一つになるなら湯がないと
さて、今日はいつもより少し長い話になります。
よければお付き合いください。
半年ぶりに別府に帰るのが楽しみすぎて、久々に【酔っ払って】文章を書いています。明日の朝読み返したらきっと反省するやつですが、酔った時にしか書けない本音を書いてみようと思います。得てして恋文とは青臭く、甘すっぱいものです。すっぱいという文字がおっぱいに見えるくらいには酔っています。いつものメイキングとは違う感じになると思いますが、どうぞご容赦、ご査収の程よろしくお願いいたします。
さて、今年別府で企画している「別府傾奇者unite」という撮影会。別府の魅力と素晴らしさを伝えるためのイベントでもあり、もちろん自身の作品ですので自分のための挑戦でもあります。舞台と温泉で撮影してどうやって別府の魅力を表現するのかは、オフィシャルサイトに簡潔にまとめましたのでぜひご覧ください。アンバサダーも8名決定しました。個性豊かな別府大好きな女性8名です。こちらもオフィシャルサイトをぜひご覧ください。
「別府傾奇者unite」
もしかしたら、サイトに書いてある僕が表現したいことを読んで、いやいや別府ってそんなに素敵な人ばかりじゃないし、田舎独特の村社会的な考え方する人多いよ、と思うひねくれものもいるかもしれません。事実、別府で生まれ育った母は「別府人の悪いとこが出てる」とことあるごとに言いますし、知り合いの居酒屋のマスターは「別府人はほんとに陰湿で嫌いだわ」と酔っ払ってぼやいたりします。個性豊かな人たちが住んでいる街なので、もちろんそういう嫌な一面もあります。
全ての人が全ての人に愛情深くはいられません。正義も立場が違えば悪になり得ます。ショッカーからしたら仮面ライダーは裏切り者ですし、宇多田ヒカル大先生も「みんなの願いは同時には叶わない」と歌っています。
寛容な街であるはずの別府でも、許可や承諾を取ろうとすると様々なしがらみや用紙が立ちはだかりますし、味方が増えれば自ずと敵も増えていきます。東京のようなやり方は別府では通用しません。それは良くも悪くも「人との繋がり」がとても重要だということでもあります。田舎の人は往々にして陰口と噂話を好みますが、それだけ人の距離が近く、人に興味があるということでもあります。都会に慣れてしまった僕はそれが嫌で別府が嫌いになった時期も正直ありました。
(僕の前では)あんなに感じのいい人が、違う界隈にいると全然違った顔を見せる姿を何度も見てきましたし、人づてに何度も聞いてきました。嫉妬や妬みで勝手な勘違いや思い込みを本当のことのように話されたりするのは田舎ではわりとよくあることで、僕自身そんな噂話を信じて誰かに間違った情報を伝えてしまったこともあったかもしれません。僕を直接知らない人に攻撃されたこともありましたし、結構近い人が陰で散々なことを言っていたと言われたこともあります。逆に全面的にこちら側が悪い場合もありました。その節は本当にごめんなさい。
別府は今年で市制100周年ですが、100年前誰かを批判していた人も、批判されていた人も、今はほぼ生きていません。そう考えれば、メンタルやモチベーションや人の目などに左右されず、もっと自由に生きてもいいのかもしれません。「おっぱい触りたい!」とか、やりたいことを大声で叫びながら。
僕の夢は左手にアマレットジンジャー、右手におっぱいで「おっぱいを触りたい」と言うことです。子供がご飯を食べながら「お腹すいた」とぼやくような感じです。すみません、話が逸れました。今日は酔っているので最後までこういうノリかもしれません。
別に別府の人の文句を書きたいわけではありません。別府は世界一の街で、世界一優しい街だと本気で思っています。だからこそ、身内で揉める暇があるなら別府のポテンシャルをもっと多くの人に気付いてほしいし、発信してほしいと思うのです。別府の外の目線(移住者)や都会的な距離感を持てる人は結構ここはドライに「いろんな価値観の人がいて当たり前」という感じで一歩引いて見れている気はします。
でも、どんなに嫌な面を見ても、なぜかいつも優しい街だなと思います。
別府に帰るたびに醜い部分も愛の深さも全部ひっくるめて人間っぽいなと思うし、温泉に浸かってボケーっと呼吸だけしていると、全てが許される、全てを許す気になって、今話していたことなどどうでもよくなります。それがまた別府っぽかったりもしますし、街で知らないおばちゃんと挨拶を交わし、そのまま10分くらい話し込んだりすると、やっぱりこの街を愛おしく思います。温泉地であり、観光地であり、湯治場であり、温泉保養地であったこの土地で生きる別府の人たちは、やっぱり温泉みたいに暖かく人懐っこいのです。そして、それは一朝一夕で作れるものではありません。
やはり温泉が人に与える影響はとてつもなく大きい。僕は別府へ帰省すること自体が「湯治」だと思っているのですが、そう思えるのは僕にとって別府が「非日常」であるからです。温泉が日常にあるとそれがどれだけ恵まれていて特別なことなのか、気付けなくなるのも当然です。大切なものは往々にして失ってから気付くもの。日常的にそばにあるものに人は慣れてしまう生き物ですから。
それでもそのことを丁寧に掬い上げようとしたり、伝えようと努力している感度の高い人たちが別府には沢山いて、それはアートだったり、音楽だったり、食だったり、エンタメだったり、ダンスだったり、スポーツだったり、歴史だったり、福祉だったり、教育だったり、観光だったり、写真だったり、ここには書ききれないほど本当に色んな方法で。そんな人たちの熱を感じ、なんだかんだ半周したり、一周したりを繰り返して、別府の人の懐の深さにまた触れて、やさしさに涙して、やっぱりまた好きだ!と何度でも恋に落ちてしまうのです。
世間ではこれを「沼にハマる」と言いますが、
別府ではこれを「湯に抱かれる」と言います。
ロマンチックですよね。
いや、ごめんなさい。流石に別府もそこまで独自の文化では出来ていません。酔ってそれっぽく言ってみたかっただけです(笑)ちなみに、鉄輪(かんなわ)で湯治を世界のスタンダードにしようと頑張っている「湯治ぐらし」の菅野さんは「湯に抱きしめられる」と表現していました。菅野さんの熱いインタビューは以下から。とても浪漫あるインタビューなのでぜひ読んでみてください。
菅野静
「温泉を抱きしめたいのに、抱きしめられてばかりだ。」
温泉に抱かれるとありのままの自分で生きていいことに気付きます。いや、思い出すと言った方が正しいかな。個性や偏愛や変態が愛される街の魅力は人と違うことを否定しない寛容さに他なりません。どんな人とでも一緒に楽しめる。そんな環境や心構えが街に根付いている、そんな気がします。最近ではそんなイベントも増えてきた気がします。
港区のノリでフェスをやるのも悪いことだとは思いません。それがきっかけで別府に来る人も沢山いると思います。これは単純に好みの問題ですが、個人的には「VIPで煌びやかな美女とシャンパン」的なノリよりも「トーキング・ヘッズのTシャツを着た彼女と地元の立ち飲み屋」的なノリの方が好きです。ええと、今僕は酔っていますが、どんなイベントも別府でやるなら盛り上がればいい、ただそう思っています。その両方を受け入れるのがまた別府の良さでもあったりします。下心も真心も両方あっていいとは思いますが、大切なのはそこにちゃんと愛があるかどうか。
別府で知り合って、今では親友になり、別府プロモーションを一緒に運営している21歳の看護師を目指すルカは「別府の圧倒的な自然の前で人はみな同じ」と今回の撮影のテーマを考えるきっかけをくれました。80歳の水墨画家が言いそうな名言ですが、彼を撮影した動画は、本当に色んな方に観ていただきたい作品の一つです。愛に溢れた男なんです。そんな男が別府を第二の故郷だと言ってくれることが、僕は本当に誇らしいです。
杉山ルカ
「おかんただいま」
助け合い、自然と一体になり、みんな一緒に生きるけど、みんな同じでなくていい。それぞれの道を行けばいい。Be free! 道無き道を行け。そんな「緑黄色社会」の歌詞のような前向きな意味を込めて、今回の企画には「別府傾奇者unite」というタイトルをつけました。ユナイトは団結する、という意味です。一つになるなら湯ないと(湯がないと)始まらないよねって意味もあったりします。「地図は読めるから助け合えるけど、未来は読めないから助け合おう」の精神です。
とはいえ、目立つものはやはり叩かれる運命にあります。今回の撮影もきっと僕の耳に届かない場所で色々なことを言われるでしょう。でもだからこそ面白いし、だからこそ挑戦のしがいがあります。エンターテイメントは
賛否両論あるから面白いし、そんな声を全部気にしていたらそもそもこんなこと出来ません。1番大切なことは「愛を持って伝え続ける」ことです。
「伝える」という行為はどこまでいっても自己満足。伝えるから宜しくね、という「宣伝」でしかない。あ、漢字が違うな。宜しくねじゃなく、宣う(のたまう)ですね。まぁ、いいや。酔ってるから考えるのがめんどくさくなってきました(笑)
もちろん、書く文字から表情は見えないし、体温も乗らないから、会って目を見て話さないと、この想いが伝わらないことはよく分かってるんですけどね。でも、オンラインだろうがオフラインだろうが、その努力をしないのはやはり怠慢であり、育児放棄していることにもなります。全ての動機は愛であるべきなので、どんなに辛いことがあっても、やりたいなら、伝え続けるしかありません。やり続けるしかありません。愛を持って、誠意を持って、相手を尊重し、思いやって。
最近、いい男や女になるためには?という話をインスタライブで話したんですが、僕が思う一番いい女である妻にいい男ってどんな男だとおもう?と聞いてみました。妻は「礼節と色気と思いやりがある人」と答えました。今、その全てに欠けた文章を書いている自覚はあります。
伝えるって本当に難しい。いい男になるのはもっと難しい。いつも上手いこと言う妻からは「別府にいる時は星屑みたいにキラキラしてるのに、酔っ払うとただの埃屑だよね」と言われています。
皆様も飲みすぎず、どうか健康で長生きしてください。間違ってもお店の前で吐いたりしないでください。妻は酔って人に迷惑をかける人間が死ぬほど嫌いです...
どうか不機嫌な顔をしないでください。
どうかお皿を洗ってくれている家族に
ありがとうと伝えてください。
どうか明日が来ることに安心しないでください。
どうか大切な人を思いやってください。
どうか素晴らしい朝を迎える度に
生かされる日が一つ減ることを忘れないでください。
秋は毎年やってきますが、
今年の秋は一生にたった一回です。
どうか寛容な心で神父に
おっぱいを触らせてやってください。
あ、間違えました。
どうか寛容な心で神父を
いっぱい応援してやってください。
現在「別府傾奇者unite」ではモデルさんを大募集中です。別府のためじゃなくていいんです。地域貢献や他者貢献なんてことは僕は微塵も考えていません。いや、1%くらいはあるかな。ぜひ、自分のために一肌脱いで、ハレとケの撮影を楽しんでください。それが結果的に誰かのためになります。別府が大好きな傾奇者たちの圧倒的なエネルギーが写真を見てくれる皆様に少しでも伝わるように、見たまんまの写真を僕も楽しんで撮りたいと思います。まずは自分のことを好きになってあげないと、誰かを愛することなんてできませんから。
この文章をビール2杯でベロベロになって書いている46歳も、こうして46年生きていけてるのできっとあなたも大丈夫。やったことのないことにもどんどん挑戦していきましょう。別府の人は本当に優しいので、きっとその挑戦も応援してくれるでしょう。
ただし「愛は努力」ということは忘れちゃダメ。ゼッタイ。ありのままの私を愛してほしい!というのはいいのですが、せめて畑から抜いてきた大根を食卓に並べる時には土は落としましょう。たしか、美輪明宏さんの言葉です。いや、もっと「皮をむいて切って、お皿に盛って、召し上がれ」みたいな丁寧な言い方だったとは思いますが。
僕も大根おろしになるくらい真心を込めて書きました。おっぱいを触りたいという下心も削除せずにアップしてるくらいには酔っていますが、別府を世界の人たちの最終目的地にしたいですし、唯一無二の文化を届ける発信地にしたいです。それはもちろん、僕一人で出来ることではありません。仲間と、もちろん仲間じゃない人たちとも手を取り合って。
別府出身のくせに東京なんて名前をつけている、別府に住んでもいないお前が何を言っているんだ、と思う別府に住んでいる人は一度別府の外に出て3年くらい暮らしましょう。僕の気持ちがわかると思います。ところどころ何を言っているのか分からなかったかもしれませんが、別府に宛てた恋文ですので、どうかお許しください。誰になんと言われようとも、僕は別府も別府が好きな人のことも愛しています。にゃん。
酔っ払いの戯言を最後まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。酔った勢いで書いた文章を2日かけて推敲したことは秘密にしておいてください。酔った勢いで言いますが、根は真面目なんです。
別府が大好きな本物の変態の皆さんは
11月3日、どうか芝居の湯にいらしてください。
モデル募集詳細は以下から↓
2024.9.6 東京神父
芝居の湯「別府傾奇者unite」
東京神父 写真家。1978年4月20日生まれ。 別府出身、自由が丘在住。