【サークル活動報告】美術鑑賞サークル:第17回アーティゾン美術館「ブランクーシ展」(5/26)|社会人勉強コミュニティ
皆様、こんにちは!
美術鑑賞サークルのちーです。
5/26(日)にサークル17回目の活動として、 京橋のアーティゾン美術館のブランクーシ展を鑑賞に行きました!
イベントの開催の様子をご紹介致します!
1.サークルの概要
月に一回程度、皆で都内の美術館の企画展を見に行くサークルです。
西洋絵画の展覧会が多めですが、日本美術、現代アート、映画鑑賞、まち歩きなどの活動もたまに行っています。
鑑賞後は、気に入った作品を発表したり、希望者でカフェで歓談を行っています。
普段美術館にはあまり行かないという方も多くいらっしゃいますので、勉強の息抜きにお気軽にご参加ください。
またサークル登録がないコミュニティメンバー以上の方のご参加もいつでも大歓迎です!
2.イベントの様子
当日は計3名で活動を致しました。
近代彫刻ということで、参加者があまり集まらないだろうと予想はしていましたが、無事開催できて良かったです。
ブランクーシは1876年ルーマニア生まれの彫刻家で20世紀抽象彫刻の先駆者とされています。
ロダンが近代彫刻の父なら、その工房に一時所属していたブランクーシは、ロダン以降の現代彫刻を切り開いたパイオニアです。
シンプルなフォルムの石膏や金のブロンズ彫刻はスマートで、現代でも全く古さを感じさせません…!
というのも、この極限まで無駄を削ぎ落とした表現はミニマリズムそのものであり、この後1960年代のアメリカでミニマム・アートとして流行し、現代まで至る一連の流れの上流がブランクーシだからなのですね。
少し難しく書いてしまいましたが、シンプルな現代アートの走りである彫刻家、という理解で良いのかなと思います。
まずは会場入り口にある初期作品から。
ポスターにもなっている代表作の一つ、《接吻》(アーティゾン美術館、1907-1910)です。
この作品のすごいところは、石膏なのに人間の肌の柔らかさや滑らかさ、抱き合う二人の体温まで伝わってくるところですね!
ちょっとお熱すぎて、目を逸らしてしまいたくなるほど…笑でしたので、もっとじっくり眺めればよかったと今になって思うくらいです。
上から見ると正方形とまではいかないものの、人間らしい厚みもあって、反対側も同じように睦み合う二人だったと記憶しています。
それからこの無骨な人物表現、ピカソのアフリカ彫刻の時代を思い出すと思っていたら、本当に同時代でした!(アヴィニョンの娘たちが1907年)
こういうのが同時多発的に流行った時代だったのですね。
そう考えると接吻という行為もプリミティブなものなのでしょうし、石膏という素材も金属に比べれば自然を感じさせます。
名作とは、このようなピッタリなものの組み合わせを重ねることで生み出されているのでしょうね。
続いては《眠れるミューズII》(個人蔵、1923年)
眠れるミューズも複数バージョンがあり、ブランクーシの代表作の一つです。
早い時代の1910-11年ごろには石膏で作られており、こちらの方が推されているようですが、私は金ピカのものの方がカッコいいので気に入りました笑
石膏のミューズはプリミティブで静けさが漂っていますが、金の磨かれたブロンズの方は近未来的でシュールです。
生首を横たわらせるとは斬新過ぎます。
ミューズというだけあって整ったお顔の表情も穏やかで、はじめは何故生首??と少し怖く思ったのですが、見ているうちにつるつる&コロンとしていてむしろ可愛らしさを感じるようになりました。
一緒にモディリアーニの絵も飾られていたのですが、素晴らしいコラボレーションです!
実際、モディリアーニの独特の作風はブランクーシに出会って生み出されたものだそうです。これは確かに相性抜群なはずです。
3.感想
ここからは参加頂いた方の感想も交えながらまとめていきます。
ブランクーシと言えば外せないのは、鳥をモチーフにした作品です。
同じ空間に絵画の《鳥》(個人蔵、1930年フレスコ)、《雄鶏》(豊田市美術館、1924年)が展示されており、さらにそれらを極限まで抽象化し、削ぎ落としたのが《空間の鳥》(横浜美術館、1926)です。
どれもタイトルがなければ何を表している作品かまるで分かりませんが、こうして取り上げてみると、真っ直ぐに上に向かって空に羽ばたいていく力強さへの憧れを感じます。
ブランクーシはこれら「飛翔」をテーマに創作を行いましたが、これは重力からの解放を求めたのだと、参加者の方に教えて頂きました。先ほど取り上げた眠れるミューズも重力から解放された結果、水平に横たえられている…のだそうです。
また、展示室の背景が青色や赤色となっており、映り込んでいる演出が良かったという感想がありました。
私はこれらの作品は予習済みだったので、想像と違った実物の大きさと重厚感に面食らってしまい、そこまでよく見ることができなかったのが残念でした。
そういえば、これらの作品は360度まで見ることはできませんでしたが、他の作品と同様、今回の展覧会ではキャプション(解説)の展示がなく、代わりに会場入り口に置かれている作品リストに解説が書かれていました。
彫刻という性質上、様々な角度から眺める方が楽しめるので、解説が手元にあるととても鑑賞しやすかったです。
その他の感想として、初期作品の《苦しみ》(アート・インスティテュート・オブ・シカゴ、1907)を取り上げてくださった方もいました。
苦悶の表情の少年、というとちょっと怖い気がしていましたが、「子供ってよくこんな顔して体捻っているよね」とお話していて、なるほど男の子ってそんな事してたわ、と納得してしまいました!
また、彫刻は動かないはずなのにまるで今にも動き出しそうなほど生き生きとしています。
20世紀彫刻というと、とっつきにくいイメージしかなかったのですが、今回の展覧会でブランクーシの作品は、表現したいところが真っ直ぐで、かつ、可愛らしい作品が多いと知る事ができました。
彫刻の良さを初めて感じる事ができ、大満足の展覧会でした。
最後に常設展にも触れておきます。
昨年美術検定2級の勉強をするまでは興味がなく素通りしていた彫刻作品を今回初めてきちんと鑑賞しました…!
手前から、ピカソの道化師、ジャコメッティのとにかく細長い人物彫刻、肉厚なヘンリー・ムーアと盛り沢山です。
教科書で代表作を見ただけだったのですが、初めて出会う作品でも作者がわかるほど個性豊かな彫刻ばかりでした。
また有名なモネの《睡蓮》、《黄昏 ヴェネツィア》をはじめ、アーティゾン美術館が所蔵する印象派から現代までの作品も展示されています。
自分は何度も見た事があるのですが、良い作品は何度見ても楽しいものでした。
4.今後の活動予定
6月 弥生美術館 マツオヒロミ展 レトロモダンファンタジア
7月 東京都美術館 デ・キリコ展
次回は6月に弥生美術館「マツオヒロミ展 レトロモダンファンタジア」、7月にデ・キリコ展を見に行く予定です。
特にデ・キリコ展は東京都美術館での大規模回顧展ですので楽しみにしています。
それ以後の活動予定はどこにしようか悩んでいるので、リクエスト募集中です!
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