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【サークル活動報告】美術鑑賞サークル:第22回三菱一号館美術館「ロートレック展」(12/15)|社会人勉強コミュニティ

皆様、こんにちは!

美術鑑賞サークルのちーです。

12/15(日)にサークル22回目の活動として、丸の内の三菱一号館美術館にて開催の「再開館記念「不在」 ―トゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル」展を鑑賞に行きました!


1.サークルの概要

月に一回程度、皆で都内の美術館の企画展を見に行くサークルです。

西洋絵画の展覧会が多めですが、日本美術、現代アート、映画鑑賞、まち歩きなどの活動もたまに行っています。

鑑賞後は、気に入った作品を発表したり、希望者でカフェで歓談を行っています。

普段美術館にはあまり行かないという方も多くいらっしゃいますので、勉強の息抜きにお気軽にご参加ください。

またサークル登録がないコミュニティーメンバー以上の方のご参加もいつでも大歓迎です!

2.イベントの様子

ロートレック(1864-1901)は19世紀末のパリで活躍し、ポスターを芸術まで高めた画家です。

三菱一号館美術館は2023年から休館しており、今回のロートレック展がリニューアル記念展として、コロナで開催できなったフランス人女性の現代アーティスト「ソフィ・カル」の作品も併せて楽しめる展覧会となっておりました。

今回は5名の方に参加頂き、観覧後に感想などをお喋りしたり、お昼でしたが丸の内のイルミネーションも帰り道に楽しむことができました!

(写真はキノピオの展示物を皆で鑑賞しているところです。)

3.感想

今回のロートレックの展示作品の中で目立っていた作品としては《ディヴァン・ジャポネ》(1893年)かと思います。

写真撮影可能ではあったのですが、解説が音声ガイドのみ?だったようで、その場では詳細がわからなったのが少々残念でした…

「ディヴァン・ジャポネ」というのはパリのモンマルトルにあったカフェの名前で、その広告としてこのポスターが作成されたようです。

「ディヴァン・ジャポネ」はフランス語で「日本の長椅子」、当時流行していた日本風の内装やファッションを売りとして、カフェというより現代のキャバレーとして歌い手や踊り子の舞台を楽しむ社交場であったそうです。

画面中央の女性は、本来ならショーの主役でありそうなものの、観客としてやってきたジャヌ・アブリルという別のカフェの踊り子となっています。

彼女は知識人として教養も高い人気者であったそうで、現代なら「元坂系アイドルのインフルエンサー○○も大注目!パリで今一番ホットなアイドルが出演するコンサートホール!」としてインスタに上げられるような感じではないでしょうか笑

肝心のショーの主役はどこに…というと、画面左上の顔の描かれていない女性がイヴェット・ギルベールになります。

顔が描かれていないのに彼女だとわかるのは、いつも身に着けていた黒の長手袋が彼女の象徴だったからです。

同じ展示室に『イヴェット・ギルベール』表紙(1894年)も展示されていたのですが、こちらでは完全に手袋だけが描かれ、彼女を表しています。

今回の展覧会のタイトルが「不在」であることを考えると、人物を描かず「不在」を示すことにより、かえってより一層その人のアイデンティティや存在の大きさを考えさせられる、というよい例となる意義深い作品なのだと思いました。

ロートレックの作品をもう一つ挙げるなら《ラルティザン・モデルヌ》(1896年)が個人的に印象に残りました。

解説を見ると、ロートレックの友人が工具箱を持って愛人の元を訪ねる…というシチュエーションの室内装飾品の販促ポスターだそうです…ツッコミどころが多くて意味がわからない…というのが正直な感想でした笑

愛人の元を訪れる男性のモデルが友人でいいの?とまず思ってしまいましたし、工具箱は、家具が壊れちゃったから直しに来て!と愛人が呼んだの??と状況も変ですし、室内装飾品の販促というのはベットのシーツと室内のカーテンが同じテイストで素敵でしょ♪とアピールしたいのか、それとも工具箱でDIYしよう!的な宣伝なのか…

「不在」というテーマを考えると、本妻不在がまず浮かぶ訳ですが、何を表したかったのか図録を購入すべきでしたね。

当時のフランスの恋愛事情には詳しくないのですが、それより100年以上前ルイ15、16世の貴族文化が栄えていたころは、家同士の結婚で跡継ぎを産んだ後は男女とも自由恋愛OKだったと聞くので、その文化が脈々と受け継がれているのでしょうか…

時代が違うにしろ、今のフランスでもそういった面では寛容なイメージがありますので、文化や価値観の違いを考えさせられた一枚でした! (次の写真は会場の様子です)

展示の後半はフランス人現代アーティストのソフィ・カルの作品が展示されていました。

彼女の母の日記をアートにした作品に続き、《今日、私の母が死んだ》(2013年)にはこう添えられています。(写真左端の作品)

「1986年12月27日、母は日記に『今日、私の母が死んだ』と書いた。2006年3月15日、今度は私が『今日、私の母が死んだ』と書く。もう誰も私のためにそう言ってくれる人はいないだろう。これで終わり。」

幸い私はまだそのような体験をしていないのですが、今後は自分も彼女と同じ経験をするかもしれない、と思うとなんだか胸が締め付けられました。

彼女の母が残した日記を読んでからのこの作品は、確かに生きていた母が不在となったことの喪失感を強く感じました。

また、写真撮影は不可だったのですが、《Parce que(なぜなら)》(2018年)と題された一連の写真作品のうち《子なし》が印象的でした。

額縁全体がフランス語が書かれた布で覆われており、それをめくって、写真を見る、という作品です。

(興味のある方はググってみてください!)

布にはこう書かれていました。

「なぜなら、ネット上で私の説明が『ソフィ・カル、あえて子供をもたないアーティスト』とたった7語でかたづけられてるのを見つけたから。ほんのお遊びとして、この子がたまたまここにいたから。」

それで、赤ちゃんに授乳するように見えるソフィ・カルの写真が見える、という訳です。

子供のある/なしで、その人がどういう人物かタグ付けされてしまいがちな風潮への反発のようなものは、同じ女性として共感できるような気がしました。

ところで、三菱一号館美術館は20世紀までの西洋絵画作品を中心にこれまで展覧会を行ってきました。

が、実は今回のソフィ・カルが存命する最初のアーティストの展覧会ということで、展示の最後には、「展覧会が開催されるまでに死ぬのではないかと恐れていた」という彼女の気持ちが作品とともに記されており、お茶目な人物なんだなと感じました。

最後に皆さんからの感想としては、ロートレックの描く女性っておブスなんじゃない?というものがありました。

特に今回の展覧会のポスターとしても取り上げられている 《メイ・ミルトン》(1895年)ですかね…

よくよく見ると美形なのはわかる気もしなくはないのですが、ロートレックの画風がオシャンティーなおブスタッチだからですね。

自分もロートレックに描いてもらったら、この時代の美人の中にだって混ざれる!!と私は割と好意的に思っています…!

4.今後の活動予定

  • 2/11(火)祝日 三菱一号館美術館 ビアズリー展 (予定)

1月はお休みの予定で、2月に同じく三菱一号館美術館で今度はビアズリー展を鑑賞予定です。

ちなみに美術鑑賞サークルは12月でちょうど丸3年、今回で22回目の活動となりました。

これも今まで参加して頂いた皆様のおかげですので、大変感謝しております!

今年は自分が多忙ということもあり歓談の場を設けることはあまりできていなかったのですが、来年は新たにコニュニティーマネージャーサポート費用が利用できることにもなり、皆でお得にカフェに行ける機会も増やしていこうと考えております。

2025年も何卒よろしくお願い申し上げます!

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