身を守るすべ

じわじわと心が削られてきているのを感じる。
ハワイのこのせまい部屋で、同居する大家さんと隣り合わせ。壁が薄いので、互いの音はとてもよく聞こえる。どれくらい薄いかといえば、大家さんの電話の会話も観ているテレビ番組の内容も8割はわかってしまうくらい。

別に音が聞こえるのはいい。仕方ないし、人と住んでいる感じがするのは悪いことばかりじゃない。
が、聞きたくないものも聞こえてしまう。

いわゆるネトウヨと言えばいいのだろうか。
中国に対する批判を声高に叫ぶYouTubeの音が聞こえてくる。きのうは中国政府への補償を求めるトランプ大統領への請願書に署名をするやり方を教えてほしいと言われた。断りたかった。断れなかった。自分の主義主張を理由にそれを断れるほど、私は強くない。

そして夜は0時を過ぎても、キリストへの改心を求める、これもおそらくYouTubeの音が聞こえた。
キリスト教文化の中で中高時代を過ごした私には、尊敬する牧師さんや信者さんが何人もいる。彼らから教えられてきた、そっと隣人に寄り添うという教えを踏みにじられているようで、そんなの私の被害妄想みたいなものだけど、やっぱりすごく嫌だった。悔しい気持ちがした。

抗議をしたり、反論をしたりする気はない。ただ、それを嫌だと感じていること、不快だと思っていることは覚えておきたくて今これを書いている。
言葉にしておかないと、私のネガティヴな感情はすぐにどこかへ逃げていってしまう。そして不意に戻ってきて私を襲う。そういうことを、避けるためだ。

私は、私の身を守らねばならない。ウイルスからもそうだけど、それ以前にまずはこの状況で、ストレスで爆発しないようにしていく必要がある。

音楽を聴く。ノイズキャンセリングヘッドホンを買ったので、これで音楽を聴いていればそれしか聞こえない。
こうして文章を書く。書きたいことを考えるのも、書く作業自体も、それを読み返すのも好きだ。
友達とLINEや電話をする。日本にもアメリカにも、私には信頼できるよい友達がいる。
散歩に出る。もう1週間近く外をまともに歩いていない。散歩に出ることは法令で禁じられていない。
筋トレをする。安全だし、すっきりする。YouTubeで探せばきっといい動画がある。
日本のテレビ番組を観る。なんとか設定の仕方を教えてもらったからやってみよう。

あと、基本的な体調を維持しなければいけない。

食事はちゃんと食べる。一人前は無理でも、がんばって0.7人前くらいは食べる。炭水化物もあまり抜かないように。
寝る。早めに布団に入る。眠れなくても、電気を消して落語でも聴きながらごろごろする。睡眠薬の助けも借りよう。
無理をしない。寝不足のせいで今日はずっと微熱と頭痛があった。そういうときは休んでいい。あと、体調を崩しがちな自分を責めない。

勉強はいつも通り頑張る。でも、頑張れなくてもいい。無理をしたら回復に時間のかかる身体だということを忘れてはいけない。頑張れないなりにたらたらやってても、きっとどうにかなる。どうにかならなくても、それはそれでいい。

まずは早く寝るところから。おやすみなさい。