偏差値65レベルの言語能力が海外就活では必須なんだが…？
「私、将来的にはスペイン語を使って現地で仕事をしたいと思うんですけど、どれくらいのレベルまで必要なんでしょうか？」
と質問されることがコレまでの人生で200回位ありましたが、結論はB2です。
でも、このB2はそんな簡単ではありません。実は日本人でB2の外国語能力を持ってる人って偏差値にして65くらいあるって知ってましたか？
なので仮に言語を使って現地で仕事することを目指すと、とんでもない高い壁に心が砕けるかも知れないのです。
今日は海外生活で必須である言語力、実はこれすら求められるレベルがめっちゃ高いという話をしようと思います。
現地就活で必須な言語レベルはやはりB2
※「B2ってなんだよゴラァつ！」って思われた紳士淑女のために下記のリンクを乗せておきます。まぁ6段階ある言語レベルで上から3番目です。
私はスペイン語はB2、フランス語はB1を取得しておりますので大体Bレベルの人の能力が勘でわかります。
そのため、オフィスワーカーとして日々の作業に耐えうる最低限の語学レベルがB2と言われれば、それには納得です。
とは言っても私の勘の話だけしても意味がないので今回は実際にスペイン語の求人サイトから最低限必要とされている言語能力の割合を調べてきました。
こちらに掲載されている業務の総数からどれくらいの言語レベルが許容されるのか数えてみると結果は…どんっ！
82%!
なんと82％がB2以上を必要としている事がわかりました。
この結果をみるとB2以上が社会人として扱われる言語レベルだということがわかってきますね。
ここでぶっちゃけ話をしましょう。
外国語を話すと聞かれると大抵の方は「生活レベルの言語能力です」と言います。しかし、その生活レベルとはB1かA2を示していることが多いです。B2ではないことが多いのです。
スーパーで買物したり支払いしたりするならコレでも問題ないので確かに「生活レベル」ではあるのですが、生活のかなり重要な部分を占める仕事ができるかどうかで判断すれば、「生活レベル」の言語は明らかにB2です。
ですので日常生活に困らない以上の言語力が就職では必要とされていると分かりますね。
実際にB2に受かってわかる難しさ
実際、B2って結構難しいんです。
いや、かなり難しい。でもその難しさを受けたことがない人に説明するのは至難の業です。
例えば日本人がよく知ってる資格試験で例えてみましょう。
英検のB2レベルってどれくらいか調べてみますと…
準1級と1級の間くらいになりますね～…
いや、これキツいレベルですよねやっぱり。
それを踏まえてスペイン語B2とフランス語B1に受かった私が両者の試験レベルの違いを端的にまとめてみるとこうなります。
リスニング部門
B1: テスト用の会話文を聞く
内容はだいたい「困ったな鍵を失くしちゃったよ」「本当に？それならカフェに行く前に大学に戻らなきゃ！」くらい
B2:がっつり、インタビューを聞かせられる
この度は新薬の発明をおめでとうございます。◯◯博士。よろしければあなたの発明がどの様な人に役立つか私達に簡単に説明していただけませんか？」くらい
B2になった途端大人レベルの知識が問われるわけです。
お分かりでしょうか?一見して明らかに「日常会話レベル」ではない新薬の話まで理解できて初めてB2なのです。
と、まぁこの用にB2になった瞬間テスト側も「本気」になっているように感じるのがこのB2というテストのレベル感です。
B2以上の英語力がある日本人は7%
ともかくB2というレベルが社会人生活を異国で行う上でやはり必須であることは伝わったと思います。
しかし、B2以上の英語能力がある日本人はたったの7%しか居ないのです！7％ですよ？つまり偏差値にしたら65。
旧帝大に入るくらいの能力がある人達くらいの割合しかこの必須能力を持っていないのです…
そりゃ、海外に移住した日本人が結局就職できずにYouTuberとかフリーランスになるのもわかりますよね。
言語能力だけで考えても国内のトップ10%くらいの学習能力がある人ではないと勝負の前提にも立てません。しかもこれだけの能力があれば現地で高年収になれるわけではなくて、ただの事務職になるためのチャンスが手に入っただけですからね。
う～ん…正直稼ぐ為とか経済的な理由だけ考えたら海外に行く理由なんかないって思っちゃいますね。
結論:海外就活できる奴のほうがおかしい
やはり考えてみれば海外就活というのは自由になれるように見えて、当たり前のように求められているスペックが異常です。
こんなのもう平均的な日本人の能力を考えたら現地就職できる方がおかしいよ！って思いませんか？
改めてですが、海外就職して生活している在外日本人の皆様や在日外国人の皆様には尊敬の念を感じずにはいられません。
そして合わせて、無謀に人並み以上の努力をしたことがない人が立ち向かうべきではない場所だと思いました。こういう情報を集めていけば行くほど無理ゲー味を感じるのですが、無理ゲーを無理ゲーと伝える人が少ないので今日も夢見て散って行く若者が耐えないんだなぁと思った今日このごろでした。
仮にB2あればすぐ就活できますよ！とか業者に言われたらこう思ってくださいね！
「新卒で東北大行けばどの会社でも面接受けられますよ！」みたいなものだと…