いつき

30代の目標は博士(人文系)になることと、犬(できれば中〜大型犬)を飼える身分になるこ…

いつき

30代の目標は博士(人文系)になることと、犬(できれば中〜大型犬)を飼える身分になること。その目標をかなえるため、しばらくはハワイにいます。

最近の記事

スライムにならないために

昨日の授業でジャック・ラカンの鏡像段階についての論文を読んだ。すごくざっくり言えば、赤ん坊が鏡を見て「あ、あれ私だ~!」と気づき、鏡に映った像、つまり「鏡像」を通して自我を手に入れるという話。自我、言い換えるならば「私の考え」とか「私らしさ」みたいなものを支える「私」は、そのスタート地点から「鏡像=自分ではないもの」に依存しているのであって、他者との関係性無しに「自分」なんて存在しないんですよ、という結論。 とまあ、そんなことはどうでもいい。 ラカンの鏡像段階の論を読んだ

    • その気持ちを聞かせてほしい

      この一週間くらいで、うっかりドラマ版『凪のお暇』の第一話だけを2回も観てしまった。 2回観て、2回とも同じところで一瞬息ができなくなった。「うっかり」と言ったのも、2回目に観たときに「あ、あのシーンが来る」と身構えたときには時すでに遅し、そのシーンが始まり1回目と同じように苦しくなった。 そのシーンというのは、慎二が凪に“呪い”をかける場面。正確な台詞は覚えていないけど、「お前は俺から逃げられない」というような言葉を凪のもじゃもじゃ頭をわしづかみにしながら慎二が吐く。モラハラ

      • ともだち100人できるかな

        夏休みだ。ハワイで過ごす初めての夏休み。そして何より、留学一年目を生き延びた後の夏休み。 今日すべての課題を提出して夏休みに入ったばかりなので、正直まだ実感はないし、ただただ気が抜けている感じ。でも、こうやってぼーっとすることも学期末を駆け抜けた後にはきっと大事。 夏休みのことや今学期のことはまたそのうち書くとして、学期末に書きかけたまま放ってあった文章の続きをまずは書こう。   最近ヨルシカの歌をよく聴いている。勉強の合間や、これを書いている今まさにこの瞬間も。 ヨルシ

        • 泣きながら生れてきた僕たちはたぶんピンチに強い

          「感謝カンゲキ雨嵐」っていう曲名のダサさがいかにも若手のジャニーズっぽくて結構好き。 最近なぜかしょっちゅう嵐を聴いている。中高生の頃に聴いていた、割と古めの曲。久々にじっくり聴いていたら、「Hero」という曲に「夢を共に追いかけたあの仲間たちは きっと今もそばにいる 感じる」という歌詞があった。これを聞いたとき、最近の出来事とこの歌詞と、さらに嵐に対する懐かしさまでもが私の中でひとつになって思わずにんまりした。   Stay at Home Orderが出て約三週間がた

        スライムにならないために

          こんな時にたちの悪い風邪をひいた

          先週の月曜から丸一週間以上、風邪らしきもので寝込んだ。一昨日くらいからようやく起き上がる元気が出てきて、昨日から大学院のオンライン授業にも復帰している。 まさかコロナウイルス大流行中のこの時期に、こんな風に倒れるとは思わなかった。念のためうけたコロナの検査は陰性だったし、オンライン診療でみてもらった医師からも「たちの悪い風邪でしょう」と言われているので、まあそうなのだろう。 それにしても、だ。 時期が時期ということもあり、かなりびびったし凹んだ。検査の正確性も100%ではな

          こんな時にたちの悪い風邪をひいた

          身を守るすべ

          じわじわと心が削られてきているのを感じる。 ハワイのこのせまい部屋で、同居する大家さんと隣り合わせ。壁が薄いので、互いの音はとてもよく聞こえる。どれくらい薄いかといえば、大家さんの電話の会話も観ているテレビ番組の内容も8割はわかってしまうくらい。 別に音が聞こえるのはいい。仕方ないし、人と住んでいる感じがするのは悪いことばかりじゃない。 が、聞きたくないものも聞こえてしまう。 いわゆるネトウヨと言えばいいのだろうか。 中国に対する批判を声高に叫ぶYouTubeの音が聞こえ

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          キキとアンと「小さな子供」

          金曜ロードショーで放送されたらしく、少し前から映画『魔女の宅急便』の感想をちらほら見かける。それを見てもやっとした私は、「私は魔女宅のような作品をどうしても好きになれない自分を好きになれない部分が自分の中にあるということを自分の強みとも弱みとも思っている(悪文の一例)」とtwitterでつぶやいた。 こんな変な文章で書いたのも、最後に(悪文の一例)ってつけたのも、恥ずかしかったからだ。『魔女宅』を好きになれない気持ちは、私の中の情けなくて恥ずかしくて、でもどうしようもなく真ん

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          強い気持ち・強い愛

          最初に言っておくけれど、今わたしは元気です。なんとなく人に心配されそうな内容を書くことになる気がするので、念を押しておきます。 あとこれもついでに言うっておくと、この記事にオザケンは出てきません。タイトルだけ彼の曲名を拝借しました。 かなり昔から、おそらく中学三年生くらいのころから、私は生きる気力が弱いと自覚している。というか、生に執着する気持ちが弱い。積極的に死のうとしたことはないけれど、生か死かを簡単に選べるボタンがあったら、おそらく「死」の方をぽちっとしてしまう。それ

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          オンライン授業

          今日、初めてのオンライン授業を経験した。結果的に言うと、とてもいい授業だった。小さなトラブルはあったものの、全員が「良い授業にしよう」と前向きに取り組んでいて、それが最終的な皆の充実感につながっていた気がする。 一応書いておくと、私は今ハワイの大学院で人文系の学部に所属し勉強している。こちらにやってきたのは約半年前。まだ英語がおぼつかない部分もありつつ、とっている3つの授業に必死についていっているような状態だ。今日のオンライン授業はそのうちのひとつ、英語の研究書が毎週1冊課題

          オンライン授業

          布哇事情(3/23)

          布哇は「ハワイ」と読みます。ちなみにサンフランシスコは桑港、シアトルは沙市。明治大正期に日本人移民の多かった街はオリジナリティあふれる漢字があてはめられてて面白い。 こんな時でも、ハワイには虹が出る。 ホノルルに "Stay at Home, Work from Home Order" が出た。 つまり簡単に言えば「不要不急の外出は控えろ」ということ。総領事館のサイトによれば、以下のような「必要不可欠な」活動の場合は例外。 ・自己の保健あるいは安全のために必要不可欠な行

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          帰れないホーム

          昨日、ハワイ州知事が実質的なハワイの入国(州)を禁じる措置を発表した。ハワイに入る人は、観光客であろうと他州・他国から戻ってきた住人であろうと、入州後14日間の隔離を命じるというものだ。 14日間の隔離というのは、今の私にとって現実的にほぼ不可能だ。つまり、今ハワイを離れてしまったら、この措置が解除されるまでは戻ってくることができないということ。この状況では、日本に帰る事なんて夢のまた夢。 この夏は日本に帰るつもりなんて全然なかったのに、この状況の中でなぜか「帰りたい」気持

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          すーんとする読書

          さすがに今「文学研究をやっています」と言い張っているくらいだから、小さい頃からそれなりに本は読んできた。しかし一般の文学研究者、文学研究志望者に比べれば、おそらくその数は圧倒的に少ない。純文学に至っては逃げ出したくなるくらい無知である。それでも私の人生を変えてきた本というのはいくつかあるので、その話をしようと思う。 本を読み始めたのは早かった。小学校2年生の段階で、すでにエンデの『モモ』を読破して、それを母親に褒められたのがとても嬉しかった記憶がある。「まだ小さいのに、こん

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          移行

          はてなブログを使っていたけれど、記事の独立性が多少高いことと単純にデザインが好きなのとでnoteへの移行を考えている。 まだ使い方に右往左往しているような状態だけれども、とりあえず自己紹介がてらこれまでブログに書いてきた記事をいくつか紹介しよう。 1.結婚をしたいのかもしれない①~⑤、とりあえずピリオド 6つの記事の続き物。長いね。内容としては、恋愛関係にない女の子と結婚がしたいという謎の(でも私にとっては大事な)主張。まあ現状では法律婚はできないので、「結婚のようなもの