こんな時にたちの悪い風邪をひいた
先週の月曜から丸一週間以上、風邪らしきもので寝込んだ。一昨日くらいからようやく起き上がる元気が出てきて、昨日から大学院のオンライン授業にも復帰している。
まさかコロナウイルス大流行中のこの時期に、こんな風に倒れるとは思わなかった。念のためうけたコロナの検査は陰性だったし、オンライン診療でみてもらった医師からも「たちの悪い風邪でしょう」と言われているので、まあそうなのだろう。
それにしても、だ。
時期が時期ということもあり、かなりびびったし凹んだ。検査の正確性も100%ではないというし、同居する大家さんは70代だし、微熱とはいえ全然下がらないし、とにかく「もう嫌だ……」と何度思ったかわからない。
実はまだ体調は万全ではなく、平熱より微かに高い体温と、ロキソニンを飲んでもおさまらない厄介な頭痛を抱えながらこれを書いている。でもそろそろ「日常」を取り戻さないと精神的におかしくなりそうで、勉強をしたりこうやって文章を書いたりしている。
たちの悪い風邪なのだろうけれど、たちが悪すぎる。
以下は体調を崩していた期間に、気を紛らわせるため、そして万が一の時の記録のために書いておいたもの。あとでこうやって公開する気満々で書いてたのに、ところどころ独り言みたいになってる。
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1日目
朝37.0℃、昼37.3℃、夕方37.9℃。喉の痛み。呼吸に違和感。
夕方、怖くなって過呼吸気味になり、それが余計に怖くてもっと息苦しくなる悪循環。友人と電話をして気を紛らわせたら落ち着いたので、息苦しさは精神的なものとわかる。
夜、37.2℃まで下がるが、まだ息苦しさがある。
2日目
朝37.0℃。だいぶ熱は下がった。熱っぽさと喉の違和感は残っている。
とりあえず授業を頑張る時ではないと思って、先生に「昨日から具合悪いので今日の授業は参加できません」とメール。
結局不安になって病院に来た。留学先がハワイでよかった。日本語の話せるお医者さんにかかる。
受付で「熱があるし喉も痛い」と言ったのに最初は普通の待合室で書類を書いた。ちょっとそわそわする。しばらくしたら、診察室みたいな検査室みたいなところに通される。まずは基本の検査。血圧とか体温とか。体重と身長は自己申告。ついでにインフルエンザの検査もやった。日本の鼻の奥までつっつかれるやつじゃなく、入り口のあたりをぐりぐりされて終わりだった。
次はとうとうコロナの検査。お医者さんが入ってきて、喉を見て、呼吸の音を聞いて、体調の経過を聞く。検査はさっきのインフルエンザと同じように、鼻の入り口をくるくるされただけだった。その長い綿棒みたいなやつを何かの液体が入った容器に入れて完了。そして再び結果待ち。部屋を出る時お医者さんは「インフルエンザ、ネェーガティヴ!」とついでみたいに教えてくれた。もちろんお医者さんはがちがちの防護服。
5分後くらいにお医者さんは戻ってきて、「COVID Negative! Gooood!」とこれまた陽気に教えてくれた。というか診察は結局全部英語だったけど、この陽気さには救われた気がするのでもう何でもいい。「でも一応これはつけてね!」ってマスク2枚くれた。ありがとう。
とりあえず薬を出してもらい、お会計を済ませて終了。$93(約1万円)。保険きいてこれか、なかなかするな、とは思うけど、まあ仕方ない。薬局に寄って抗生物質をもらって(これは$10だった)、近くの日本料理屋さんでチキン南蛮弁当を買って帰宅。どっと疲れた。まだ37.5℃くらいの熱はあるので、午後はひたすらおとなしく寝る。
3日目
朝36.9℃。なんだこの微妙な体温は。数時間後に測ったら37.3℃だし。前日夜から胃腸の調子もいまいちだけど、スローペースでぼちぼち勉強することにする。
午後になったら顕著に具合が悪くなってきた。熱は37.4℃でそれほどなんだけど、身体がだるくて胃腸もぐるぐるしてる。勉強もやめて、再びベッドへ。そういえば友人から “Stay in Bed Order” が出てたんだった。違反したバチが当たった気分。2時間ほどベッドでうとうとしてから改めて熱を測ったら37.6℃。なんで上がってんだよ。
朝になったら通常営業が再開できることを願って、9時過ぎに就寝。
4日目
再び36.9℃で起床。もうこのパターン飽きたよ。
がんばって昼からのオンライン授業に出たら(馬鹿だった)、じわっと身体がだるくなり、37.48℃の数字を見てベッドに戻る。大家さんから「月曜日になっても症状が続いてたらもう一度病院に行こう」と提案され、それがいいかもしれないと思う。コロナ関連(特に病状に関する)ニュースを見ると余計に具合が悪くなるので、ラジオでも聴きながら寝ることにする。吾郎ちゃんのラジオから流れてきた「You've Got A Friend」のカバー(by Kandace Springs feat. 山崎まさよし)にちょっと泣きそうになる。
本当は18時からもう一つ授業があったけれど、これ以上体調不良を長引かせたくないから諦める。先生に欠席連絡のメールして、少量の親子丼を作ってもそもそ食べて(食欲は数日前からずっとない)、抗生物質を飲んで、寝る準備。
5日目
再び36.9℃で起床。もうやだ。
午前中はぼんやりベッドで過ごしたけど、午後になっても相変わらずだるい。熱も37度台前半をうろちょろしてる。やっぱり何かがおかしい。
6日目
37.02℃で起床。なんなのよ、もうどうしたいのよ私の体。
何もかも諦めて寝てたのに、昼になったら37.2℃。ちゃっかり上がってるし。頭も痛いし体はだるい。寝ることしかできない。夜まで熱は変わらず、気分は下がる一方。
7日目
起床時には36.9℃だったのに、布団でだらだらしている間に即37.0℃に。そんな律儀に37度台に乗せてくれなくていいんだよ。
あえていつも通りにしてみるかと思って、シャワーを浴び、大家さんと立ち話をして、朝ごはんを作ったら、パンをトーストしているあたりで血の気がひいてきて貧血で倒れそうになった。慌ててビスコをほおばってベッドに横になる。一回休み。そしてふと思い出す。桃が死んで今日で2年だ。
正午には37.17℃。体温の割に体がだるい。あとは頭痛。起き上がる気力がない。14時過ぎに頑張ってお昼を食べ始めたけど、食欲がなさ過ぎて半人前食べるのに1時間かかる。っていうか起き上がってるとちょっと息苦しいね。おかしいなぁ。食事という名の重労働を終えたら37.56℃。寝よう。
夜寝る前、36.8℃。お、いいじゃん。そのまま下がれ〜いい加減下がれ〜。
8日目
そう上手くはいかない。今朝も37.0℃。
医者に行こうといろいろ電話をしたけれど、たらい回しのあげくに診察は明日オンラインでということに。日本人のドクターが見つかってよかった。
奨学金団体の人にも連絡がいったらしく、次々メールや電話がくる。「声を聞いたら意外と元気そう」と安心されたり、「困ったことがあったら教えてね」と言われたり、ありがたい気持ち半分、静かに寝かせてほしい気持ち半分。
午後になっても37.1〜2℃を行ったり来たりするようになり、起き上がった時のめまいも少しマシになった気がする。晩ご飯を済ませてもクラクラしなかったのは回復の兆しかな?
9日目
明けない夜はない。(死なないかぎり)治らない風邪もない。ということで、36.8℃で起床。体温はともかく、身体が少し軽い。
シャワーを浴びて朝食を食べて、さらに軽く読み物なんてしてみてもめまいがしない。まだあんまり長く起きてると頭がぼーっとしてきて、あっという間に体温計の数値も37℃越えだけど、かなり良くなってきたんじゃないか?念のためまだ授業は休んだが、ゆるゆると作業を再開する。
そういえば昨日のナースたちとの電話で判明したのだが、コロナ検査の結果はまだ出ていなかったらしい。あのお医者さんの「Negative!」は私の幻聴だったのだろうか。ともかく、その結果がオンラインで今日ようやく見られるように。合格発表みたい。ドキドキしながらクリック。NOT DETECTEDの文字。改めて、一安心。
16時ころからオンライン診察。日本語は安心するねえ。コロナじゃないし、回復傾向だし、「そのまま安静にしててください」という至極まっとうだけど「知ってたよ」という感じのアドバイスをいただく。でもとりあえず日本語ができるお医者さんと繋がる安心感はありがたい。
午後は割と普通に過ごして、念のため夕飯前に検温。37.56℃。あれれ。でもそれほどだるくはない。でも早く寝よ。
寝る前には37.2℃だったけど、この程度で一喜一憂してはいけないことを私はもう学んだぞ。とにかく睡眠をとるのだ。
10日目
36.8℃で起床。身体は重くも軽くもない。でも熱っぽい感じは残ってる。微熱はあるけど、なんかいけそうだったので、とりあえず1日起きててみる。昼間は37℃台前半を上がったり下がったりだったけど、のんびりと課題の論文を読む。
夜寝る前、36.56℃。思わず「よしっ」て声が出た。
11日目
起床時、36.6℃!やっと下がった……!
でも病み上がりだから調子に乗らないように。のんびりいこう。
12時から1時間ちょいと、18時から2時間半、ふたつオンライン授業に出た。そしたらふたつ目の授業の途中ではっきりと具合が悪くなってきて、休憩時間に試しに熱をはかってみたら37.3℃。あちゃー。頭痛もしてくるし、病み上がりのくせして調子にのりました。
12日目(今日)
起床時は36.5℃。が、午前中から身体が妙にだるい。ずっと寝てたから体力落ちてるのかな?でも頭痛もする。単にまだ治ってないだけっぽい。目標を低め低めに設定して、ちょっとだけ勉強。
昼に一時的に37℃を超えたけど、基本的には36.8℃前後で落ち着く。
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38℃近い熱が出たのは初日だけで、あとは37℃台前半だったので、その数字だけ見るとそんなにつらくなさそうだけど、実際は熱よりも体のだるさがしんどかった。起きてられないのだ。10分くらい起き上がっていると、もうフラフラしてきて何もできない。39℃近い熱が出たときのぼんやりするあの感じが、なぜか微熱なのに起こる。意味が分からない。
検査の結果が間違っている可能性だってゼロじゃない。でも、とりあえず私がいま回復傾向にあり、そして何より心配だった大家さんもピンピンしているので、それについてはほっとしている。
まだ外に出る時、特にエレベーターに乗るときは「自分がウイルスを広めているかも」と感じてドキドキするけど、それに関しては頑張って手洗いをするとか、できるだけ色んな所に触らないとか、そのくらいしかできない。
症状からしてコロナの可能性はとても低いとはわかっていても、その低い低い可能性を無視できるほど私は楽観的ではない。むしろかなりの小心者なので、買い物などはまだしばらく行けそうにない。
日に日に悪化していく日本(アメリカもだけど)の状況をツイッターで見ながら、起き上がる事すらできずにベッドに横たわっている時間は本当につらかった。「Stay Home, Stay Healthy」なんて言葉を見るたびに、「早く日常生活に戻りたい」とめそめそしていた。
唯一良かったことは、ラジオの楽しさが少しわかったこと。
毎日ジェーン・スーの「生活は踊る」を聴きながら、慰められたり、励まされたり、安心した気持ちでうとうとしたりしていた。こういうライブ感のあるメディアって、孤独な生活の大事な支えになるね。
そして「具合が悪い」と伝えてから定期的というか毎朝欠かさず連絡をくれた友人には感謝してもしきれない。ラジオと友人のサポートがなかったら、どこまで気分が落ち込んでいたかわからない。
持つべきものは、趣味と友人です。
なんかやけに長くなってしまった。
病み上がりっていうかまだ病気な感じがすごいので、そろそろ寝ます。
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