仕送りは4年間の約束だったので、もうこれ以上はお願いできない。作品や家財道具を売れるだけ売ったので、あとは銀行口座に残っているお金が全て。それが尽きる前に日本に帰らないと、本当に僕は路上生活者になってしまう。

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個人的に思い入れのある本、大切にしたい本、知人が書いた本や、私がちょっとだけ載ってる本などについて書いています。

「日曜アーティスト」を名乗って、くだらないことに本気で取り組みつつ、趣味の創作活動をしています。みんなで遊ぶと楽しいですよね。