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日本人の日本語能力

次々と日本語に外来語が混ざっていく。言葉の中には日本語が使用されなくなり、「カタカナ語」と言われるカタカナの文字だけで構成されている他の言語からの言葉が使用されるようになった。特に、若者の間で外来語が流行っていて、元々の日本語が分からない若者が急増しているようだ。日本語を勉強している僕は、外来語が嫌いではない。海外の言葉に憧れ、その言葉を使用した方が格好良く聞こえるという気持ちはよく分かる。しかし、日本語が分からない若者が急増しているせいで日本語の独特な表現などがはっきりと分かる日本人が少しずつ減少している。日本語特有の響きが大好きな僕は、日本語が完璧に話せない日本人の増加は悲しい現実だと強く感じる。

特に、日本語がしっかりと話せない日本人が増加したと感じるのはよく利用しているスターバックスコーヒー。好きな日本のカフェがいくつかあり、そのカフェでも妻とゆっくりするが、米国育ちの僕は、米国発祥のスターバックスコーヒーにいるとやはり落ち着く。そこで、抹茶ラテや焙じ茶ラテなどをよく注文するが、外資系であるスターバックスコーヒーは商品の名前や材料に外来語を取り入れ過ぎている。そのせいか日本語で注文しようとすると、店員が自分の注文がしっかりと受け取れない時がしばしばある。自分の日本語の発音が完璧ではなく、もう少し日本語の発音に力を入れなければならないが、スターバックスコーヒーで働く日本人の店員に日本語が明らかに通じていない時がある。

冗談に聞こえるかも知れないが、スターバックスコーヒーでの経験を2つ紹介したいと思う。1つ目は、大好きな抹茶ラテ(ホット)を注文しようとした時。

僕:「抹茶ラテのホットでお願いします。」
店員:「畏まりました!」
僕:「抹茶の粉を少なくしてもらってもいいですか?」
店員:「もう一度宜しいでしょうか?」
僕:「抹茶の粉を少なくしてもらってもいいですか?」
店員:「抹茶のこ…こ…?」
僕:「抹茶の粉…抹茶の粉を少なくしてもらってもいいですか?」
店員:「抹茶の?」
僕:「抹茶のパウダーを少なくしてもらってもいいですか?」
店員:「はい、畏まりました!抹茶ラテ、ライトパウダーでお願いします!」

二つ目の経験は、追加で氷と牛乳を店員にお願いしようとした時。

僕:「氷と牛乳を貰えますか?」
店員:「こお…と?」
僕:「氷と牛乳を貰えますか?」
店員:「少々お待ち下さい。
    …お待たせ致しました。アイスとミルクでございます。」
僕:「…ありがとうございます。」

大好きな映画監督である北野武が言った言葉だが、「日本中の文化をもっと世界に広めようって言っても、日本人自体がその基本を知らないのにどうしてできると思うしね…なんかね、日本人というのはね、もうちょっとね、国を愛するべきだと思う。」日本語も同じだと僕は個人的に思う。第二言語を学び、海外に暮らしたいと憧れている日本人が増加しているが、中途半端だと感じさせてしまう日本語を話している日本人が第二言語を学んでも、その言語も中途半端に話す確率が高い。中途半端な何かをすると、他の行動も全部中途半端になる。何をするにしても、常に「一所懸命にする!」という意識を持つのが大切なのだ。日本人は一旦海外のことを忘れ、自国の言葉などに目を向いた方が自分のためになる気がする。

それに、コロナウイルスが流行する前は、日本を訪ねる外国人観光客が急増していたが、コロナウイルスがほぼなくなり、世界が一般的な状況に戻ってからまた日本を訪ねる観光客が急増するだろう。僕と同様に日本語が好きで、日本人が実際に話す日本語を聞くのを楽しみにしている外国人観光客がいるはずだ。自分が日本人であれば、外国人観光客に間違った日本語を話した時、大きな恥を掻いてしまう。自国の言葉がはっきりと分からない日本人は外国人とのちょっとした国際交流ができるとどうしても思わない。

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