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Sotsusei-geppou #06(最終回)

さて、定期的という概念の形骸化した月報という怠惰の権化との付き合いもこの記事で最後になります。前回12月の時は最終発表が終わる間際だったと思いますが、今回はプレゼンを経て展示までの準備とオンライン時代に無策でリアル展示を突き抜けた弊学のなかで個人的にやってみた取り組みについても共有します。

発表の壊滅的な失敗→鬼畜な修正指示

結論から言うとプレゼンテーションは全くうまく通りませんでした。原因とか要因に関しては無限に挙げられるのですが、しんどいのでもうnoteでは掘り返さないことにしようと思います。(苦悩の様子はTwitterで)

発表をミスって何に一番困ったかというと、ここまでの期間であまり、力をかけてていないジョイントパーツのディティールについて修正指示を出されてしまったことです。元々はこういう3Dプリンターで出力したパーツの各面に2本ずつネジを止めていたのですがこれを大幅に減らせという指示が出たため1月で構造から考え直す必要が出てしまいました。

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辛くも、1/4まで減らす方法を思いついたのでよかったのですが年末は展示の準備も含めて気が気じゃなかったです、おかげで2021年の気持ちになるまでかなり時間がかかりました。

最終的なユニットの構造、互い違いにネジを止めることで本数を減らす。ユニットレンダリング

癖強めの展示什器

この時点で相当気持ち的にストレスフルな状況だったのですが、展示の日程も刻一刻と迫ってきていたのでディスプレイのための、什器を制作する必要がありました。これまでの学生生活で幾度かの展示の機会はあったものの、ここまでしっかり考えた内容を展示することは初めてだったためかなり悩みましたが、プロジェクト側のコンセプトとして「都市・公共」「テンポラリー」「オープンソース」と言うキーワードが既出だったためそこに乗っかる形の什器として、三角コーンやコンクリブロックなど半公共的なプロダクトを活用した什器を考えてみました。

例えば、三角コーンのテーブルとして、「みかんぐみ」さんがデザインされたテーブルがOPEN SOHKO DESIGNと言うWebページにオープンソースとして公開されているものがあるのでそれをベースにテーブルを制作したり、

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ブロックで板を挟むだけでパネルを成立させるアイディアを検討していました。

スクリーンショット 2021-02-19 16.27.21

とはいえ、これらはあくまで設計図なので実際に成立する物体として制作するのは想像以上に大変でした。特に板を立てるなどは強度面でも見た目の面でも検討しきれなかったところも多々ありかなり学びが多かったなと言う印象でした。

最終的にはこんな感じに仕上がっています。(設営中だったので背景が少し汚いです。) 全体で一本もネジを使っていない什器はなかなかないのでは。

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ちなみにテーブルのプラダン以外の素材は全部、大学の学科や施設管理課に再利用目的で寄付として受けとっていただくことができました。(植物は助手さんが欲しいと言ってくれたのでプレゼントしました。)

人来れないけどどうすんの

とまあ、こんなところでやっていましたが緊急事態宣言の最中京都の片田舎まで足を運ぶ人は少ないことは明らかだでしたし、実家の両親もあまり移動を好ましく考えていなかったため、別の方法でも発表する必要があるのは明らかでした。そもそも夏ごろから卒展が開催できるかが不透明なことはデータから見ても明らかだったので、オンラインでも展開をしないとあまり意味が無いだろうなとは思っていました。学校側に何かしらの構想は全くなさそうだったのでこれは自主的にやるしかないと言うことで、会期より前にオンラインに展示の内容とほぼ同じデータをアップロードすることにしました。

データを上げたからといって必ずしも身近な全ての人が見てくれる訳ではないと言うことはもちろん承知の上ですが、予約制で入りにくい大学の中でしか展示していないという排他的な姿勢がとても嫌だったのでかなり急ピッチでしたが作り切りました。(といってもSTUDIOに画像をぽちぽち貼っていくだけの芸がない展示形態ですが。)

あとは関東に住んでいる先輩や、実家の両親などは現地でのビデオ通話や写真とチャットで対応するなどしておりました。「結局全体のトップが思い切った動きを尻込みすると末端が貧弱な調整機能を働かせるしかないから非効率なんだよなぁ」としみじみ思っていました。

まあそんな感じで、一年間不定期に卒制の報告を誰に向けてでもなく書いてきましたが、一旦ここで区切りにしようと思います。全く文章の質にはこだわらずに書いてきましたが、来年以降もしこの記事集を見ることがある学生などには多少の含蓄がある内容になっていれば喜ばしいです。来年から僕は別の大学の大学院に進学するためおそらく来年の今頃の僕にもこのマガジンは有効であるでしょう。

卒業制作という1年間のプロジェクトを終えた感想に関しては別の記事に起こそうかなと思います。恨み辛みもしっかり書いて残しておきたいので。

それではまた今度。

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Hiroto Okuda
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