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名もなき家具をDIYでつくってみた

暑い日が続く。

エアコンをつけずに熱中症になるケースもあるようなので皆さんも気をつけてくださいね。

かくいう僕もリビングのエアコンをこれまで、ずっとつけずに我慢していました。

電気代の節約とか、エアコンの風が嫌とかではありません。ただ、ナスビを守りたくて、エアコンを諦めていました。

うちに遊びにきたカメラマンの友人に、
「ナスビは室外機の風、浴び続けるのよくないですよ」
と言われ、以来、クーラーをつけずに過ごしてきました。

もちろん、手立ては打ちました。

こういうものを買ってみたけど、すぐ風で落ちちゃうんですよ。

もちろん、麻ひもで縛ってみたりしました。でもね、やっぱり風で落ちちゃうんですよ。

室外機カバーみたいなのも探しまくったんですが、室外機がデカすぎて、サイズがはまらんのです。

近所の金具屋さんとも相談し、ワイヤーみたいなものを上下左右で縛りましたが、賃貸物件の室外機を傷つけずにしっかり固定というのがどうしても難しく。

そこで先日泊まりにきた父親に相談しました。

父「室外機に何かを取りつけるのではなく、別に離れたところで風を防ぐ仕切り板みたいな方がいいぞ」

とアドバイスをいただきました。
なるほど、そこで渋谷のハンズに行きました。

木工コーナーの店員のお姉さんが親切に相談に乗ってくれました。

僕はL字型になるように、2枚の板をくっつければ解決すると思っていたら、こう言われました。

ハンズの店員さん「底面と風除け面の2つだけ接着しても、風で耐えられるのがその接着してる部分だけなので、強度は弱いんですよ。側面にも板を貼り合わせたら、頑丈になるので大丈夫だと思います」

そう言って、名もなき家具の設計図を一緒につくってくれました。

これだ!これなら行けるかも!
しかし、まさかの一言。

ハンズの店員さん「板はサイズ通りのものを30分くらいいただけたら加工して用意しますが、組み立てはやってないので、電動ドリルとかを使って、穴あけやビスを打つ必要があります」

まさかのDIYデビュー。

しかも木工コーナーのすぐ上の階が工具売り場。見事に設計された導線。まるでスーパー銭湯の中に、マッサージコーナーがあるようなものだ。

そしてついに人生初の電動ドリルを購入する。

この4枚の板を側面と底面に貼り合わせるだけのシンプルな作業だが、僕にとっては冒険のはじまり。もうハンズの店員さんはここにはいない。

ひとまず穴を開けてビスを打つべきところを正確に見定めるべく、定規を引いて線とペケ印を入れる。

そこに穴を開ける。

あ、楽しい。。
ちょっと待て、楽しすぎるぞ。

ビスを刺してみる。いい具合の締め付けだ。

あとは電動ドリルのビット(先端工具)をプラスドライバーに付け加える。この用途に応じて、ビットを付け加える行為が「DIYやってる感」を醸し出してくれて楽しい。

しかし、いざ板同士を貫通させてビスを打つものの、なぜかガバガバ。すぐにビスが取れる。(あとで気づいたのだが、ドリルの回転数を調整して締めすぎない方が良かったようだ)

やってる時は原因がわからなかった僕は、途中までドリルでやり、途中から普通のプラスドライバーに持ち替えて手動で締め付けるという時間のかかる行為に勤しんだ。

何のための電動ドリルかと思われる滑稽な姿だが、当人にとっては一旦の解決策が見えて満足だった。

最初のうちはビスがはみ出てやり直すこともあった。

しかし、最終的にはきちんとしっかり固定することができた。

そして、ついに名もなき家具が完成!

室外機の近くに置いて、エアコンをつけてみる。風は見事に上と横に逃げ、ナスビの葉は微動だにしなかった。もちろん名もなき家具も全く動かない。

ナスビを守りながら、エアコンを諦めずにすんだ。

ただそれだけの話なのに、苦労も多かった分、僕は今、エアコンのひんやりとした風に大きな幸せを感じている。

名もなき家具にも、愛着が生まれると名をつけたくなるのが人の性。

「風よけ箱」と名付けることにした。

商品化することも考えたが、皆さんのDIYの楽しみのためにそれはあきらめた。

今度、ハンズの店員さんにお礼を言いに行こうと思う。

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