VALORANT GAME CHANGERS JAPAN 2023キャラピックデータからみるメタの変化

はじめまして。
趣味でvalorant競技シーンのデータ収集をしているTokyotoと申します。
この記事ではvalorant game changers Japan 2023 メインステージ出場全チームのキャラピックをまとめたデータを公開し、split1からsplit2におけるメタの変化について考察します。

パッチ7.04をはじめとした環境の変化

まず最初にこの記事の内容を読むにあたって欠かせないsplit1からsplit2における環境に変化を挙げておきます。

1. マッププールの変化
2.パッチノート7.04による変化

大きく挙げられるのはこの2つでしょう。
1つ目に挙げたマッププールの変化としてはsplit1からsplit2において
・ブリーズの復活
・サンセットの追加
・フラクチャー、パールの使用停止
という変化がありました。

split1
split2

※画像はspike.gg様から

2つ目のパッチノート7.04に関しては様々なエージェントに変更が加えられたパッチです。

様々な変更が加えられましたが、影響に出そうだと考えられていたのはジェットのナーフ、オーメンのパラノイアの実質的な速度低下などではないでしょうか。

以上2つの変更を踏まえてデータを見ていきます。

詳細データ

「結局どういう変化があったの?」という方は「変化の考察」まで飛ばしていただいて構いません。

データの注意点

以下のデータはspike.gg様の情報を基に筆者が集計したものです。
手作業での集計になりますので収集ミスなどご容赦ください。

各エージェントをピックしたチーム数

表1:split1 main stage 各エージェントをピックしたチーム数

表1は各エージェントをピックしたチームの合計数をまとめたものです。
最上段の"pic"の行は、そのマップをプレイしたチーム数の合計を表しています。
split1 main stageの出場チームは全4チームなので、「lotusとsplitは全チームがプレイした」ということになります。

そしてこれを割合に改めたものがこちらです。
小数第二位を四捨五入しています。

表2:split1 main stage 各エージェントをピックしたチームの割合

split1は出場チームが少なく、十分なサンプル数とは言えませんが、

・アセント(ヘイブン)では全てのチームが所謂「メタ構成」を使用していた
・パール、ロータス、スプリットでは様々なエージェントが採用され、
 チームごとに異なる構成だった

ということがわかります。

そして以下がsplit2における同様のデータです。
split2ではmain stage出場チームが8チームだったことをご留意ください。

表3:split2 main stage 各エージェントをピックしたチーム数
表4:split2 main stage 各エージェントをピックしたチームの割合

サンプル数が増えたことも要因の一つではありますが、マップごとの構成のばらつきが増えたことがわかります。

そしてこれらを重ねて変化をわかりやすくしたものです。

表5:split1→2 main stage 各エージェントをピックしたチームの割合の変化


様々な変化が見て取れるかと思います。
次の章でそれぞれの変化について詳しく見てきます。

変化の考察

全てについて記すとキリがないため、筆者が特に注目したポイントに関して記していきます。

デュエリストの変化

ジェットの大幅なナーフが適用されたsplit2においても、ジェットの使用率は一定程度を保ったという結果となりました。
数値上で見ればジェットの使用率が減り、レイズの使用率が増えたようにも見えます。

図1:両splitで選択されたマップのみの平均構成導入率


しかし両splitでピックされた、アセント、ヘイブン、ロータス、スプリットのみのデータを抽出すると、図1のような結果となります。
以上のことから現段階では各チームが

ジェットの強さはある程度健在であると考えている

ということがわかります。

オーメンナーフの影響

結論から言うとありません。
表5からもわかるように、現時点ではパラノイアのナーフの影響は出ていないと言えるでしょう。
正直触れるかすら迷いましたが、一応触れておきます。

2コントローラーを中心とした構成の変化

split1からsplit2で大きく構成への導入率が増加したエージェントがいます。
それがヴァイパーです。

表6:ヴァイパーの構成導入率

平均の値を大きく伸ばした要因として、プレイされたマップ(バインド、ブリーズの追加など)の変化が挙げられますが、それを差し引いても2コントローラー構成が増加していることは間違いありません。

表7:各ロールの採用率
図2:表7のグラフ版

上の表7は各ロールの構成への採用率を表したものです。
各チームのマップごとの構成をサンプルとして、その構成にそれぞれのロールが何体含まれたかを算出したものとなっています。

例えば全ての構成が2イニシエーター構成の時、数値は以下のようになります。

表8:全チーム、全マップの構成が2イニシエーター構成だった場合の例

表7も、やはり2コントローラ構成の増加を裏づけていると言えるでしょう。
2コン構成増加の理由の1つにsplit1からsplit2の間にChampionsが開催されたこともあったのではないでしょうか。
以上のことから
世界的な2コントローラー構成の流行を受け、
 日本GCシーンも2コントローラー構成の採用が進んだ。
ということがわかります。

また、この潮流を受けてsplit1では一辺倒だったヘイブンの構成が多様化したことも印象深いです。

2デュエリスト構成の増加

図2をもう一度振り返ります。

図2:各ロールの採用率

これを見るとコントローラーに次いで、デュエリストのピック率も微増していると言えます。

表8:スプリットのデュエリスト導入率

上の表8は表7からスプリットで採用されたデュエリストである、
ジェット、レイズについて取り出したものです。

これを見るとsplit2では
レイズが100%ピックされた上に、ジェットも42.9%ピックされていた
ということがわかります。

つまり、スプリットをプレイした7チーム中3チームが2デュエリスト構成を採用していたということです。

また、スプリットほどプレイしたチームが多くないので表は割愛しますが、
バインドでも3チームのうちの2チームが、レイズ、レイナの2デュエ構成を採用しています。

よって、
・split2におけるデュエリストのピック率微増には、
 スプリット、バインドでの2デュエリスト構成の積極的な採用が一因にある。
ということが言えるのではないでしょうか。

総括

今回取り上げた、split1→split2における各チームが構成に導入したエージェントのデータから、

・パッチ7.04の適用後も、現状ジェットの採用率に大きな変化は見られなかった
・アセント以外の構成の多様化が進んだ
  
(サンプル数が増えたため一概にはいえないが…)
・構成の差異では、エージェント構成の差ではなく
 ロール構成の差の部分が大きかった

あたりが考察されるのではないでしょうか。

今後の競技シーンにおいても、
・多様化する構成はやがて収束するのか
・このまま2コントローラー構成が増加するのか否か

などに着目して観察すると、より観戦が面白くなるかもしれません。

訂正等ありましたら連絡お願いします。
お読みいただきありがとうございました。


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