奴隷か奴隷商人になるかを選ぶ海外就活
ジャパニーズドリームを掴み損なった友人はまた叫んでいた。どうやら仕事が忙しすぎるらしい。いつもよりも「!」マークの数が心なしか多い。
(日本のブラック企業ですり減ってる外国人の話を見たい方は上のリンクをどうぞ)
「奴隷」...確かにそうだ。外国人として日本にやってきても、特定のスキルがないと、就職しても奴隷のような扱いをされる仕事に就くことになる。
それはスキルがなくても働けるが、経験が積めるような内容ではなく、給料も生きていけるだけ。ということ。
小さい旅行会社で永遠とUSJのチケットを予約したり、新幹線をこだまで予約したりするだけの仕事を何年か続けると、みんな彼女のように叫び出す。
ハッキリ言って持続性がない
そう、分かりきっている。
そんな仕事に持続性はないし、
そんな仕事のまま結婚したら子育てする余裕すらない。
そういうわけで多くの外国人は20代の終わりには、
「フラフラ遊んでたらもうダメなんだなぁ」
と察し、国に帰っていく。
特に帰れる国がある欧米の若者は大抵が帰ってしまう。ちなみに現在日本に残っている私の知り合いは大体100人中5人だ。
残存率5%である
残ってる5人も現地ではど変人、現地では差別される人種などなど帰らない理由がある人ばかり。運がいいから残ってるとはいえない面々である。
ということで、奴隷である誰もが自分の処遇から抜け出す方法を探るのだが、解決方法はある。しかも2000年前から続く伝統の手法が。
奴隷が嫌なら、奴隷商人になればいいのだ。
ということで、この奴隷商人とはなんぞやを今日は説明したいのだが、その前に現代の奴隷には大きく分けて3種類存在していることを説明しないといけない。
なぜなら奴隷としての立場が違うと奴隷商人になれなかったら、なる必要がなかったりするからだ。
そこで奴隷制度の本場、古代ローマ帝国を例えに挙げて分かりやすく説明したい。
奴隷制度大分析!
素敵💓栄光のローマ⭐️
2000年前、素晴らしい文化が花開いた世界のローマ帝国。その洗練された文化を支えたのは戦争や奴隷狩りにあって連れてこられた名もない奴隷たちであった。
私は大学で奴隷制度の授業を受講し、「奴隷のしつけ方」も学んだ身として皆さんに奴隷の種類について教えたいと思う。
ともかくこの国には3種類の外国人奴隷がいると言っていい。そして本質的には日本も同じだ。
1.高級奴隷 -家庭教師-
ローマ時代は奴隷制度があったと聞いたことがある人は多いが、待遇がマシな奴隷もいたと知る人は少ないかもしれない。
例えば、家庭教師になれる教養があったり、数学の知識がある奴隷は割と高待遇で金持ちの家に買われることが多かった。中には結婚を認められた奴隷もいて、これは奴隷としてはかなり例外的なことだ。
現代ではこういう奴隷は技術者として大手企業のプログラマーをしていることが多い。給料も並の日本人より高かったりして、平民からすると、どっちが奴隷かわからなくなることもあるだろう。
本質的に海外就職を目指すなら、この道を薦めるべきなのだが選ばれた賢い人しかできないので万人に提案できるものではない。
海外で医者になればいいですよ?
とか言われたらみんな怒るだろう。
彼らは奴隷商人になる必要がない身分だ。十分うまくいってるわけだから、このままその道を突っ走って貯蓄していけばいい。
2.農奴 -死ぬ!農場奴隷-
続いての奴隷は農奴だ。
農奴とは、書いて字の如く、「農場で働く奴隷」。つまり、単純労働をする奴隷のことである。
はるか昔のローマの時代から人々はなるべく自分はめんどくさい仕事をしたくないと思っていたので、大規模農場を運営する金持ちは戦争捕虜などを買ってきて、奴隷にしていた。
この農奴階級は寿命が短く、使い潰す存在だ。鉱山奴隷にもなると購入から数年で、「買い替え」時期だったというからこの階級の奴隷になると人生を好転させるのはだいぶ難しい。
現代社会でいえばかつての技能実習生制度で日本にやってきた外国人はこれに相当する。
ちなみに21世紀の発展した日本では農奴のように死ぬことはない。契約書が読めないことをいいことに最低賃金以下でこきつかったりするくらいだ。(くらい...か...?)
まぁ本質は変わってないということだ
こういう人々は一般的なローマ市民、そして日本国民の目に触れることは少ない。現代でも同じで、新宿や渋谷で彼らを目にすることは少ないだろう。逆に「現代の大規模農園」であるメーカーの工場がある北関東などにいけば電車に乗ってるのがみんな若い外国人労働者だったなんてことはざらだ。
彼らの多くは残念だが奴隷商人になることは難しい。そもそも言語能力が足りなかったりするからだ。だが、ごく一部のたくましい者が次なる被害者を集めるブローカーにキャリアチェンジするケースはある。
そういえば「グラディエーター」の剣闘士達のボスがやはり元剣闘士だった気がするがそんな感じである。
3.一般奴隷 -家内奴隷-
最後が最も普通の奴隷、家内奴隷だ。
彼らはローマ市民の家で働き、市民に最も身近な奴隷だったと思う。
仕事内容は掃除や、買い出し、ちょっとスキルがあれば筆記代行や家計の計算などもしていた。
この辺も持ち合わせてるスキルによって待遇は変わるのだが、良い主人に巡り会えると、買い物ついでに買い食いする時間もあったらしい。
ちなみに家内奴隷になれば安泰かというとそういうわけでもなく、何もスキルがないと荒っぽく扱われたりするのは今の世と同じだ。仮に今の世の中と違うところがあるとすれば、愛人として買われる性奴隷がいたことだが、考えてみれば今の世の中にも形を変えてありそうだ...
奴隷商人になるのであれば最も適性が高いのがこのタイプの外国人だ。私はぜひ、この階級で苦しんでる外国人には奴隷商人にキャリアチェンジすることを勧めている。
奴隷商人=移民向けサービス提供者
さて、皆さんの注目を引くためにあえて過激な「奴隷」という単語を使ってきたが、そろそろ本題に移ろう。
奴隷商人とは移民向けサービスの提供者のことだ
年収300万くらいでギリギリの生活をしている外国人にはぜひこの道を勧めたい。
まず、移民向けサービスとは移民の生活をサポートする業務のことだ。
例えば日本で働きたいと思っている若者をリクルーティングしてくる仕事が該当する。他には彼らが日本に定着した後、外国人でも住める家を紹介する不動産屋もそうだろう。もっと稼ぎたいならビザに関係する行政書士や弁護士の仕事もハードルは高いが稼ぎのいい仕事だ。
特に外国人専門不動産屋は最近増えてる気がする。
つまり、よく言われるゴールドラッシュに行かず、つるはしを売ろう!みたいな話だ。
私がこれまで遭遇した中で最も従事者が多かったのは、最初に説明したリクルーティング業務に従事する人だった。
例えば元々家族と一緒に労働者としてやってきた日系ブラジル人が多かった。彼らは日本語能力を活かして、これからやってくる日系人に住宅を斡旋したり、仕事を紹介することで稼げているのだ。まさにツルハシを売っている。
これは結構金になる仕事だ。そこで働く日系ブラジル人の知り合いも長年それなりに稼いでいる。といっても400-500万の間だとは思うが、日本人の平均並みに稼げることは外国人として「すごい」。
また、独立したいなら鉄板は飲食店か移民用スーパーの開店だろう。新宿の新大久保近くにはそれぞれの移民向けのスーパーが乱立しているが、あんな感じだ。店主として成功すれば1000万の稼ぎも夢じゃないかもしれない。
飲食店だけだとリスクだと思った場合は寮をやるのもいい。同じく新大久保にはあるネパールレストランがあるのだが、そこのビルの2階から上は日本語学校の留学生用寮になっていて、学生たちは朝と夜一番安い定食をタダで食べられるようになっている。どうせ彼らは酒を飲み出すので、そこで稼ぐというのが方法だ。
それが憧れの外国生活?
ということで、移民になって搾取されるとしても、その環境を変える方法は十分にあるとわかるだろう。
もっと弱いやつを搾取するのだ
再現性を持って稼ぐ方法としてはこれが結構いい手法だと思っている。しかし、倫理的に許されるのだろうか?と思う日本人は多いに違いない。
しかし、これが移民の宿命だ。遥か昔から先についた移民が後からやってきた移民で金を稼ぐのはもはや当たり前になっている。
アメリカのイタリア人移民だって同じだった。ゴッドファーザー2に「なんでイタリア人がイタリア人をいじめるんだ?」って主人公のビトーが疑問を持つシーンがあるが、そういうものなのだ。
生態を知らない外国人よりも自分と同じ経験をしている後輩から金をもらう方が容易いということだろう。
ちなみにそんな悪い奴は安定した国で育った日本人にはいないだろうと思うが、そんなことはない。
例えばパリ郊外で家を買ったある日本人は毎年やってくる交換留学生のために高額で部屋を貸し出している。周辺のシェアハウスの相場より1.5倍ほど高いのだが、子供達の親御さんが日本人なら安心だと相場をよく確認せずに借りてくれるからがっぽり儲かるらしい。
結局みんなそういうことだ。
だが、これって憧れてた外国生活か?
日本の社会の息苦しさを感じて飛び出すという人をよく聞くが、飛び出した先が搾取まみれの社会だと知ったらそれは予想通りの外国生活になるのだろうか?
鳥籠の中の鳥は牧歌的な草原を自由に飛び回ることを想像したかもしれないが、実際は生き血を啜るケダモノだらけのジャングルに解き放たれたら、「いや、これじゃないっす。僕が求めてるのは...」と言わないだろうか。
どうも私には「ジャングル」を求めてるタイプは海外移住に興味を持っている人にはあまりいないと思ってる。なので素直に勧められないのだ。
仮にジャングルをお求めならぜひ南米をお勧めしたい。ギャングにインフレーション、殺人がありふれててニュースにならないそんな素敵な街をいくつもご紹介できる。
...なんて書くと昔、本当に紹介してくれと言われたことがあるからこのネットの世界は怖いが。