大仏温泉の由来とは?
「大仏温泉」という名前は天満にあった「別府大仏」に由来する。1989年に取り壊された大仏の歴史を後世に伝えたいという思いを込めて、自宅の敷地内にある地域住民用の共同温泉を建て替えた山村さんがつけた名前だ。
昔は山村さんの家から大仏様の横顔が見えていて、近所の天満温泉からは正面が見えていた。別府八湯温泉道のスタンプを見れば分かるが、天満温泉は正面で大仏温泉は横向きの大仏が描かれている。こういう洒落たことをするのが別府人だ。
インタビューでアスタちゃんが答えているように、大仏温泉は技術や歴史が他の温泉とは一味違う。源泉を冷やすための「ゆめひのき」は山村さんオリジナルの温泉冷却装置。ひょうたん温泉の竹製温泉冷却装置「湯雨竹」に着想を得て、源泉を自然に冷やすために開発したオリジナルの冷却装置「ゆめひのき」を経済産業省特許庁の実用新案に申請した。
底に穴を開けた木箱を重ね、源泉を流し込み、外気に触れて湯温が下がる仕組みだ。木箱にヒノキを使っているので、「ゆめひのき」。温泉に入るとヒノキ風呂に入っているような香りを楽しむことが出来る。
僕も山村さんには大変お世話になっているが、温泉のように熱い想いのある方だ。「共同温泉を守る」「温泉の大きな魅力である源泉掛け流しにこだわる」「歴史や文化を守る」という様々な想いが形になった大仏温泉。是非、大切な人とその貸切湯を楽しんでほしい。
2021.3.21 東京神父
大仏温泉「Peaceful People」
東京神父 写真家。1978年4月20日生まれ。 別府出身、自由が丘在住。