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突然ショートショート「据え膳の猫ビーム」/毎週ショートショートnote
予定していたバイトが突然休みになってしまった。店の鍵を持っている店長が無断欠勤したからだという。
暇ができると、私は決まって家の近くのジムに行き、日頃から体を鍛える。
私は魔法少女をしている。といっても、年齢21歳、格好は黒のタイツにゴツゴツしたアーマー、顔を覆うバイザー。まるで特撮のヒーローみたいな姿だから、とても信じる人などいない。
さて、ジムで体を動かしていると、突然魔物の気配を感じた。
現場へ急ぐと、そこにはお膳の上に鎮座する巨大な猫の像と、店長の姿。
据え膳だ。余りに用意がいい。
ならばこちらも、と私はベルトを身につけ変身する。
すぐさま、猫の目から強烈なビームが放たれる。
それに対し、腕をクロスさせてバリアを放ち対抗する。
用意がいいから、これは長期戦になりそう─そう覚悟していると、私の放った高速移動からのパンチで、猫はあっさりやられてしまった。
歯ごたえのない敵だった。それと同時に、第一印象などあてにならないんだな、と感じた。
(完)(416文字)