突然ショートショート「Go to heavn by lost item」
「みんなで一緒に、遊ぼう!」朝のビル街で若い少女に誘われた。
こんな所に少女なんているの……?と一瞬不審に思うが、今日は土曜日。きっと学校が休みなのだろう。
ビルの中には8人の男がいた。年齢はバラバラだ。私もその一人に加わった。
「さあ、遊ぼう!『忘れ物探しゲーム』だよ」
それは、彼女がこの部屋に忘れたという絵葉書を見つけるというもの。
「見つからなかった人は、私が天国に送ってあげる」
絵葉書は、間違い探しが趣味だという男によって発見された。
私たち7人の天国行きが決まった。
天国行きの当日、私たちは廃工場に集められた。
いよいよ年貢の納め時かと思った時、工場内にバスがやってきた。
中からはあの少女。
「さあ、乗って!」私たちもバスに乗り込んだ。
暫く走った後、バスはスーパー銭湯らしき建物で停まった。
ドアが開く。全員が降りる。
「ようこそ、『スパリゾート・天国の湯』へ!私は総支配人の一人娘なの。あなたたちは記念すべき第一号から七号入場者!思う存分楽しんでね!」
どうやら本当の天国ではなかったようで、全員は胸を撫で下ろす思いをした。
ちなみに私は第四号入場者だ。
私たちは天国を思う存分楽しみ、送迎バスで天国でなく、近くの駅まで送ってもらった。大満足の思いをした。
後日、テレビニュースを見た私は仰天した。
交通事故で死んだ男の顔写真が、あの日絵葉書を見つけた男そっくりだったのだ。
私はこれをよくできた偶然だと信じている。
そうでもなけりゃ、恐怖からの寒気で凍死してしまいそうだからだ。
(了)(630文字)
あとがき
我ながら、しょーもない作品ができました(何ということを言いよる
某私鉄に忘れ物をして、某焼肉の名所の忘れ物センターに取りに帰った後に仕上げた作品です。
網棚は悪魔(気づかないジブンの神経もな)。
忘れ物が出てくるのはそのため。
(忘れ物と間違い探しの因果関係も気になりますが)忘れ物を探すバトルロワイアル、次はもっと深く書きたい所です。