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第15回創元SF短編賞贈呈式&トークイベントレポート

2024年9月2日、飯田橋のインテリジェントロビー・ルコにて〈第15回創元SF短編賞〉の贈呈式およびトークイベントが行われました。

会場の案内板

〈第15回創元SF短編賞〉には、稲田いなだ一声ひとこえ氏の「喪われた感情のしずく」『紙魚の手帖』誌上での作品発表に際し、「廃番の涙」より改題)が正賞受賞作として選ばれました。

贈呈式では受賞者の稲田一声氏が登壇し、小社社長・渋谷健太郎より賞状の授与が行われ、記念品の懐中時計が贈呈されました。

稲田一声氏

受賞の挨拶で稲田氏は、本格的に公募新人賞に挑戦することとなったきっかけを振り返り、「2015年から2016年にかけての1年のあいだに、大学時代の先輩、後輩、そして母が立て続けに小説の新人賞を受賞したことの衝撃がありました」と明かした上で、「これから先は、新たに私の小説を読んでくださる読者の方との出会いがどんどん増えていくと思います。その一つ一つの出会いを良きものとできるよう、これからも精進していきたいと思います」と、今後の抱負を語られました。

左から小浜徹也(東京創元社編集部)、稲田一声氏、宮澤伊織先生

贈呈式の後、二部構成のトークイベントの第一部として、本賞の選考委員を務められた宮澤みやざわ伊織いおり先生と、東京創元社編集部の小浜徹也が登壇し、稲田氏を交えてのトークが行われました。

選考委員のとび浩隆ひろたか先生は、折からの悪天候による交通機関への影響を考慮し、今回のご登壇を見合わせられました。当日は飛先生からお預かりした書面を小浜が代読したほか、会場と飛先生を電話でおつなぎし、肉声でも稲田氏へのメッセージをうかがいました。

左から小浜徹也(東京創元社編集部)、高島雄哉先生、宮西建礼先生

トークイベントの第二部では、第4回および第5回の創元SF短編賞をそれぞれ受賞された、宮西みやにし建礼けんれい先生と高島たかしま雄哉ゆうや先生が登壇されました。

対談では今夏に刊行された高島先生の『ホロニック:ガール』(創元SF文庫)および宮西先生の『銀河風帆走』(創元日本SF叢書)をひとつの例として、同じハードSFというジャンルにありながら、ある面では対照的とも言えるそれぞれの作風についてお話しいただきました。

第15回創元SF短編賞受賞作「喪われた感情のしずく」および同賞の選評は、『紙魚の手帖 vol.18』に掲載されているほか、単体電子版としても配信中です。また選評の全文は、Web 東京創元社マガジンでも公開しております。

今回の贈賞式の模様は、YouTubeにて全編をご視聴いただけます。

現在募集中の〈第16回創元SF短編賞〉 は、2025年1月14日〆切で投稿を受けつけております。

同賞では、第15回まで選考を担当していた小浜徹也(東京創元社編集部)に代わり、作家の長谷敏司先生が選考委員に加わられます。

また、〈第35回鮎川哲也賞〉(2024年10月末日〆切)、〈第3回創元ミステリ短編賞〉(2025年3月末日〆切)も、ただいま投稿を受け付け中です。

多数のご応募をお待ちしております。


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