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【超短編3連発】SHORTS(1)


冷やしうどん

カップうどんができるまで少々。寒いのが嫌だから、炬燵に入って待った。
暖かくて気持ちよい環境の中で、そして次第に眠りの世界に誘われていたようだ。
気づけば、空はすっかり暗くなってしまい、うどんはすっかり冷めていた。

季節外れの冷やしうどんを炬燵ですする。これはまずい。

(131文字)

時間停止

今日もだらだらと時が過ぎていく。
まったく飽き飽きする。
指パッチンで遊んでみることにした。パチパチ鳴らしていると、妙にシンとしたような気がした。
戸惑っていると、時計が動いていないことに気づいた。

時間が戸まd...止まった。
何をしようか迷ってるうちに、時間がまた流れ出した。

(135文字)

新作

その小説家は、ネタが出ずに悩んでいた。「こんな状況でよく小説のネタを出せるな」と隣の友人は冷ややかに呟き、「怒られてるんだよ」と言わんばかりに友人が肘をツンツンしてくる。
 けれども彼は後日、実際にこの叱責を作品へと昇華させた。
 大ヒットした。「現代人に喝を入れてくれる傑作」として。

(139文字)



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