あの日、余市で決断したこと
もの凄い勢いで放射された炎が、樽の内側を焦がしつつ渦巻く火柱となって開口部とダボ穴から天井に向かって噴き出る。圧巻の光景。その炎は遠巻きに見つめる我々の顔を照らし、10メートル以上離れていてもあからさまな熱を感じさせる。
2012年4月22日、北海道の余市にある蒸留所で、ウイスキーづくりを体験した。なぜ日付まで正確に覚えているのかというと、その日はたまたま僕の誕生日だったから。
2日間にわたって開催されたこの「マイウイスキーづくり」のイベントは、前日に泥炭で大麦を燻すデモ