浴場に欲情する男
正直、ルカとは色々ありすぎて(全部いい意味)何を書いていいか全くわからない(笑)21歳の若者と46歳のおっさんの絆なんて気持ち悪くて見てられないが、それでも前世で何かあったのかと思うくらい、同じ感性を持った彼と出逢えたことには本当に感謝している。
ルカと出逢って今回の撮影でより絆が深まった気がしていて、そうやって目を合わせて対話することの大切さを21歳の彼から教えてもらい、また別府という街の魅力に気付く。何年後かにこの記事や動画を見た時に僕ら二人は何を思うだろうか?「自然が人を繋げる」とルカは言っていたけれど、それは横の繋がりだけじゃなく縦の繋がり、つまりは僕らが先人から引き継いだように、次の世代へ伝え、この恵まれた大地、自然、温泉、生活を残していくこと。
別府という街は実は山と海に囲まれ、温泉が地下を流れる大自然の中にあり、そのエネルギーを受けて別府人達は日々生活している。別府を離れてもう長い時間が経つけれど、戻る度にそのパワーに圧倒される。それはルカが言っていたように「全ての人を同じ人間だと思える」くらい圧倒的なもので、それを感じられる感性を持ち続けたいとルカと一緒にいるとより強く思わされる。
誰を前にしても、臆することない彼の瞳を見る度に、涙が込み上げて、実際に大泣きしたことも両手じゃ足りないくらい。そんなルカが語る別府愛をぜひ感じて欲しいと思います。
ルカを撮影した次の日に、別府で書いたなんてことない文章を彼に捧げます。(死んだわけじゃないけど笑)
「ライラックの花は別名が沢山あるのよ」
そんなおばあちゃん達の声が
女風呂から漏れ聞こえてくる
温泉の横の朝見川を
二匹のツバメが飛んでいく
それを見た近所のおっちゃんが
「恋の季節やなぁ」とつぶやく
「カラスが巣を作って危ないのよ」
そう言って電気会社に電話している
おばさんはどことなく母に似ている
「いつもはそっちのブランコを使ってるからね」
おじいちゃんと公園に遊びに来ている女の子は
お気に入りのブランコを取られてぐずっている
温泉の帰り道で声をかけた
光町で間借りしているという女性は
「別府を離れると体調が悪くなるんです」
と屈託のない笑顔で笑う
午後のなんでもない日常
飾り気のない言葉達に
涙が込み上げそうになる
僕の心は勝手に口を動かす
「あぁ、全部生きてるなぁ」
別府という街の春は
ただただ普通で平和で
街も人も自然もきらめいて見える
僕らはいつだって忘れがちだけど
日常は奇跡の連続で出来ているんだ
2024.4.24 東京神父
塚原温泉「おかんただいま」