アグレッシブコミュニケーター診断と10の改善方法
アグレッシブコミュニケーターは、状況に応じて異なる目的を持っていることがあります。
その中には、
・会話のコントロール
・自己主張
・自分の話題に従わせる
・自己表現
・利益の死守
などがありますが、
コミュニケーションスタイルとしては相手を不快にさせたり、傷つけたりすることがあるので、逆効果の場合があります。
アグレッシブコミュニケーションの影響
アグレッシブコミュニケーターは、短期的な欲求や衝動にかられることがよくあり、敵対的で威圧的なため、多くの人は反論したり拒絶する労力よりも簡単な、「従う」という選択をします。
「従う」という選択の真意は、「彼らのコミュニケーションに対処するのがめんどくさい」という思考からの反応です。
また、アグレッシブコミュニケーションが長期的に使用されると、人間関係に摩擦と対立を引き起こすなどの悪影響が出るため、アグレッシブコミュニケーションで問題を解決することは困難です。
つまり、アグレッシブコミュニケーターでいる以上、人間関係や信頼の低下はさけることができないと考えることができます。
アグレッシブコミュニケーションの利点と錯覚
アグレッシブコミュニケーターは、パワープレイにより、迅速に目標を達成することが多いため、人間関係において対立的・敵対的なアプローチが生産的であると錯覚しているかもしれません。
彼らはアグレッシブコミュニケーションは強力なスキルであり、実際に効果的に相手をコントロールできていて、周りからは強い人に見えており、尊敬されているとさえ思っています。
アグレッシブコミュニケーションが真価を発揮するのは緊急時ぐらいですが、緊急時にはほとんどコミュニケーションは発生しないものです。
メンタルヘルスとアグレッシブコミュニケーションの関連性
アグレッシブコミュニケーションはメンタルヘルスの懸念材料でもあります。
境界性パーソナリティ障害(BPD)
自己愛性パーソナリティ障害(NPD)
の人は、アグレッシブコミュニケーションに頼ることなく自己を主張するのが難しいかもしれません。
不安障害
うつ症状
双極性障害
の人は、感情のコントロールが困難なので、アグレッシブコミュニケーションにつながる可能性があります。
メンタルヘルスに問題のある人がアグレッシブコミュニケーションを多用する理由は、自己防衛や防御反応のためです。
自分のコミュニケーションがアグレッシブコミュニケーションであり、人間関係や生活の質に悪影響を及ぼしていることが分かった場合、専門家などからのサポートを受けることにより、より健全で効果的なコミュニケーションスタイルを開発できる可能性があります。
アグレッシブコミュニケーションに関連するメンタルヘルス症状
不安障害
不安により自分のニーズが満たされず、欲求不満や怒りを生み出す可能性があり、その不安はしばしばアグレッシブコミュニケーションにつながる可能性があります。
心的外傷後ストレス障害(PTSD)
トラウマ記憶によるストレス、不安、怒りなどにより、過去の記憶と現在や未来の調和が困難となり、断絶や不安からアグレッシブコミュニケーションにつながる可能性があります。
適応障害
ストレスの多いライフイベントや大きな変化は、変化に適応に苦労し、否定的な感情や、欲求不満、不安、怒りなどがアグレッシブコミュニケーションとして現れる可能性があります。
物質(薬物を含む)使用障害
中毒症状を持つ人は、人格の変化、衝動、過敏性などからアグレッシブコミュニケーションにつながる可能性があります。
ナルシシズム(ナルシズム)
・誇張された自尊心、自己評価
共感性の欠如により、会話の支配、他者の意見の軽視などにつながる
・自己陶酔の傾向がある場合
期待や欲求が満たされない不満、不安からアグレッシブコミュニケーションになりやすい
・批判やフィードバック
自己防衛、敵対的になる傾向がある
自分がアグレッシブコミュニケーターかを見分ける方法
自分がアグレッシブコミュニケーターであるかを判断するのは難しいですが、自己認識は変化するための第一歩です。
それには、アグレッシブコミュニケーターの特徴を知る必要があります。
アグレッシブコミュニケーターの特徴には、大声、非難、皮肉、批判、悪口などの言語的な攻撃性と、アイロール(軽蔑の眼差し)、ハフ(強く息を吐く)、しかめっ面、いきなり手で触れるなどの非言語的な攻撃性があります。
自分がアグレッシブコミュニケーターかを見分ける質問(平和的なコミュニケーターは、YESがほぼありません)
・他者との議論や対立が多い
・コミュニケーションスタイルによって、他者が不快・脅されているように見える
・会話中、相手が話を終える前に話し出すことがある
・何かを主張する時、少しでも個人攻撃や批判をする
・「怒ってる?」「攻撃的」「強い」などと言われることがある
・友人や恋人を疎外(嫌ったり、突き放す)することがある
アグレッシブコミュニケーターの特定方法
アグレッシブコミュニケーターを特定する最善の方法は、コミュニケーション行動を注意深くチェックすることです。
先述にあるアグレッシブコミュニケーションの特徴を理解した上で、彼らが他者にどのようなコミュニケーションや反応をするのか、主張をどのように伝えているか、反対意見や対立する相手に対してどのように扱うかをチェックしてみましょう。
頻繁に攻撃性や敵意を示す場合、アグレッシブコミュニケーターとして分類できる可能性があるでしょう。
アグレッシブコミュニケーターとコミュニケーションをとる方法
アグレッシブコミュニケーターとコミュニケーションをとるためには、いくつかの課題があります。
まずはおさらいとして、アグレッシブコミュニケーターは、自分の主張を友好的に伝えることが困難で、人間関係に混乱を起こしたり、会話を妨げる可能性があります。
彼らの声の大きさやボディランゲージは、人を不安にさせ、思考を遮断するため、自分の思考を明確に維持することが難しくなることがあります。また、感情的、肉体的な暴力にエスカレートする恐れもあります。
アグレッシブコミュニケーターとのやり取りは難しいかもしれませんが、総体的なポイントは落ち着いて会話に集中することです。
アグレッシブコミュニケーターとコミュニケーションをとるためのヒント
目標設定
達成したい目的や目標を設定します。設定することにより、相手の妨害や会話の脱線を避け、目標の軌道に修正することができるでしょう。
情報の準備
コミュニケーションの目標に応じた関連情報や、相手にどのように伝えるのかなどの概要をあらかじめ作成しておきましょう。
アクティブリスニング
相手のメッセージに積極的に耳を傾け、視点や目線を理解し、共通点を見つけてみましょう。
闘争・敵対を避ける
自分にも他者にも、侮辱や批判などを使ったコミュニケーションを回避することで、生産的なやり取りが維持されます。もしも闘争・敵対的な状況になったら、休憩を入れると良いでしょう。
落ち着く
アグレッシブコミュニケーターはストレスを感じると敵対的になる可能性があるので、落ち着いて前向きな姿勢を保ち、オープンで謙虚なアプローチが重要です。
境界の設定
コミュニケーションについての明確な境界を設定しましょう。相手に敬意と建設的な対話をすることを伝え、個人攻撃や無礼なコミュニケーションにはどのように対処するかも断定しましょう。
コミュニケーションスタイルを変える
アグレッシブコミュニケーションは長期的に見て、人間関係に良くないことは自明でしょう。
様々なコミュニケーションスタイルのうち、「アサーティブコミュニケーション」は、感情的でありながら、自分の主張を効果的に伝えることを可能にするコミュニケーションスタイルです。(アサーティブコミュニケーションについてはこれから記事にする予定です)
スタイルを攻撃的から自己主張的に移行することで、これまでの人間関係を修復し、より健全な人々とのつながりを育むことができるのです。
これはアグレッシブコミュニケーターだけに限ったことではありませんが、コミュニケーションスキルやスタイルの開発に取り組むためにはストレスの管理やトレーニングが必要です。
百歩譲って、自分自身でストレス管理はできたとしても、コミュニケーションのトレーニングは、友人や、知らない人を対象におこなうのはリスキーですので、サポート、セラピー、カウンセリングなどを利用すると良いでしょう。
アグレッシブコミュニケーションを改善するための10のヒント
1.トリガーを特定する
アグレッシブコミュニケーションにつながる特定のトリガーや状況を特定する
2.自己認識をする
声のトーン、ボディランゲージ、言葉選びに注意しましょう。
人を指差す動作は攻撃的なジェスチャーなので失礼となります。もしも、無意識に指を差しているようなら、コミュニケーションの時は手を開いたままにしておきましょう。
3.呼吸法(ブレスワーク)
呼吸法(ブレスワーク)が習慣化すると、普段からリラックスしやすくなります。リラックスはアグレッシブコミュニケーションを抑制し、自己コントロールを向上させるでしょう。
4.「私は○○」を使用する
他人のことを非難するのではなく、現在の自分はどのように感じているのかを伝えるようにしましょう。
5.問題に焦点を当てる
4.に共通しますが、他者を攻撃するのではなく、行動や状況に対して議論をするようにしましょう。
6.アクティブリスニング
他者の話題や視点に好奇心を持ち、心を開いて相手の意見の相違に、敵対心や対抗心を向けないよう注意しましょう。
7.謝罪をする
万が一、コミュニケーションが攻撃的になってしまったら、すぐに心から謝罪しましょう。あまり繰り返す行為ではありませんので、まずは攻撃的にならないように気をつけることです。
8.ユーモア
ユーモアは緊張を和らげる効果がありますので、ユーモアを研究するのも良いかもしれません。自分の隠れた才能が発揮する可能性もあります。
9.サポートを求める
アンガーマネジメントセラピーを学ぶことができる、専門家にサポートを求めることを検討しましょう。アンガーマネジメントは、怒りや欲求不満などに苦しむ人にとても効果的です。
10.コミュニケーションスキル
共感力(エンパシー)、アクティブリスニング、相手への尊敬などのコミュニケーションスキルをトレーニングしましょう。できれば専門的なフィードバックができる人と一緒におこなうと良いでしょう。
アサーティブコミュニケーションとアンガーマネジメントセラピーについては、次回以降に詳しくお伝えしますので、お楽しみに…