段ボールでつくる
先程、図書館で『段ボール財布の作り方』と『段ボールはたからもの』という本を借りてきました。この本の著者、島津冬樹さんに、どうやら以前お目にかかったことがあるということが判明したので。図書館で本を探して、予約したんです。
順を追って話しますね。
もともと私、「日曜アーティスト」という肩書を名乗って、趣味の創作活動や工作などをしています。それで、ペーパークラフトや革工芸、ガムテアートなどに興味があったので、3331 Arts Chiyodaで偶然島津さんの展示を見かけたとき、「面白そうだな」と思って中に入ってみたんです。2019年3月10日ことです。
その日はちょうど、3331 Art Fairが開催されていて、元中学校だった校舎を再生させたこの複合アート施設の建物をぐるぐる回りながら、作品を観て回ってました。階段を下りて地下の教室に、島津さんが段ボールでなにかをつくっていらっしゃいました。
僕は以前、この3331の地下のならびにある教室を6人のアーティストさんたちとシェアをして、「共同アトリエ」的なかたちで6カ月間滞在しながら制作と展示をしたことがあります。自分にとってもこの空間で何かをつくるというのはとても思い入れのあることだったので、島津さんがここで制作をしているのを見てうれしくなりました。さらに言うと、この2年後の2021年には3331 Art Fairで出店のお手伝い(店番)。そして、閉館前最後の開催となる2022年のArt Fairでは会場の施工のお手伝いもしましたが、それはまた別の話。とにかく、自分にとってこの3331 Arts Chiyodaは個人的にも関りが深く、思い入れのある場所でした。昨年3月で大規模改修工事のためにいったん閉館となってしまいましたが。
さて、話を戻して。島津さんの展示。
世界各地の段ボールが展示してあったり。
段ボールでつくった財布も販売されていました。
この話はいったんここで終わり。「僕もつくりたいなー」とは思ってはみたものの、本格的に段ボールで財布をつくるところまではいかず。
カメラケースをつくったりはしましたが、これは特に島津さんの作品の影響ということではなく、たまたま手元にAmazonの商品を買った時の封筒があったのでそれを使ってみたという感じ。
アップサイクルへの興味
去年の3月に、横浜でくるり工房さんのワークショップに参加して、そこから「アップサイクル」にとても強く惹かれました。もともと、藤浩志さんの「かえっこ」のプロジェクトで、おもちゃのリメイクにはとても興味を持っていました。実際に、ナカダイさんの廃材を使っておもちゃをUVレジンを使ってリメイクするというワークショップも開いたことがあります。
で、そんな流れでご縁があって、横浜のくるり工房さんで古布を使った「本づくり」のワークショップを昨年やらせてもらいました。
というわけで、自分の中で「アップサイクル」は興味のあるテーマで。それについてネットで記事を読んだりしてリサーチしていたわけです。
で、そこで島津さんの活動を紹介するインタビュー記事に巡り会った、と。
「あれ?この方、お目にかかったことあるかも」と思い、調べてみたところやっぱり3331で作品展を開催されていて、過去の写真データを見返してみたところ、前日の写真が出てきました。「あぁ、やっぱりこの人だったか」と納得しました。
こういうのって、ご縁だなぁと思います。そんなわけで、図書館で島津さんの本を借りて、これから読むところ。
繋がりをたどっていく
私の「日曜アーティスト」の活動は完全に個人的な趣味です。だから、なにをするのも自由なんですね。自由だからこそ、私はこういう繋がりやご縁を大切にしたいと思っています。
人との出会いがあって、ひとつの活動がまた次の活動につながっていく。英語でいうところのセレンディピティのような意図しない大切な出会い。アイヌ語では「トゥレンカムイ」とも言うそうです。そういうひとつひとつの繋がりやきっかけを大切にしながら、「日曜アーティスト」としての活動を紡いでいきたいと思います。
実は、先程の島津さんの記事を書いた「東京都立産業技術大学院大学 越水研究室」とも最近、研究協力で参加したり。その情報をシェアしていただいたのが、アンバサダーマーケティングの研究をしている方で。研究テーマがアートとAIっていうのも面白そうだったし、「対話型鑑賞」についても以前から興味があった分野で、昨年日比谷公園をパブリックアート散策したのもそれがきっかけ。で、そのパブリックアートは美術ライターの浦島茂世さんの著書とそれに関連したトークイベントがきっかけで実現したプロジェクト。で、浦島さんとはもともとはチェコ親善アンバサダー繋がり。そのチェコに行くきっかけは私がブログを書いていたからであり、一番最初に3331に訪れるきっかけとなったのが、アートとブログを英語で学ぶというセミナーがあったから。ぐるぐると、いろんなものが繋がっている。それは、偶然つながったものもあるし、自分が意識してつなげていったものでもある。
こんなことをやっていると、数学的思索がやがて妄想や幻覚につながっていった、アメリカの数学者ジョン・ナッシュと、彼を描いた映画『ビューティフル・マインド』を連想したりもするけれど。いや、大丈夫。ある意味、あんな生き方も良いなと思ったり。
とりあえずまぁ、こんな感じで自分の人生を使っていろんなところに飛び込んでチャレンジしつつ、ご縁を大切にしてきっかけやつながりを糸のように紡いでいって、そこに浮かび上がる物語が自分の生涯をかけた「作品」になればよいなと思うのです。
というわけで、私が次にチャレンジするのは、段ボールを使った財布です。まずは本を読んで、作り方を学びます。
「日曜アーティスト」を名乗って、くだらないことに本気で取り組みつつ、趣味の創作活動をしています。みんなで遊ぶと楽しいですよね。