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もしあなたが日大アメフト部の部員だったら
大学アメフトの悪質タックル問題で日大の監督やコーチ、選手に重い処分が下され,報道もこれまでよりかは取り上げられることも少なくなってきたかと思います。
しかし、日本でマイナースポーツのアメフトがここまで取り沙汰されることは過去にありませんでした。
高校、大学、社会人と地方チームでアメフトを愛してきた私にとって連日の報道は複雑な気持ちでした。
それは監督が選手に悪意ある反則行為を指示したかどうかより、
一流チームの指導はこんなにも曖昧で、愛のないものだったのかと落胆しました。
あのプレーで、日大ディフェンスは悪質なタックルをしてしまい、ペナルティでは最も重い15ヤード後退の罰則が課せられた。
アメフトは100ヤードのフィールド内で相手陣営までボールを進める陣取りゲームなので、15ヤードの罰則はチームにとって大きなマイナス。なのに、監督やチームは何もなかった様に試合を進めています。
あのプレーの後にも悪質なラフプレーがあり、止めに入った対戦相手チームの選手と乱闘プレーになって加害を加えた選手は退場になっています。
SNSで悪質プレーが拡散された後にも、
・次の試合に監督が不在
・試合中なのに監督が「問題のプレーは見てなかった」
など指揮官としてあり得ない行動でした。
もし、日大の監督が愛のある指導者だったら。
故・篠竹監督がハドルで選手に檄を飛ばしていたのを思い出しました。
「全身全霊をかけてこのスポーツに挑もうよ。
日本で一番アメフトを愛そうよ、俺たちは!」
この言葉を覚えている私たち世代が、指導者や選手の親になっています。
昔も今もアメフトを愛する気持ちは誰にとっても変わらないはず。
しかし、日大の反則を犯した選手の父親はすぐに気付いたのだと思います。
「おかしい」
この選手の父親は、日大の回答書が出た時点で即行動を起こしました。
息子がこれまで心血注いで取り組んだアメフトから、逆に潰されるかもしれない。
そんなことがあってはならないと弁護士に相談し、最悪の事態を回避するために
息子としっかり話して、あの記者会見をしたのだと思う。
もしあなたが日大のアメフト部員だったら。
間違った組織や指導者に出会ったときに、自分自身がいま何を一番大切にし、何をすべきかを考えられる人間になりたいと思う。