個展「君が見たもの」備忘録
・展示内容
個人の視点を共有するというコンセプト。
「君」という個人が、終点の街〔人生、あるいは一つの旅〕のその先で見た景色を展示した。
この展示は2021年に制作した「終点の街」から始まる。これを制作した頃、私はとにかく外に出なければと思っていた。今いる場所から距離を取って、人のいない場所に行かなければと感じていた。
東京にはコロナ禍で居場所を失った人が溢れていた。そんな街を歩きながら、自分の為の場所を見つけようと思った。
・期間
2023年8月29日〜9月3日
・場所
仙台アーティストランプレイスSARP スペースB(9000mm×6000mm)
・値段
1500円〜600000円
・売り上げ
買い上げ4点
内訳
ドローイング2点 into 1500円
人人 2000円
タブロー 2点 嵐を見る 10000円
花束 10000円
小計23500円
内、ドローイング「人人」のみ後日支払いのためここでは計算から外す。
合計21500円
売り上げの20%を管理、運営費としてSARPへ支払うので、SARPでの売り上げは17200円。
最終売り上げ
17200+2000=19200円。 売り上げ19200円
・経費
会場代 39000円
交通費 16680円
搬出アルバイト代〔片道交通費含む〕 6000円
DM印刷代 2499円
名刺印刷代 1660円
ポートフォリオ印刷代 1600円
他資料印刷代 80円
雑費(作品運搬用カート、梱包材、展示用備品) 11191円
合計78710円
赤字 59510円
・配置とライティングについて
ライティングは初めてだったので、まずは作品が綺麗に見えるように均等に当てた。(鑑賞者の方にライトが多すぎる気がするけど…と言われた。勉強したい。)
配置もかなり硬めに揃えたので、フラットな印象の展示室になった。
もっとライティングや配置に緩急を付けても良かったなと思う。
50合の横に0号とドローイングがある壁が1番良かった。
画面の大きさが均等な向かい側の壁は動きがない感じがする。
2日目に配置を変えた壁
真ん中がきゅっと絞られて良い。
ライティングで拘ったのは入り口の「終点の街」だ。裏側に影が欲しかった。
この作品は河口や海といった水場、最終終着点のイメージが強かったため影が必要だった。(湿り気)
この作品の近くに小さいドローイングを配置したけど、これは邪魔だったかもしれない。場所的に見づらいので、「終点の街」と別物として見えるように設置しても良かった。特に入口のこの展示は重要な箇所だったため、孤立させても良かったように思う。
・お金に関して
①今回はドローイングをかなり安くしていた。来場者は主に芸工大生か近所の人だろうし、ネット販売の値段に揃えた。
ただタブロー作品とならぶと、どうしても安すぎるように見える。
額もつけていたから、プラス1000円くらいしても良かったかもしれない。
②2000円〜10000円の商品が少なく、コレクターまではいかないが作品を飾りたい人が買うものがなかった。逆にF0号の10000円の作品は全て売れた。
また、タブローのF3〜F10の作品が売れなかったことが問題。
なぜか?
今回展示した作品の質が揃っていなかったのではないか。
制作技法を模索中にうまくいった作品が多かった。
これでは「次の作品も気になる」的な、作家への期待を起こしにくい。
次の展示ではもっと安定した技術を見せられるように技法に関して訓練する。
③次の展示の価格設定
・作品を頻繁に買うコレクターやアートが好きな人向け→20000円〜100000円
(この人たちには杜鞠という作家の次の展開まで期待させる作品を見せること)
・好きな作品をたまに買うアートが好きな人向け→8000円〜30000円
(この人たちには杜鞠の安定した技術、世界観を見せること)
・学生向け→2000円〜5000円
(初めて作品を買う人が多いだろうから、ワクワク感と手に入れられる特別感を演出すること。また買えることを伝えることも大事。)
を加味する。その上で作品にかかった時間、また作家的作品の立ち位置を考慮し価格設定を行う。
・動員数
合計62人
・お客さんの傾向
芸工大生、高校生、その他学生、近隣の方、作家、コレクター
←最多・最少→
芸工大生以外のほとんどがSARPによく来る人だった。
SNSを見てきた人はほぼいなかったが、活動を伝える手段としては有効。
今回の展示からSNSをフォローしてくれた人も多い。
・人にお願いすること
今回は初めて人を雇った。搬入の時は友人が交通費+飯で請け負ってくれて、搬出は交通費+バイト代で引き受けてくれる人を探した。
人に仕事を割り振るのって結構難しい。
適材適所があるし、今回のような力仕事の場合は筋力のある人にお願いする方が良かったかもしれない。(しかし搬入出は家を知られるので頼める人が限られてしまう。これは防犯上譲れない。)
今回の展示で1番擦り減ったの、割とここだった。色々問題が起きて本当に疲れた。出来れば自分1人でも大丈夫になりたいけど、それは展示の幅を狭める。だから次はもっと報酬上げて家以外で集合にして、ビジネスライクな関係の中やろう。
今後
・大学に在籍している間はもっといろんな技法を試したい
・まずは1つの展示に2つ以上の技法を盛り込まない
・質を揃える
・手軽に買えるミニ画集を作り、受注販売で売る。
これらを満たすにはやはり技術力の向上が必須だ。
画面を複雑にする場合は何かしらのリズムを盛り込む
展示会場にも作品にも対比を作る
色が冴える工夫、今は不透明色に透明色を重ねるようにしているが、それでいいのか?そうでないところも欲しい。
不透明色に透明色は堅牢な透明感〔冬っぽい〕が出る。静謐な感じ。
地に透明色は水分を感じる。日本の夏。
不透明色のみは暖房の効きすぎた部屋みたいであまり好きじゃない。
この展示で自分で思うより色へのこだわりが強いことがわかった。
ここをもっと伸ばしたい。
今度、色から広がるイメージをわざと作ってみようと思う。
あと自分は隙間があるとうめたくなるから、絶対に埋められない条件のもと制作してみようと思う。(ドローイングと同じように制約を作る)
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