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KTR vol.1 松田早露

20年、“ゆめ”を集めてきました。

数年前からnext stageを探す中で…『Flower of Love -Mercuria-』などの作品をつくったり、身体づくり/心づくりとして『camino』『HIMEKAGURA』をおこなっている。

たくさんの生き方と出会い、またそうなっていったプロセスをシェアしてもらうことで、あたらしい“ゆめ”がうまれると思い、『KTR -mirror-』をはじめました。

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『KTR -mirror-』はインタビュー形式で、ゲストの軌跡を一緒にたどる。

第1回目のゲストは…僕がはじめて夢道した2017年、スタートの大分県でお逢いした松田早露さん。

早露さんは『露works』として“一閑張り”のバッグやさをり織り作品などを制作・販売されています。

interviewは2024.05-10

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Q1.
“一閑張”は中国の漆技術を基礎とする、和紙を原料にした技術です。和紙を張り重ねることで、軽いのに強度を保つことができるのが特徴です。
僕は早露さんと出逢うまで、“一閑張”を知りませんでした。 早露さんの「“一閑張”との出会い」や「好きを自覚しはじめたとき(いつ頃?/そのきっかけ)」など教えてください。

A1.
私も習ってから今年でちょうど10年になりますが、詳しい由来はあまり知りません。
江戸時代から続く技法で、籠やざるを補強して再生していたというくらいです。

きっかけは、通っていた機織り教室のほかの生徒さんが持っていた一閑張りバッグを見た友人が、作ってみたいと言ったことからです。 機織りの先生が一閑張りの先生を紹介してくださり、私はなんとなく面白そうなので一緒に習いに行ったという感じです。

実際習ってみるととても手間と時間のかかるもので、友人は一回でもう無理となりました。
私は意外と性に合っていて、初めて作った物を先生に褒めていただいて調子に乗ったらここまで来てしまいました。

好きを自覚したのは。。。
下張りなど手間ですし本当に面倒ですが、ぴっちり綺麗に張れるとその都度嬉しいです。
下張りを乾燥させてから色生地を張っていくのですが、その組み合わせを決めるのも楽しいし張り終えてそれがとても良く調和して可愛く出来上がると本当に嬉しいです。
色生地を張り合わせていくのが、答え合わせみたいで1番楽しいですね。

そしてそれを店頭に並べて、お客様が本当に楽しそうに選んで、嬉しそうに帰って行くのを見るのが最高の喜びだなーと思います。

先生に習いながら、初めて作った一閑張り!

僕も夢をあつめるようになったきっかけは…友達と会いに行った、有志イベントの発起人との出逢いでした。
きっかけが友人で、また今では友人がやっていないというのも、僕も同じです。

早露さんの作品でないものは、和のテイストがつよく見えます。

Q2.
「露works」の作品は和服はもちろん、洋の服でも似合っていて素敵です。
オーダーなどの要望に応えることはあると思うけど、デザインの着想はどこから来ることが多いですか? また伝統的な型/パターンなどあれば教えてください。

そうだったんですね、同じですね!
その友人には、一閑張りと繋げてもらえた事を今でも感謝しています。

本来の一閑張りは和紙や古布を使い柿渋で仕上げた和のテイストが強いもので、私のみたいにカラフルで洋風な物がイレギュラーなのです😂

A2.
オーダーの場合はまずはお客様の要望をお聞きします。 大体はメイン生地以外はお任せしますと言われる事が多いので、メインに合いそうな組み合わせを何パターンか提案して選んでいただきます。

デザインの着想は。。。
あまり無いと言いますか、綺麗な生地や可愛い生地を見つけたら他の生地とどう合わせたら可愛いかな?とワクワクしますね。
自分では普通だと思ってたんですが、色柄の組み合わせが独特で面白いのだそうです。

伝統的な型/パターン。。。
日本の伝統的な紋様と華やかな花柄など合わせるのが好きです。 麻の葉柄や青海波などですね。あとは和洋ミックスな感じとか。

和服にも洋服にもピッタリハマります❣️

組み合わせが得意なんですね。

どの分野でも「型」があると思います。
それらにとらわれない発想が、次の時代を築いていくのだと感じます(Ex.日本酒をワイングラスで飲むとか)。

Q3.
子供時代はそうゆう(色の組み合わせや端切れ集め⁈/それにちかい行為や遊び(Ex.色ぬり))のが好きだった?
またどういったことがベースになったと思いますか?

なるほど、「型」にはまらない発想ですね。
私の場合最初に習った時に綺麗な生地を使ったので、先生がそれを活かすように黒ずんでくる柿渋ではなく防水ニスで仕上げても良いのよ、と教わりました。
今やってる事はそこからあまり変わってないんです。
最初から一般的な一閑張りで無いのはわかってましたが、普通の和風の一閑張りにはあまり興味が無かったのでそのまま来ました。
習ったのはこの一回きりで、あとは自己流でここまで来ましたが「正解」が何なのかはいまだにわかりません。

A3.
子供時代は、お絵かきは好きな方でしたがあまり今に繋がるような事はしてないと思います。
野生児で、暗くなるまで外で遊んでました。
ベースで考えられるのは。。。
高校卒業する時に知り合いに手のひらサイズのカエルのぬいぐるみを貰って大事にしてたんですけど、縫い代が少なくて脇の生地が裂けて中の蕎麦殻が出てきてしまって…。
自分で作ろう!と作り始めたら楽しくて、裏と表と全く違う色柄の生地でコントラストを出すのにハマっていったからでしょうか。
そこで色柄で遊ぶ、という事に楽しみを見出したと思います。

水晶がパンパンに詰まったかえるちゃん

先生は早露さんのセンスや特性を見抜いていたのかもしれませんね、すてきな先生です。

そうなんですね
僕もここ最近書き物が増えてきましたが、少し前や学生時代(その前)を振り返っても、片鱗すらありません。

Q4.
“水晶入りのかえるのぬいぐるみ”もつくられるようですが、高校時代のこのエピソードがきっかけですか?
また水晶を入れてアレンジされるようになった経緯を教えてください。

「楽しみ」って、どこで出逢うかわかりませんよね。
若い人の中には「楽しいがわからない」という声もあります。 早露さんの「楽しい」の見つけ方などあれば聞かせてください。

先生とは教えていただいてからお会いする機会はありませんでしたが、とても感謝しています。
あれから丁度10年、今回のお話しは改めて振り返る良い機会になっています。

A4.
かえるのぬいぐるみは、その時のエピソードがきっかけです。
お手玉みたいな感じをイメージして小豆を入れたかったのですが、 その時はあまりお金も無かったので小豆より安いポップコーンの素(乾燥とうもろこし)を入れてました。
なんとなく作り続けていて、お友達に配ったりしていました。

十数年前にちょっとずつ販売もするようになり、12年ほど前に知り合いの方から水晶のさざれ石を入れてみたら良いんじゃない?と言われて、作ってみたら重さがしっかり手に馴染んで良い感じでそれ以来水晶入りとなりました。

確かに「楽しみ」はどこで出逢うかわかりませんね。
私の場合は「なんか面白そう」という気持ちに従って動いたら、いつのまにか「楽しい」が増えていた感じですね。
あれー?とかしまった!と思うこともありますが😂
もちろん物を作って売るという事は「楽しい」ばかりでは無いですが、そこも含めて楽しんでます。

基本的に物を作るのが好きなので、モノヅクリ系ワークショップには目がないです😆
最近は一閑張り作成が忙しくて中々行けませんが、先日久々に足袋作りワークショップに参加出来ました。

ポップコーンの素を入れるのは名案ですね。小豆といい食材が身近で、ちょうどいい重さなんでしょうね。

そして、水晶と出会う。
僕も持ったときの重量感や、触れたときの質感は気になるほうです。少し手にかかるような名刺とか

少し前までは「経験しないとわからない」時代でした。 でもさまざまな情報が一斉に共有されはじめ、私たちはたくさんの前提(知識)を持つようになりました。
もちろんその恩恵は絶大ですが、「経験しなくてもわかる(わかったような/経験したような錯覚)」気になってしまっているのかもしれません。

そうすると「やってみる」という行動がへり、経験・体験の中でみつかる「感情(Ex.楽しい)」と出会うきっかけも減ってしまうかもしれませんね。

Q5.
「露works」ではワークショップも開催されるんですか?

やっぱり、実際手に取って「感じる」という行為は大事な気がします。
店頭販売がどんどん売上的に厳しくなっているのでネットで売れば?と良く言われるんですが、中々気が進まないのはそのせいもあるかもしれません。
web関係が苦手という事もありますが。。。

今は手元のスマホでどんな情報も瞬時に手に出来てしまうので、何でも知っているような気になってしまいますよね。
便利な世の中になったとは思いますが、「実体験」に勝るものは無いと思います。
体感と感情の動きは、やってみてこそですね。

A5.
露worksでワークショップはやった事は無いです。
私が人に教えるのが苦手なので。。。
時間と手間のかかるものなので、短時間のワークショップに落とし込むのが難しかったりします。

小さなざるなどでワークショップしてる方とかはいらっしゃいますが、私がバッグ以外あまり作成した事が無いのでピンと来なくて。

作成風景

これからのつながりで、web好きさんと(自分の好きを発揮して)組んで、それぞれを活かせたらいいですね。

(ワークショップ)そうなんですね 「教える」というより、早露さんの「楽しんでるに触れる」のは面白そうと。やってる雰囲気にふれる機会あればなと

今自分の制作の“プロセスを見せる”ことに需要あるのかなと思ったり。他のアーティストさんたちも
面白くも難しいものですね。

Q6.
「露works」のバッグの写真をアップされてる方は、皆顔の横にバッグをあげ撮っていると思いますが、あれは公式のポーズですか?

ネット販売、気が進まないけど時代の流れとして始めようとは思ってます。

ワークショップ、そういう観点は無かったですね。
「教える」というと構えちゃいますけど、一緒に楽しめたら良いかもですね。
制作のプロセス、人のを見るのは楽しいけど自分のを見せるのは恥ずかしいと思ったり。。。

A6.
あれが露works公式ポーズと言われています😂
私が2019年にパリで3人展をした時に、モデルさんにバッグを持って撮っていただける機会がありました。
その時にモデルさんが取った印象的なポーズを、facebookの露worksページの写真に使ったりDMに使ったりしました。
そしたら何人かの友達があのポーズを真似したいとポーズしてくれて。
それをSNSにアップしていたら、私も私も!という方が増えて、いつの間にか公式ポーズと言ってもらえるようになりました❣️
基本的に意図は無く、モデルさんのポーズがカッコ良かったからでしょうか。

パリ3人展“NADESHIKO”

(ワークショップの前の前的な位置付けで)情報交換的なお茶会などあると(創作はなしで)、早露さんはじめリラックスしてできるかもしれませんね。

パリで3人展⁈かっこいい♡
この写真みました、素敵ですよね。構図も好きです、いつか僕も持って撮りたいです。

最後の質問です。

Q7.
早露さん、あなたの夢はなんですか?

情報交換的なお茶会、良いですね!
バッグを愛用してくれてるお友達が、今度バッグ愛用者とランチ&公式ポーズを撮る会をしよう❣️ と意気込んでくれてます😍 その辺から始められたら良いかもです。

パリで3人展、中々厳しい結果で終わりましたがとても良い経験ができました❣️
ただ成果という成果は残せなかったので、あまり積極的に「パリ展示会」を経歴としてアピールする事は無かったのですが、周りがみんな「それでもパリで展示会したのは事実だからもっとアピールしなよ!」と言われてます😭

いつか冬馬さんと香さんにも公式ポーズ決めて貰えたら、嬉しいです❣️

A7.
私の夢。。。
何でしょうか。
特に夢という夢は無いのですが。。。

今はやっぱりモノを作ることが好きなので、いつまでも自分の好きなモノを好きなように作り続けて好きなことをして豊かに暮らして、最期は笑いながら「あー楽しかった❣️」と言って死にたいなと。 

早露さん、素敵なお話ありがとうございました。

「露works」のInstagramでは、さまざまな可愛いバックが見れます。あなたのお気に入りの一着に合わせてみては⁈ぜひご覧ください。


露works公式ポーズ

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アナタの軌跡が
ナニカの道を照らす

そこで生まれる感情が
あたらしいyumeとなる

『KTR -mirror-』

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