第34回鮎川哲也賞選評、および第2回創元ミステリ短編賞選評&受賞作掲載号! 『紙魚の手帖vol.19 OCTOBER 2024』
今年長らく続いた異例の暑さも、やっとのことで一段落ついたと感じる今日この頃。今では貴重となってしまった秋ですが、「読書の秋」にぜひオススメしたい、現在好評発売中&今号で3周年を迎えました、『紙魚の手帖vol.19 OCTOBER 2024』をご紹介いたします!
まず毎年恒例の鮎川哲也賞選評と、創元ミステリ短編賞の選評&受賞作を掲載。第34回鮎川哲也賞受賞作・山口未桜さん『禁忌の子』は、主人公の医師と瓜二つの溺死体の謎を追う、医療×本格ミステリ。緊迫感に満ちた展開、意外な真相、そして胸をつくラストと読み応えが抜群の本作も好評発売中ですので、どうぞよろしくお願いいたします。
また、第2回創元ミステリ短編賞受賞作・歳内沙都さん「桜越しに空を撮る」は、中学生の少女たちの日常から浮かび上がる謎を捉えた、青春ミステリです。選考委員の北村薫先生が「これは、名作ですね」と絶賛した通り、現代ならではの切実さ・人の心の謎を繊細に描写したミステリが堪能できます。ぜひお楽しみください。
また特集として、「美しくも歪んだ世界へようこそ――ジョン・コナリーの物語」をお届け。「物語」の魔力に満ちた、怪しく残酷だけれど美しい世界を描ききった本邦初訳2短編には、惹きつけられること間違い無しです!
読切は、気鋭による傑作2編をお贈りします。古矢永塔子さん「私たちの愛の巣」は、同じ団地で仲良くなった女友達をめぐる、忘れがたい余韻を残す作品です。嶋津輝さん「稲子のカフェー」は、大正時代、カフェーを舞台に主婦と女給の心模様を描いています。どちらも、魅力的な女性たちが活躍する傑作短編です。
3周年を迎え、これからも充実の内容をお届けすることに邁進していきたいと思います。『紙魚の手帖vol.19 OCTOBER 2024』も以降の号も、どうぞよろしくお願いいたします!