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有田陶器市にはじめて行ってみた

日本最大級の陶磁器販売イベント「有田陶器市」

佐賀県有田市でゴールデンウィークに開催され、およそ100万人近くが訪れるビッグイベント。

陶器に精通はしていないが、陶器そのものは好きなので、どんなものかと行ってみた。朝8時30分の段階ではまだ人はちらほら。

前日は有田のゲストハウス(ケラミック有田)に泊まったおかげで、すぐに行動を開始することができた。

およそ420店が小さな街にひしめく。その起源は大正4年(1915)年の「陶磁器品評会」とともに行われた「蔵ざらえ大売り出し」。かなり歴史あるイベントだ。

ポイントは、半端モノや傷モノと言われる二級品がこの期間だけたくさんの窯元から出される。わずかな1ミリ以下のほとんど気にならないような小さなシミでも半額以下に下がることもある。

どこに傷があるかシールでわかりやすくしてくれる店も

他にも掘り出し物があったり、若手作家の作品が見られたりと、やきもの好きにはたまらないイベントらしい。

しかも二級品は人のミスではなく窯のなかでの工程で、自然にうまくいかなかったものも多いので、ある店なんかは「窯のいたずら」とも表現していてステキだなと思った。

11時くらいにもなるとかなり多くの人の賑わいが生まれていた。

アルバイトとして参加している制服を着た高校生もたくさんいた。有田陶器市は地域と企業、学校が総出でプロデュースしている感じがよかった。高校生の案内に導かれてカフェでくつろぐ。

カフェのコンセントまで有田焼が使われている。日常の暮らしを豊かにしてくれる。

お昼は有田ポーセリンラボでハヤシライスをいただく。この器に乗せるだけで単価を300円くらいアップできそうな気がした。

いろいろお店を巡るうち、特に個人的に気に入った2つの店があった。1つは辻製磁

この御神馬の美しさたるや。流石に買えないので、アウトレット品の小皿などいくつか購入。

そしてもう一つは深川製磁。こちらは香蘭社と並んで有田焼の中でもかなり有名らしい。

僕のことを色々聞いてくれたうえで、どんなものが合うか一つ一つ丁寧に説明してくれる。

また陶器をつくる工場は明治時代からの建屋らしく、今も現役で多くの作品をつくりだしている。

外から写真を撮っていたら特別に中を見せてもらった。

「検査課が厳しすぎてよ〜、なかなか一級品として通してくれねぇんだよ」と笑いながら製造課の人が、現場の苦労を語ってくれた。

検査に引っかかったものは「深川」の刻印が陶器に押されることはない。それだけのこだわりがあるからこそ、長い間、このブランドを保って来れたのだろう。

この日は普段接客をしない製造課や裏方の人たちも総出でおもてなし。みんなそれぞれに陶器にかける思いがアツく「このカップの緑色は私が開発したんよ〜」とか嬉しそうに語っていた。

時には白熱しすぎて、店員さん同士がそれぞれのオススメを競い合ってバトルしそうになり、どちらを買えばいいか分からないくらいになることもあったが、それだけ想いが強いのだと、嬉しくなった。

甜茶(てんちゃ)が好きな僕は急須と湯呑みを購入。

せっかくだから「一級品」を買おうとしたら、「それ同じものがアウトレット品であるけん、待ちよ〜」と言うて持ってきてくれた。とてもアウトレットとは思えない。呉須(ごす)と言われる綺麗な青。このお店では深川ブルーと呼ばれ世界中にファンがいるらしい。

有田陶器市、正直すぐに飽きるかと思ったが半日以上いても足りないくらい面白かった。またいつか行きたいし、陶器市をやっていない時はとても人が少ないらしいので、またそういう時にも行ってみたくなった。

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