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Sotsusei-geppou #05(最終発表前のまとめ)

さらに期間が開いて3ヶ月に一回となってしまった卒業制作の備忘録として書いてきた卒制月報ですが、いよいよ最終発表1週間前までやってきましたので10-12月にかけてやってきたことをつらつらと書いていきたいと思います。

モデルを完成させる

まず発表に必須となるモデルの制作を行いました。(一番大事)といっても原型はほとんどできていたので、サイズと細かな構造をブラッシュアップしフィラメントの色が無骨だったので楽しげな色味で出力をし直すなどが主な作業でした。仕上げはほとんど無加工にしているのは、オープンソースを前提としているので、まあ大体の人は作った後別に塗装しないよねということで未処理のままにしています。

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蓋とかもほとんどプリミティブな状態なので制作に関してあんまりいうことはないですね。

リサーチをテキストとしてまとめる

今回のプロジェクトではモノを作るという前提がある上で一つのモノ以上の価値を出すことも目標にしていました。なので前期から積み上げていた都市で暮らすことや、公共性に関する調査をテキストとして書き実制作から得た知見を加えて一つのデザインに関する考え方を発表することにしました。作ったテキストはIssuuで公開しインターネット上で誰でも読めるようにしています。知見をしっかりと集めることと、それを開示することは個人的にすごく重要にしているのでモノに直接関係しない事柄をここまで持って来れたのはとても嬉しいことでした。正直なところクオリティには全く満足できておらず、論文というには未検証な部分が多いですし、エッセイというには硬い中途半端なポジションになっていますが自分の修行という意味でとても有意義な制作でした。

このリンクから読めますのでよければどうぞ。

動画撮影などなど。

あとは細々としたプレゼンテーションのための準備物として動画を撮影したり、簡単なアニメーションを作成していました。撮影途中におじさんに話しかけられたり、バスの運転手にガン見されたりという地域活動の難しさを感じましたが特に問題なく撮影もできました。

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撮影はいつもポッドキャストを作っている3人組でやりましたが全員素人なので変な演技は求めずできるだけ単純な画にするようにしました。卒業制作での個人的なあるあるなのですが、友達とかに動画に出てもらうと映像のクオリティがガン下がりしがちなのでそこをどう抑えるかが一番苦労しました。

お金の話

前回9月の時に、

『安価にかつ、ほとんど実際の制作に近いプロトタイプが作れたので他のプロジェクト、特に商品提案をする学生よりは楽に適切なプロトタイプができました。が、この辺りの違いはテーマ設定にも課題意識にもよるので別で深めて書きたいポイントです。』

ということを書いていたのですがちょっとした理由を発見したのでメモしておきます。
僕の今回の制作では合計3万円ぐらいの金額がかかりました。大体が3Dプリンターで出力しての検証にかかった金額で、残りは木材を買ったり土を買ったりが1万円分ぐらいの感覚です。僕の提案は公共物に対して市民がどう関与できるかという問いがベースだったので、いかに多様な人が利用できるものを作れるかについて考えてきたつもりです。そうすると外観の質よりもその物が親しまれ、使うハードルを低く感じてもらえるかにどんどんウェイトが高まることになります。つまりいかにも商品らしい見た目や品質である必要性がどんどん薄まっていくのです。モノの品質やクオリティというのはある程度経済価値で測ることができます、例えば同じスペックのパソコンでもアルミの削り出しの筐体と、樹脂でできた筐体では値段が大きく違いますし、値段が高い旅客電車と通勤などに用いられる電車では見た目に求められるクオリティが全く違います。(安心してください、当たりまえのことをあえて書いてます。)

今回のようにコストが低く多くの人が使えることが価値になるものではむしろ仕上げや造形にかけるべき手間が低い必要があるので、結果的に制作にかかる費用も抑えられることになっているのではないかと気づきました。必ずしも条件として関係しているわけではないですが、もし卒業制作で過度な出費を抑えたい人がいれば、より多くの人が利用することが重要な提案を考えれば比較的安価に抑えられると思います。ちなみにですが商品提案をベースにしている人は大体実制作で2-10万程度はかかっていると聞きます。もちろんプロトタイプや検証にもそれなりの予算が必要ですが、特に最もお金がかかりやすい実制作のところで金額にかなり差が出ると思いました。

もしそういった学生が増えればデザイン学科の卒業制作がただの商品企画会ではなく社会実装を前提としたデザインの実験場としてもさらに機能していくかもしれませんので一概にお金がかからないというメリットだけでなく意味があると個人的には思っています。

さて次回は発表後の感触と展示のための什器の準備に関して2月の末にはかければなと思います。

それではまた今度。


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Hiroto Okuda
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