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AIと音楽①―いきもの水野良樹さん【インスタde思考実験 vol.1】

先日、バイト終わりにTwitterを見ていると、いきものがかりのリーダーの水野さんが、「火曜の夜に突然に。質問くださいの記事です。」なるものをされていた。

水野さんは、本当に鋭く、深く、それでいて優しい、音楽観、社会観、哲学をお持ちだ。
そんな水野さんに、僕はこんなことを伺ってみた。

Question
今後来るであろう、AIが作詞作曲し、歌う世界。その中で、水野さんは、音楽の持つ意味は変わると思われますか?

最近、近未来SF、ディストピア系のアニメや小説を読んでいたこともあり、AIと、それがもたらす人間への影響が、自分の中でホットだった。

質問を送ってから約7分。なんと水野さんが回答してくださった!!

Answer
”意味”をどの視点で置いて考えるかによるかと思いますが、”変わる”というより楽しみ方、つくり方が”拡張していく”ように思います。音楽はかなり数学的な要素が強い分野だと思うので、AIにとっては非常に可能性が広い分野だと思います。人間がもつ固定的でない(=動的な)”偏り”が、どれほど再現できるのかがAIと人間との分かれ目になるかと思います。人間というインターフェイスは、あまりに膨大な量の情報の集積によって、常に”自己”というものを動的なままに維持しているので、それを少なくとも論理的な計算のもとに存在するAIでどこまで再現できるのかなと。

めちゃくちゃ興味深い!水野さん、本当にありがとうございます!!

”偏り”は実に本質的な人間のキーワードだと思う。「えこひいき」とも、「差別」とも言い換えられるだろう。

僕はこんな返事をした。

Reply
音楽の「美しさ」に繋がる問題だと感じました。すべてがプログラムされて整った、ある意味で「完璧」なものを美しいと感じるのか。それとも、偏っていて揺らぎのある、不安定なものこそ美しいと感じるのか。
完璧にプログラムされたものであるAIが、人間的な揺らぎを表現したとして、それは美しさとして捉えられるのでしょうかね…

水野さんにこのコメントは届いたかな…

水野さんの「人間の”偏り”」という言葉を聞いて、僕は「揺らぎ」という言葉が頭に浮かんだ。AIのようにプログラムされていない、非合理的な人間の在り方。偏っていて、不安定で、不確実なもの。
それこそが動的に均衡を保ち続ける人間の本質なのだろうなと。

それでも人間は、公平で、安定していて、確実なものを求める。町の小さな定食屋よりもマクドナルドが広まるのはそういうことだろう。
「公平、安定、確実」を進めた先に、AIがある。

果たして人間は何に美しさを感じるのだろう?
公平・安定・確実といった静的均衡の中に、人間は美しさを見出すのだろうか?
つまり、非人間的なものを自分の世界に取り入れるとき、人間はどう反応するのだろう?

そこから、頭がぐるぐると動き出す。夜11時前。もう眠れない。

そこで、せっかくならもっといろんな人の考えを知りたいなあと。

〝インスタのストーリーでみんなに聞いてみよう!〟

「インスタde思考実験」とでも呼んでおこう。思い付きで始めたこの企画、思っていたより多くの人が思いを伝えてくれた。ありがとう。

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次の記事から、みなさんからいただいた思いに対して、僕なりに思ったことを言葉にしていこうと思う。

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続く。

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