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「給料」の考え方を変えてみる
はじめに
会社員としての副業は、自営業や独立起業している人と同じ土俵で競争することを意味します。会社からの安定した給料に甘えていては、本気で生計を立てている自営業者や独立起業家に勝つことはできません。会社員が「時間があるときだけ」という姿勢で副業に取り組んでも、このような本気度の差は明らかになります。
自身もこれまで副業としていろいろな案件に提案をしてきましたが、案件をとれないことが多く、この本気度の差を痛感しているところです。
給料を「売上」と捉える視点
会社員は、労働の対価として給料を得ています。しかし、この給料を「売上」という観点から見直すと、新たな視点が生まれます。会社員は会社に対して、自分の時間、スキル、知識、経験という「商品」を提供し、その対価として給料を得ているのです。
会社員の給料 = 自分が生み出した価値に対する売上
この視点転換により:
スキル向上が「商品価値」の増加につながり、昇給や昇進に結びつく
新たな役割への挑戦が「商品」の幅を広げる
市場価値のあるスキル獲得が「商品」の希少性と価値を高める
と考えることができます。
副業は追加の「売上チャネル」
会社員が副業に取り組む際は、単なる「副収入」ではなく、もう一つの「売上チャネル」を構築すると考えてみたほうが良いのではと考えます。
自営業者や独立起業家と同様に、明確な価値提供と対価の獲得を意識することが大事だと思うのです。
例えば、平日は会社員として勤務しながら週末にウェブデザインの副業をしている人を考えてみましょう。単に「空いた時間に作業する」という考え方ではなく、「週末は自分のデザイン事業の営業・制作時間」と捉え、クライアントとの打ち合わせ、ポートフォリオの更新、スキルアップのための学習などを計画的に行うことで、副業の質と収益性が大きく変わってきます。
会社員が行う副業での成功には、会社員という安定基盤があるからこそできる「挑戦」と、自営業者並みの「本気度」の両方が必要です。
副業による複数の収入源構築には多くの利点があります:
リスク分散: 一つの収入源だけに依存せず、経済的安定性を高める
収入上限の突破: 会社員の給料の限界を超えた収入可能性を創出
スキルの多角化: 本業と異なるスキルセットを磨き、市場価値を向上
自己実現: 本業では活かしきれない情熱や才能を表現する機会
会社外でも通用するスキルの育成
環境の変化に対応するため、「会社外でも通用するスキル」の育成は不可欠です。これは副業を成功させる上でも重要な要素となります。
汎用性の高いスキルの例:
デジタルリテラシー(プログラミング、データ分析など)
コミュニケーション能力
問題解決能力
プロジェクト管理能力
専門知識
副業は単なる収入源ではなく、これらのスキルを実践的に磨く場なのです。
「株式会社自分」の経営者としての意識
これらの視点を統合すると、「株式会社自分」の経営者として自分のキャリアを主体的に運営するという考え方が生まれます。
会社での仕事 = 主要事業ライン
副業 = 新規事業開発
スキル習得 = 研究開発投資
この考え方により、単なる「雇われる側」から「自分のキャリアを主体的に経営する側」へと意識が変わります。
まとめ
会社員が副業で成功するには、給料を「売上」と捉え直し、副業を追加の「売上チャネル」と位置づける視点が重要ではないかと考えています。
自営業者や独立起業家と同じ本気度で取り組み、会社外でも通用するスキルを意識的に育成することで、経済的自立と安定を実現できます。
最終的には、「雇われている」という受動的な立場から、「自分のキャリアを経営している」という能動的な立場への転換が、これからの時代をゆたかに生き抜くための鍵となるのではないでしょうか。