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秋の味覚 松茸狩り

オレゴン州のフッド山(Mt. Hood)の麓に松茸狩りに行った。現地滞在歴20年、松茸狩り歴5年の友人(以下、キノコ識者)に頼み込んで、連れて行って貰うことになった。

準備

具体的な場所の明言は避けるが、Mt. Hood National Forestという所である。この森でキノコ狩りなどのレクリエーションをするには、$5のデイ
パスを買うか、$30の年パスを買う必要があるため、道中にあったFred Meyerというスーパーマーケットに寄って、デイパスを購入した。

https://www.fs.usda.gov/main/mthood/passes-permits/recreation

日本の場合は国有地であっても、無許可で採集を行えば森林窃盗罪というものに該当することがあるらしい。私有地の場合はもちろん持ち主の許可を得る必要がある。

アメリカの場合、場所によってルールが違うので一概には言えないが、ここオレゴン州のMt. Hood National Forestは、個人利用の場合は一日ひとり1 ガロン(1ガロン=約4.5リットル)までキノコを採ってもよい。年間ではひとり10ガロンまで。(販売用に採る場合は別の許可と手数料が必要。)ただ、レンジャーが常駐している訳でもなく、どうやって管理しているか不明である。


舗装されていない道

この様な道を躊躇なくグングン進む。

到着したポイント

連れてこられた場所がここ。ひとりだったら絶対に辿り着けない。玄人的にはここは平坦で歩きやすいらしい。ただし、平坦だと方向がよくわからなくなって、どちらから来たかを把握しておく必要があるらしい。(斜面だと、上り下りの具合で、何となく方向がわかる、とか。)

そこで、迷ったときのために、Gaia GPSというアプリをインストールして起動しておくことを勧められた。初期位置を記録しておいて、GPSで歩いたルートと現在地を示してくれるアプリだ。スマホを持っている大人全員がこれを起動しつつ、はぐれないように行動すれば迷って帰れなくなることはまずないだろう。

ふと、スマホが圏外でもGPSって使えるんだ、と疑問に思ったが、スマホの通信用電波は近くの基地局から、GPSの電波は人工衛星から発信されるものなので、全然違うモノだった。

あと、歩く時の注意点として、キノコ探しに夢中で下ばかり見て歩いていると、飛び出している木の枝で顔を突かれる。あるあるである。

装備品・所持品として、

  • 手袋

  • 丈夫な靴(防水が良い)

  • 暖かい服、帽子

  • キノコを入れる袋

  • 軽食

などがあると良い。

捜索

歩き始めて数分、早速キノコ識者が松茸を発見する。

埋もれた松茸

北米の松茸は日本のモノよりも白っぽいので、見つけやすいらしい。採取するときは、軸の周りを手で掘って、やさしく揺らしているとポロっと取れる。


松茸はどこ?

上の画像内にも松茸が存在するが、わかるだろうか。正直僕にはわからない。キノコ識者には見えるらしい。

ここ


1時間半ほどの捜索の結果、結構な量の松茸をゲットできた。

10本くらい?

キノコ識者の家庭は、松茸にそれほどレア感がなくなってしまったらしく、普段は椎茸と同程度のキノコとして扱っているらしい。採った松茸は全て我が家にくれることになった。有難い限りである。(椎茸をバカにする意図は全くない。椎茸も好き。)
北米産の松茸は、日本の松茸に比べて香りが劣ると言われているが、日本の松茸を食べた記憶がないので、非常に美味しく食すことができた。普段キノコ類に興味を示さない子供たちも奪い合うようにモリモリ食べていたので、実際に美味しいのだと思う。


ついでじゃないが、松茸以外にシャンテレールという種も沢山ゲットできた。アメリカ人にとっては馴染みのキノコで、この時期になるとスーパーマーケットに並ぶし、コストコでも買える。パスタやリゾットにして食べると美味しいらしい。

シャンテレール(和名:アンズタケ)


キノコをどうやって見分けるのか問題があるが、基本的には見た目と匂いに頼ることになる。松茸は日本人なら知っているあの独特の香りがあるし、シャンテレールはカサの裏の模様と、アンズっぽい甘い香りが判断基準になる。

松茸に似た形状のキノコで、デスキャップと呼ばれるモノがある。見た目は似ているが無臭なので、松茸だと思って手に取っても、香りが無ければ食べない方が良い。

肝臓腎臓を破壊する致命的な猛毒種として知られる。全世界のキノコ中毒による死者の9割が本種によるものといわれるほど、各地の分布域では恐れられている種である。

Wikipediaより
デスキャップと呼ばれるキノコ(和名:タマゴテングタケ) Wikipediaより

恐ろしいキノコも生息しているので、確信が持てないキノコは食べないのが正着である。

総括

コスパ的には全然大したことなく、僕の家から目的地までの交通費(宿泊費+ガソリン代)で$200以上かかっている。単純に松茸が食べたいなら、買った方が確実に安い。それを承知のうえで、楽しかったし、また行きたいと思う。
自然の中でのハイキング的な要素もあって、1時間半ほど山中を歩き回っていた割には、疲労困憊とはならず、気持ちの良い疲れ方で、心身ともにリフレッシュできた。キノコ識者が言っていたことだが、マイナスイオン(英語ではNegative Air Ionsという)効果でキノコ狩りに行った日は良く眠れるらしい。僕も良く眠れた。長距離運転の疲れで眠かっただけという説もある。

なかなか体験する機会はないかもしれないが、もし機会があれば是非ともチャレンジして頂きたい。

キノコ狩りは有識者と一緒に、安全第一でお願いします。



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