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波佐見焼ができるまで 〜型屋〜
こんにちは、東京西海の髙野です🐑
「波佐見焼ができるまでシリーズ」 第2弾として、「型屋」を見学した様子についてレポートします!
前回のおさらいになりますが、波佐見焼の特徴の一つが街全体で「分業制」をとっていること。陶石から陶土を作る「陶土屋」、陶磁器を作るための石膏の型を作る「型屋」、型から生地を整形する「生地屋」、最後に釉がけや絵付などをして焼成する「窯元」があります。
今回お伝えする「型屋」は、特に緻密な技術が求められるパートです。
まずは図面や依頼内容をもとに「原型」と呼ばれる、最終的に仕上げたい器の形を作ります。
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次に、その「原型」を石膏で覆うようにして「捨て型」を作ります。「型の型」を作るための仮の型です。
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さらに「捨て型」を石膏で覆うようにして「ケース」と呼ばれる型を作っていきます。「ケース=型を作るための型」です。
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この「ケース」を作る作業と、「ケース」を使って「器の型」を作る作業を繰り返していきます。
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型は消耗品で、物によって異なりますが約100回程度使えるそうです。
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大まかな流れはこのような感じですが、器の形状や、生地屋さんで器の生地を流し入れる方法によって、すべて作り方・かかる時間が異なります。また、波佐見焼は、最終的に焼成する際に生地が収縮するため、実際の仕上がりよりも大きめにケースや型を作る必要があります。実際に保管してあるケースを見て、大きさと重さに驚きました。作業場での移動や納品時にも一苦労だそうです。
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実際に作業場を見学し、繊細な作業と大変な作業の連続だということを実感しました。(目にしたこと、感じたことのうち、自分の文章ではほんの少ししか伝えられないのがもどかしいです…。)職人さんへのリスペクトの気持ちでいっぱいになり、目の前にある器ひとつひとつをを大切に使いたいなと、より強く思うようになりました。
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そして今回伺った型屋さんでは、つばめと人が共に暮らしている風景がとても素敵でした。来た人(動物や巣も)を受け入れて、お互いが自然に暮らしている姿が印象的でした。またひとつ、波佐見らしさを感じられたような気がしています。
次回は、生地屋さんのレポートです!お楽しみに〜